ノーベル平和賞(-ぴんふしょう)とは、アルフレッド・ノーベルが定義したノーベル賞の一つで、麻雀における非常にポピュラーな役である平和(ピンフ)でアガり続け平和(ピンフ)に貢献した人に与えられる。
麻雀における平和は極めてポピュラーな役である。その条件は面前で役を揃え(ポンやチーをしてはならない)、面子は全て順子(シュンツ、連続した数牌三枚で構成する面子)で揃え、雀頭(アタマとも、二枚の同種牌からなる、対子とも)は役牌(三枚揃える事で役が付く牌。三元牌や特定の風牌など)ではいけない上に待ちは両面待ち(リャンメン待ち、連続する二枚の数牌で前後の二枚が当たり牌となる)ものという面倒な条件を要求されるものの、非常に作りやすい役の一つである。麻雀の役の点数に当たる翻数は1翻であり、符計算も低く抑えられるため、いわゆる安い役といえる。
それ自体は確かに良く出くわす安い役ではあるが、麻雀においてはこれに組み合わせて立直・門前清自摸和・断么九・一盃口・三色同順などさまざまな役を組み合わせる事が出来、またドラ・裏ドラ(面子に一枚組み込まれる事で翻数がハネ上がる牌)を組み込ませやすい事から麻雀における基本的な役ともいえ、メンタンピンのように高得点を狙う組み合わせにもなる。
ダイナマイトの開発者であるアルフレッド・ベルンハルド・ノーベルはある日、ダイナマイトの開発でたんまり懐の暖まった金を持ってストックホルムにある行きつけの雀荘に出かけた。その日、雀荘にはいつもの面子に加えて見慣れない一人の男が居た。ノーベルは彼の友人とその男を含めた四人で卓を囲み、麻雀を始める事になった。
その男は常に平和を意識している打ち方を続けていた。時には平和よりも別の役を狙った方がいいような場合やあまりにも配牌が酷い場合もともかく立直・タンヤオ・平和のメンタンピン方向へ手配を進めていたのである。ノーベルは最初こそその男の打ち方に批判的ではあったが、男はそれでも愚直なまでに順子を揃え、字牌は即切りをし、時にはドラを切ってまで平和での和了にこだわり続けた。次第にノーベルの中にその男の打ち方を認め、「平和を狙う麻雀は一歩ずつ前に進めていく、極めて建設的で健康的な麻雀である」とする確信に至ったのである。
ノーベルは早速自分の財団に帰り、「平和(ピンフ)に貢献した人の為の賞を作ろう」と動き出した。しかし世間では「平和とかダセ」「雀鬼流だと最初に字牌は切らないから」と一笑され続け、その制定には多くの困難が伴い、結局ノーベルの死後になってやっと制定されたのである。
ともかく平和でアガり続ける事が必用である。初代受賞者のアンリ・デュナンなどは清一色七対子ドラ2聴牌を崩してまで平和でアガり続けた事を評価されてのものであるといわれる。雀荘で平和ばかりであがると次第にノルウェー国会直属のノーベル賞調査委員が貴方の背後に立つことになるだろう。そこで一回でも平和以外の役でアガったらその時点で受賞はオジャンである。
国士無双十三面待ち聴牌だろうが、大三元字一色四暗刻のトリプル役満聴牌であろうが、天和だろうが、それを崩して平和に持って行く信念があれば受賞もそう遠い日ではないのである。
どうしても役満を狙いたい諸君は、發なし緑一色、地和、人和(ローカル)、大車輪(ローカル)などを目指すことになる。一般的には役満役であがると平和は消滅してしまうが、受賞条件は存続することになる。