「わ~た~し~はやってない 潔白だ~」
~ 小沢一郎 について、小沢一郎
小沢一郎(おざわいちろう、1942年5月24日 - )は、東京都出身で、岩手県を地盤に活動する日本製の政党交換ロボットである。その鉄腕は高い性能を誇るが、運用後も勝手に電源が入って動き出すことがあり度々母屋を壊して操縦者を悩ませている。2012年には2回も母屋を壊した。
2013年現在、生活の党に所属。政治家として20代から国会の最前線で活躍してきた筋金入りの議員として知られ、近代日本における主な政治活動「スクラップ&ビルド」のうち、主にスクラップを担当。特に、ビルドに長けた政治家と組んだ際の功績はただならぬものがあり、高度経済成長期からバブル期にかけて、日本経済の成長を大きく支えたとされている。
が、ビルドすなわち創造を担当する政治家と袂を分けたころから、徐々に壊し屋、正式名称「破壊するもの」としての本性が露になっていく。
ちなみに、その「ビルドに長けた政治家」が誰であり、「功績」が何なのかは、これからの研究を待つところである。
彼による長年の破壊活動の中で、最も印象深い破壊、そして彼の破壊の本質を表す最も顕著な例。それは2011年3月11日に日本を襲った巨大地震、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県沿岸のディザスターについての、彼の一連の行動に見て取れる。無論、天災であり通常ならばこのような話は一顧だにすべきではないのであるけれど、時の政権中枢に近かった彼が、震災直後からまったく表舞台に出ることなく、何もしなかった、動かなかったことで、岩手を含め、東北全体の復興は大幅に遅れることになる。
これこそが、本当の破壊である。
すなわち、手を出さなければいけないときに手を出さないことで、往々にして人が壊れ、次に人々が引き継いできた歴史が壊れる。これは、石炭産業を死に追いやり、日本の縫製文化を地獄に突き落とし、なおかつ新たに生まれた産業に大量の人員を配備させることに成功した、ある意味古典的な方法である。そうすることで、既存の産業を一新し、新たな利権が生まれ、経済が活性化していくのが、近代日本の経済成長を支えた陰の一面である。
問題は、ビルドがない状態で救いの手を無視することが、いかに悲劇を生むかという話である。実際、震災以前、それ以降に壊し続けたものの多くが、ビルドに深く関わるものばかりであった。特に、原発問題にからむエネルギー関連でのスクラップ、破壊的な政治活動については、震災以降に日本全体での工業力の低下に直結し、より東北の復興を遅らせる原因となっている。
まぁ、一番ひどい破壊は、マトモな政治家を生み出す構造を完膚なきまでに破壊したところだけれど。
小沢一郎が日本の政治を破壊した手段。それは、タレント候補と呼ばれる知名度を優先させ能力をまったく省みない手ごまを大量に、そして集中的に政治の舞台へと上げることで、政治をパフォーマンス化。有名であればあるほど国会議員になれるという道筋を、本格的に整備したことがあげられる。
普通、探偵ナイトスクープの某秘書を立候補させようだなんて発想は出てこないし、オリンピック金メダリストを議員にしたところで、日本の政治はよくならない。にも関わらず、彼の政治手腕を最大限に発揮させる、ただそれだけのために無思想かつ無自覚な存在がわらわと国会に行き、豪腕幹事長と官僚のロボットとして働き続ける。その結果、ます最初に日本の外交レベルが急激に落下。墜落。当たり前だ、英語が出来る議員が少なくなればなるほど、外の動きに対して対応が遅れる。次に、外圧の上昇を防げなかったことで農政が陥落。さらに、2000年代に入ってから労組までがピンチに陥るなど、それまで日本ブランドを影で支えていた「海外情勢を理解した議員」ががっつり減った結果、外圧によってモロに影響を受ける分野の議員と彼らを支える産業に大ダメージを与える。
破壊スルモノの名は伊達ではない。
しかし、最初の頃はまだ、スクラップを行っても十分にビルドをまかなえる体制は整っており、タレント候補がどんなに幅を利かせても、経験を蓄積した議員や彼らを引き継ぐ人材がどんどんつぎ込まれていた。80年代までは。
90年代に入って、その体制が砕け散る。
きっかけは、松下政経塾という政治家のブランド化が始まったことである。1979年に発足したこの政治塾は松下幸之助が次代の指導者育成を目的に70億円もの資金を投入して立ち上げた、財界指導による政治家育成の場である。ここで育った人材は、資金力にすぐれ、人脈にもすぐれ、なおかつ財界からの影響をモロにかぶるという、大変に分かりやすい手ごま発掘ポイントだった。しかも、政治的な経験は皆無というオマケつきでもあった。
つまるところ、豪腕幹事長にとって、もう一つの釣堀が見つかった。
その結果、経験と実務で鳴らす人材を若さとガッツとかいうバカげた能力で負かす事例が多発。そらそうだ、人民は一時の心地よさが全てだ。後で地獄を見るとも知らずに。そうやって国政に参加した人材は、もちろん財界の手ごまとして動き、さらには財界と大変に仲が良い幹事長の下でタレント議員の倍の能力で働き続ける。その結果、地方政治で名を馳せた人材が国政にまでステップアップするなんて事例は壊滅。地方は地方、国は国という形が出来上がる。
それがどうしてどうなるかは、2011年3月11日午後2時46分以降に明らかになる。だーーれも、豪腕幹事長を含めて、だーーーれも、被災地からの声を吸い上げる体制を整えられなかった。とさ。
