本人は「ギャンブルや風俗店で使った」と“容疑”を認めているという。
教員組合の口座から約4800万円を不正に引き出したとして、高知・土佐市立戸波(へわ)小の吉村恵一(60)が2018年4月23日、業務上横領の疑いで県教委に告発された。
吉村恵一は2009年4月~2016年3月の間に、県内の公立小中学校の校長、教頭が任意で加入している県管理職教員組合の口座から計118回にわたり、計約4800万円を横領した疑い。教員組合の書記長で会計を担当していたという。
吉村恵一は2005年に高知市立介良(けら)小で初めて校長になり、2014年から戸波小の校長を務めていた。2018年3月で定年退職したが、今回の横領が公にならなければ、再任が決まっていたという。
再任はパーになったとはいえ、吉村恵一はあくまで定年退職で、懲戒解雇ではない。退職金はいくらになるのか?県教委関係者が言う。
「退職金?吉村恵一は前月退職しているので、今月末が支給期限ですが、差し止め請求します。その後は県の退職手当の審査会に諮って答申を受け、最終的に全額支給なのか、一部支給なのかを決定します。全額はいくら?もちろん、100万、200万円のレベルではありません。数千万円です。(横領した)4800万円をそれで弁済できる?全額をカバーできる額ではないと思います」
実は、横領の事実は2016年の2月ごろに発覚していたという。「彼は責任を取る必要がある」と教員組合の関係者がこう続ける。
「組合としては対応に戸惑い、頭を悩ませ、県教委や警察に報告できませんでした。弁済契約公正証書を作成したのですが、吉村恵一は返済計画を示していません。返ってきたのは今のところ60万円だけです。なぜ、今になって告発したか?2017年12月~2018年1月にかけ、吉村恵一の責任を問う必要があるという話になりました。2018年2月の会議で『告発する』という結論を出し、警察に報告しました。長期にわたる私的流用、不正使用については、使途先を証明しないと、なかなか立件までいかないと言われ、資料を用意したのですが、受理はされなかった。その後は弁護士に相談し、もう一度、警察に相談しました。会計チェックが甘かったのでは?機能していませんでした。反省しています」
吉村恵一は普段は温厚で、特に羽振りがいい生活をしていたわけでもなかったようだが、2010年には教員向けのセミナーで金融教育、金銭教育の講師も務めていたという。人様にお金の使い方を教える前に、自分が学ぶべきだった。