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都議会で可決の“デモ封じ条例” 「憲法違反」と学者が批判

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たった1時間の審議で小池百合子がスピード成立をもくろむ「デモ封じ条例」こと、都迷惑防止条例の改悪。2018年3月22日、都議会の警察・消防委員会で、11対1の大差で可決された。

都民ファースト(都F)や公明、自民など大半が賛成し、反対は共産だけ。小池百合子は2018年3月29日の本会議で一気に成立させるつもりだが、再三、指摘している通り、この条例案は明らかに憲法違反だ。

この条例案でハッキリ「違憲」と断言できるのが名誉毀損の規制強化だ。名誉毀損規制を見ると、刑法の要件が大幅に緩和されている。現行の刑法は公然との社会的評価を低下させることに限定されており、被害者の告訴も必要。しかし、条例案はこれらの要件がすべて削除されていて、主観的な感情でも、捜査機関の腹ひとつで取り締まりが可能になるのだ。

確かに憲法94条は地方公共団体が「法律の範囲内で条例を制定することができる」と規定している。法律よりも厳しい環境基準など、特例的に規制の“上乗せ”を容認しているのがその例だ。これを理由に警視庁の市村諭生活安全部長は委員会審議で「刑法が容認している」と説明していたが、冗談ではない。

2018年3月29日 本会議の安易な賛成は許されない

この条例が成立すれば、抗議デモや市民のオンブズマン活動、記者の取材が大幅に制約される可能性が高くなる。都議会でこの点を問われた小池百合子は「基本的には乱用されない」とシレッとしていたが、何ら乱用防止策はないのだから信じられるはずがない。立正大の金子勝(憲法学)が言う。

「名誉を害することは許されることではありませんが、名誉というのは広い概念。捜査当局が何でも取り締まれることになり、表現・言論の自由を侵害しかねない。そのため刑法は、被害者の告訴を必要とした上、社会的評価に限定したのです。これが名誉毀損罪の肝です。その要件を削除するなどとんでもない。都条例の名誉毀損規制は明らかに憲法94条違反です」

憲法学者からも批判の声が続出しているにもかかわらず、小池百合子チルドレンの都議会最大会派「都F」の増子博樹は取材に、「本会議でも会派全員で賛成する」と言うからアングリだ。抜き打ち立法や憲法無視は安倍晋三と同じ独裁者の常套手段だ。本会議採決は何が何でも阻止しないとダメだ。


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