心臓(しんぞう)とは生物の胸にある空気入れで、脳に次いで大事な中身とされている。病院のベットから、逝きそうな青年が解説してくれるそうだ。
こ、こんにちは・・・今日は意識がもうろうとしていますが、頑張って解説します・・・人が呼吸をする時に空気を吸い込んで、そこから酸素を取り込むのが肺です。肺から送り込まれた酸素は動脈という血管を通って、使われた酸素は静脈を通って肺に辿り着き・・・二酸化炭素として・・・排出しま・・・ぐぅっ!
「暗才君!」
大丈夫だよ、黒子ちゃん・・・まだ、少しの間は大丈夫だから・・・心臓は力持ちで、インパルスで・・・全身の血流をコントロールしていて・・・それからマラソン選手なんです。ずーっと、動いてるんです。生まれてから死ぬまで、ゴールまで走り続ける。だから・・・例え病気でも、心臓に感謝しなけりゃいけないんです。例え弱々しくても、一生懸命走ってるんですから・・・この病院の人達も、皆感謝しています。もちろん、僕も感謝してい・・・ま・・・・・・・・・
「いや!駄目・・・私を置いていかないで!!」
・・・!ハア、ハア、今のは危なかった。でも、Egachan Galleryの皆さんに心臓の素晴らしさを教えたいんだ。続けさせてくれ・・・よく脳に心があるって言うけれど、それは違うんだ。心臓には魂が宿っていて、魂から脳に気を送っているんだ・・・脳は気を電気信号に変換して、そこから身体を操るんだよ。だから、ウィキペディアの知識は間違っているんだ・・・本当に正しいのは・・・ああ、もう駄目だ。限界だ・・・
「そんな・・・暗才君!暗才君!!」
ごめんね、僕みたいな貧弱なのが彼氏で。でも不思議な気分だ・・・天国にいけそうな・・・・・・僕はちゃんと、伝えたよ。僕はちゃんと・・・・・・
「ああ、ああああ・・・暗才君!暗才君!!・・・・・・何で・・・何で!私を残して逝っちゃうのよ・・・・・・う、ううぅぅ(涙)」