肉便器(にくべんき)とは人情紙のように薄い時代に生まれた、暖かいコミュニケーションを推奨するハートフルな家具である。
20世紀以降急速に進んだライフスタイルのオートメーション化は、効率性と衛生性の観点からは望ましいものであったが、その反面人間同士の触れ合いが急速に失われてしまった。核家族化の進行や単身世帯の増加がそれに拍車を駆ける形になり、対人コミュニケーション能力の自然習得は誠に厳しいものになってしまったのである。生きていく際に他者と関わる必然性がなくなり、誰とも会わず誰も愛さず誰からも愛されなくとも生きていく分には支障がなくなってしまった。特に男性の場合はそれが深刻であり、オナニーのネタと生活費だけあれば問題ないと考える独身男性の増加は少子高齢化に加速をかける憂慮すべき事態である。
しかし幼少期から培われた精神性は簡単には変わらない。それを改善するためにどうするか、という命題に対して答えはシンプルだった。「男は性欲で生きている」という原則、それが突破口になったのである。極めてプライベートな空間であるトイレに会話相手を設置し、排泄や性欲処理を通じてコミュニケーションの訓練を計れれば効果は上がるのではないか。そういった思考から「トイレに置かれる人間型家具」として作られたのが肉便器なのである。
肉便器は直接的には便器ではなく、排泄介助や性欲処理サポートが仕事となる。その際に妨げにならないように肉便器は基本全裸であり、服を着せる事は稀。またトイレ以外での使用は推奨されていないためメーカーサポート外になるが、肉便器の性能次第では家事全般をさせることも一応は可能ではある。
肉便器は人間女性を躾/調教して作る都合上、定期的にメンテナンスをしてあげると長持ちする。尚肉便器が妊娠した場合、親権と養育権は男性側が全て背負うことになる。ご利用は計画的に。