NTTグループのNTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTぷららの3社は社会問題にもなっている海賊版サイト「漫画村」「Anitube」「MioMio」の3サイトへのアクセスをブロックする方針であると発表しました。ブロックが実施されれば、3社のサービスを利用してこれらのサイトにはアクセスできなくなります。
NTTによれば、今回のアクセスブロックはコンテンツ事業者団体からの要請に加え、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議での議論の結果実施される措置であるとしています。ただ同時に法律が整備されるまでの短期的な緊急措置として事業者側の判断でブロックするとしています。このブロックが実施されれば、ドコモのスマートフォン(もちろんiPhoneも含む)、NTTぷららやNTTコミュニケーションズが提供するインターネット回線から「漫画村」「Anitube」「MioMio」にはアクセスできなくなります。
他の携帯通信キャリアやISPがブロッキングに参加すれば、海賊版サイトへのアクセスは難しくなり、サイトの運営は行き詰ることになるでしょう。コンテンツ事業者にとっては海賊版サイトで大きな損害が出ていただけに、今回のアクセスブロックで被害が縮小していくことに期待しているようです。
ただし、NTTグループが実施するアクセスブロッキングには法的な根拠が薄いとされており、一旦、例外としてこうした行為を認めてしまった場合の弊害も指摘されています。今後、事業者にとって、または規制当局にとって都合の悪い情報を掲載するサイトへのアクセスを際限なくブロックしてしまう危険性を訴える意見もあります。
さらに言えば、無料で漫画やアニメを見ることに慣れてしまった消費者を再び従来の漫画本やDVDへと戻すことができるかどうかも不透明です。しかしApple MusicやSpotifyのような簡単で安価なサブスクリプション型の音楽配信サービスが海賊版の流通を減少させたように、漫画やアニメを合法的に、さらに便利に利用できるサービスがあれば海賊版の需要を減らすことが可能かもしれません。