「これでは来年2019年4月の統一地方選は戦えない」――。自民の地方組織から悲鳴だ。原因は言うまでもなく、森友疑惑と決裁文書改ざん。疑惑の核心にいる安倍晋三夫妻が居直る限り、支持率はドンドン下落し、上がり目なし。自民の地方組織だって百も承知で、統一選を争う地方議員のホンネは「一刻も早い退陣を」だが、問題は「ポスト安倍晋三」である。
有力候補とされる岸田や石破は、汚れきった党のイメージを払拭するにはインパクト不足だ。
「いっそ、森友疑惑を徹底調査する姿勢を打ち出すため、野党と大連立を組み、共産党の志位和夫あたりに、首相を明け渡したらどうか」と、やけくそ気味に語るのは、自民の都政関係者だ。この難局を乗り切るには「ポスト安倍晋三は志位」も選択肢のひとつというわけだが、あながち可能性はゼロではない。
すでに大阪は2008年の橋下府政スタートから維新の会が台頭して以降、あらゆる地方選で自共共闘が実現。2017年の名古屋市長選では、現職の河村たかしに自共は両党の推薦候補をぶつけた。
現在開催中の東京都議会も、知事野党の自共両党が「打倒小池」で固まりつつある。日本の3大都市では、事実上の自共連携が現実のものとなっているのだ。
「森友文書改ざんは民主主義の根本を破壊する未曽有の不祥事。『佐川宣寿が』『佐川宣寿が』の大合唱の無責任政権に自浄能力はありません。即刻、総辞職し、国権の最高機関である国会が総力を挙げ、健全な民主主義を取り戻す必要がある。そのためにも、与野党の垣根を越えた“挙国一致内閣”を暫定的に樹立し、改ざんの真相究明と再発防止を講じた後、解散総選挙で国民の信を問うしかない。不祥事を招いた自公両党は暫定政権の首班は辞退すべきで、まず野党第1党の立憲民主の枝野が筆頭候補。経歴を考えれば、共産の志位もふさわしい。国政政党で最も長く党首を務めている実績がありますからね」(立正大名誉教授の金子勝)
はたして共産党に政権参加の覚悟はあるか。