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タクシー暴走で無罪主張 病院突入10人死傷、福岡地裁初公判

2016年12月、福岡市博多区の原三信病院にタクシーが突っ込み10人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた個人タクシー運転手、松岡龍生被告(65)の初公判が2018年5月10日、福岡地裁(平塚浩司裁判長)で開かれた。松岡龍生被告は「ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えた事実はありません。私は無罪です」と述べ、無罪を主張した。

安全が大前提の病院で3人が亡くなった衝撃的な事故。公判では、アクセルとブレーキを踏み間違える過失があったかどうかが争点となり、衝突直前の状況を巡って検察側と弁護側の意見が対立する見通し。

事故は2016年12月3日午後5時ごろに発生。起訴状などによると、タクシーを運転中の松岡龍生被告がブレーキとアクセルを踏み間違えて急加速し、パニックのあまり踏み間違えに気付かないまま時速約86キロで病院に突入。屋外にいた花田盛幸さん(当時44)ら3人をはねて死亡させた上、同院1階に突っ込み7人を負傷させたとしている。

松岡龍生被告は捜査段階から「ブレーキを踏んだが止まらなかった」などと供述。しかし、事故前後の車両の情報を記録する「イベント・データ・レコーダー」には、事故直前にアクセルが踏まれたことを示す記録が残っており、ブレーキ系統にも異常は確認されなかったという。

また松岡龍生被告の鑑定留置の結果から、福岡地検は被告の心身にも問題はなかったと判断。刑事責任が問えるとして2017年2月に起訴した。

公判は2018年10月4日までに計6回、12人の出廷を予定。事故車両に詳しい専門家の証人尋問などが行われるとみられる。


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