根性梨(こんじょうなし)とは、女性から男性に送られるプレゼントであり、一種の称号としても機能する、とされる。
その名称から、梨の一種と推測される。
チョコレートと異なり、バレンタインデー以外の日付でも、女性の気分次第で随時贈与可能と言われており、人間のつがいが押し寄せるネズミーランド、原宿、お台場、ハッテン場等で目撃情報がある。
このように、梨でありながら、梨の産地として有名な土地ばかりで見られるわけではないことに注意が必要である。
基本的に女性(または女性役)から渡されるのだから、欲しがったところで貰えるものではないはずだが、今すぐこれを手に入れたいこらえ性梨な貴兄に、入手できる(かもしれない)方法を伝授しよう。
「根性」と付いているからには、その文字が印刷された木刀、ハチマキ、Tシャツ等の「根性」グッズ多数が販売されている観光地で入手が可能と考えられる。
この手の非実用的日用品は、まだあまり知恵の回らない十分な教育を施されていない学生たちが、修学旅行で訪れた先で売りつけられるものと相場が決まっていることから、東京、京都あたりの、特に地元の人が寄りつかない土産物屋で探すのが効率的であろう。
漢字の読めない外人と日本人をバカにするために名付けられた浅草寺直近の仲見世通り、清水寺に続く坂道に群がる「元祖八つ橋」の旗を仲良く掲げまくった多数の店舗群等の軒先を覗いてみよう。近寄りがたいオーラを放つ数々の土産物の中に、きっと「根性」と書かれた梨があるはずだ。
こういった、あまりセンスがあるとは言えない場所に彼女を連れ込むことで、ひょっとしたら根性梨を渡してもらえる、かもしれない。
もちろん、バレンタインデーのチョコレートと同じく、女性から頂いて初めて意味のある物品であるからして、特定の相手を持たない未婚の男性が自ら購入するのは、端から見ていて気の毒を通り越して痛いだけなのでお薦めできない。
まずは彼女を作って、気長に贈られるのを待とうではないか。待ったからといって必ず入手できるというものでもないし、入手したところで交際が順調に進展するどころか、破綻してしまう可能性を示唆するものでしかないが。
根性梨があらゆるカップルの間でやりとりされる可能性があるのに対して、どちらかというと十分に相手を知り尽くしたつがいの女性(役)が贈りつける物品として、
甲斐性梨(かいしょうなし)があるという。
「クララのバカ!いくじ梨!」と言う物もあるらしいが、真偽は定かではない。