完全自殺マニュアル(かんぜんじさつ -)は、医学知識を全く持たない某一ジャーナリストが自殺についての空想を語ったフィクションである。
服毒、飛び降り、グモッチュイーーン、エクストリーム・雪山遭難など、私やあなたのような自殺未経験者・自殺ビギナーでもよく知っている代表的な自殺方法ごとに章分けされており、各自殺方法ごとに「致死率」や「痛み」などの数値評価が妄想され、章ごとに作者の空想が続く。
その空想によると、日本で出来る自殺方法では首吊りがベストな方法とされ、より楽に死にたい根性なしや自殺未経験者はアメリカの某博士の安楽死システムを求めて渡米するのがよいとされる。
前述のとおり、作者は文系出身の医学や薬学などの専門知識を全く持たない素人であり、この本があくまで空想に基づいたフィクションであることを理解すべきである。
たとえば、頚動脈切断についての説明で、「血が天井まで吹き飛ぶ」という記述が見られるが、エクストリーム・イラク巡業でタリバンに拉致されたK田さんの首切断動画を見た私の経験からいくと、人間の首を生きたまま切断しても恐怖で動脈が萎縮してしまう可能性があるにせよ、血が天井まで飛び散るということは無い。K田さんの首切断動画がたとえニセモノだったとしても、私が見たグロ動画の数は星の数ほどに及ぶのでこの点については自信がある。もっともこれは、血が派手に飛んだほうが絵的に美しいという問題も忘れてはならない。あくまでフィクションなのである。
また、飛び降り自殺についても、「気持ちよかった」という自殺未遂者の証言を元にそのまま痛みの数値が低く設定されているなど、数値化しようとする試みは評価したいがデータそのもののリアリティに欠けることが少々残念であるが、あくまでフィクションである。 上記の首吊りも、確かに縄が正確に頸動脈を完全に塞げば気絶して楽ではある。が、大抵は塞がり方が不十分で「苦しいけど死ねない」という状況を何分も(体感時間では何十分も)続けなければならない。高所からやれば首が折れて即死だが、この本では「高度は関係なく、ベッドの手すりでも可能なカジュアルな手段」としている。どう考えても詐欺フィクションなのである。
この本は、あくまでフィクションであることを見抜けない、空気の読めない自殺者(しかも多数)の参考になったといわれている。彼らは本の内容を信じてより楽で早く死ねる方法を遂行したに違いない。しかし、その通りに苦しまず死んでいったかどうか、その真相は今生きている我々には知る術は無い。もちろんそれは、筆者の計算通りであろう。
なお、ある情報によれば、筆者は執筆時点では一度も自殺に成功したことはないという。
関連項目