「便所で生まれるのは汚れたものばかり」
~ トイレ について、銀魂サブタイトル
「これをキレイにするだけでべっぴんさんになるならとっくの昔に毎日してるわよ」
~ トイレ について、 マリア・アンナ
トイレとは性器や臀部、肛門などを露出し、さらにスカトロまで楽しめる備え付け家具である。中にはトラックの荷台などに積み、持ち運んで使える「スーパートイレ」と呼ばれるものも存在する。ちなみに太股の骨を折ると糞がやり難いので要注意である。
トイレの存在価値は通常考えられている以上に幅が広い。露出などが行えることから、公園のトイレはいわゆるハッテン場として使われることも多く、こうした利用を行う者同士の中では「や ら な い か」がその合言葉となっている。これは山川純一の取材によって描かれたドキュメンタリーコミックにより、よく知られる文化となった。最早トイレとは、我々の聖地なのである。
また、一般に室内は狭く、壁に覆われているため、個室としての耐震強度は一般家屋の中では最も高いとされ、震災時の避難場所としても推奨されている。このため、しばしば自主的に防災訓練を行う者がおり、トイレに駆け込む姿を目にすることができる。防災訓練は一般に、非常に真剣なものと言え、駆け込んだ後には震災によって負傷していることを想定した唸り声をあげたり、二次災害である土砂崩れを演出する目的で「ドシャーッ」という効果音を流すなど、気合の入っていることが多い。本人の気合を覗う方法のひとつとして扉をノックするというものがあり、中から「入っています」と答えがあれば、その人物は気合が入っているということになる。「入っていません」という返事はまず無く、自主的防災訓練の質の高さを知ることができる。
こうした活用性の高い家具であることを早くから着目していたマルセル・デュシャンは、トイレの便器をそのまま芸術として解釈した。当時はこうしたデュシャンの神経は理解されにくかったが、現在ではトイレの美術的な崇高さは認められ、トイレ用に個別の洗剤が開発・販売されるなど、その美術的価値を維持する活動が精力的に行われている。まさに、精力をぶちまけるトイレだけはあると言えよう。
IT時代に入り、トイレはさらに特別な扱いを受ける事となる。西村博之は、自らが運営していた巨大電子掲示板「2ちゃんねる」において「トイレ板」を立ち上げた。日常の家具や電化製品は様々あるが、家電製品関連板のなかで単独分野の道具について扱う板はカメラのほかにはこのトイレ板しかなく、このことからトイレが普遍的な重要性を持つものであることが分かる。2ちゃんねるの板リストでトイレはソニーの上にあり、様々な先進的電子機器を開発販売するソニーよりもさらに重んじられている。
トイレの用途は排泄物を流すことだけではない。自宅警備員が危険を冒さず料理の食べ残しを処分できるのはトイレだけであり、上級者はここで飲み水も確保する。また、備え付けのウォシュレットはオナニーに利用することもできる。
昆虫の多くは空中や地上で自由に排泄するが、作法としてそれを嫌う種族もある。そういう種族に向け、独自のトイレ機構をもった植物が存在する。植物は昆虫にトイレを提供する代わり、その排泄物を栄養として吸収する。しかし、トイレに飛び込んで自殺する昆虫が後を絶たず、近年問題となっている。