そんな破壊が生きがいの彼が政権内でのし上がるきっかけとなったのは、田中角栄に見出され、金丸信の庇護の下、選挙戦に異常に強いという実績を積み立てたからに他ならない。ここでも、実は彼の生きがいが役立つこととなり、その結果、将来に禍根を残す。
というのも、こういった話には前例が腐るほどあり、たとえばこれまた破壊神に魅入られた存在である、どこぞのソ連のスターリンが、なぜ破壊一辺倒の統治を行いながら一定の成果を上げたかという、ある疑問に落ち着くためである。まぁ、簡単に言えば、粛清とはすなわち愚か者を切ることにつながり、組織の足を引っ張る重荷をぶった切るという血の入替と才能の抜擢と自身の神聖化の3点セットを併せ持つ効果が十二分に発揮され、なおかつ、怠け者の尻に火をつけるどころではなく、怠け者にガソリンをぶっかけて無理やりに全力で働かせることが可能であったからである。
つまり、無能な働き者を徹底的に排除する効果がそこにあった。「有能な人材は自分が無能だと思われる職務まで昇進する」というピーターの法則と照らし合わせれば、ことさら、最高の人材回転機構が成り立つことになる。
・・・短期間であれば。
こういった歴史の影に目をつけたのが、闇将軍かつコンピュータ付ブルドーザーの異名をとった田中角栄さん。日本の国土に創造しまくり、その関係で地方とも人脈を作りまくり、その上で各省庁ともガッツリ手を結んだ彼の弱点は、その人脈から続々と使えない人材が送り込まれてくることであり、クセのありすぎる彼の娘や、まったく無能な娘婿のように、本来ならば国政に参加させてはいけない人材も、しがらみというものの中でしょうがなく引き立てざるをえない状況が続くことになる。そもそも、寄らば大樹の陰なぞという心得の人間を多く囲ったところで、風通しが悪くなるだけなのだから。
そんな中、とっても役立つのが、そういったしがらみやら人間関係をまったく気にしないで機械的に物事を判断できる破壊するもの。その上で、物事を裏側から動かすのが大好きな側近が彼を自由自在に操ることで、闇将軍の権力が磐石になり、使える人材を盛りだくさんに取り揃え、なおかつ使えない人材を思う存分切り捨てることが出来るわけだから、そらあ、アホみたいに自民党が長期政権を築きあげるのも仕方がない。
だが、80年代に闇将軍が。90年代にその側近が政治の表舞台から消えてもなお、政権のトップに破壊スルモノが残っていたことが、日本の政治をぐだぐだにしていく。なぜなら、党の人事権という強権を手にした彼は、使える人材をも切っていった。しかも、使えない人材を登用しながら。自分の手ごまをそろえながら。これは、ある意味、権力闘争としては正しい光景である。しかし、日本の将来を思えば、やってはいけない行動だった。とりあえず、彼が引き上げた人材の中に、鳩山由紀夫がいる段階で、見る目がなかったというか手ごまをそろえる手腕だけはあったというかなんというか、という話になる。
こういった形で自分の意のままに動く手ごまをそろえ、国会に万全たる勢力を築き上げるまでは、至極当然な話である。問題は、彼がどこぞの闇将軍さんと同じように人材を適材適所に振り分けて、有能な側近に汚れ仕事を任せて、そして自らは政治を裏から操ろうとしたところである。そしたらば、適材適所に足る人材がいなかった。有能な側近もいなかった。手ごまが使えないやつばかりだった。自分は破壊することしか出来なかったという、大変に分かりやすいオチが待っていた。
90年代以降、世界的に破壊されたものの一つに、ジャーナリズムと呼ばれるものがある。実際のところは、それ以前にすでに報道に関する精神性は金の前に土下座しっぱなしというのが本当のところであるのだけれど、それが特にひどくなったのが、いわゆる湾岸戦争以降になる。特に、米国のジャーナリズムが愛国一辺倒に染まったことと、それまで培われた零細な出版社や報道各社が生き延びるための経験の蓄積と体制の維持が、世界規模の企業のM&A(合併や買収)隆盛の中で破壊しつくされたことが、世界中のジャーナリズムを地に落とし、反対にインターネットによる情報発信体制を固めていくことになる。
その巨大な拝金主義の流行の中で、日本のジャーナリズムもやはり金かねかねという方向へと落ちていく。
その結果、情報の根本を司ることのできる政治家の立場が急上昇。正確に言うと、情報を金に換えるためのシステムに関わる政治家が大活躍。いわゆる、記者クラブと呼ばれる日本独自のシステムとも相まって、金と情報を左右する立場の人間が、日本全体のジャーナリズムを動かすようになっていく。特に、2000年代以降。大きな政治的なニュースは、別の些細な話で塗りつぶされることが世間の常識となる。
まぁ、そのおかげで、報道を信じる人間が激減。伝え手の名前と所属する組織を見て記事の信用性を疑うことが当たり前の時代になっていく。実際、国民の情報を欲する意識はたとえ嘘が混じっていてもスピードと信頼性に勝るネットへと移行しつつある。また、東日本大震災以降は、むしろ恣意的なニュースに気づかずに、報道された内容を単に信じるほうがバカというような話にまで発展している。
とかなんとか言う話を無理やりに挟まざるをえないのは、2012年6月に発覚した、小沢一郎夫妻の離婚関連のニュースのせいである。
東日本大震災後、地盤である岩手から放射能を恐れて家族を残して逃亡したり、愛人問題、隠し子騒動といった、彼の致命的なスキャンダルが報じられた結果、破壊するものがほぼ破壊される。地盤を失い、政局を見誤った結果、小沢一郎という政治家の終焉がいきなり近づいてしまったのは、ひとえにマスメディアが崩壊したためである。金かねかねで動くマスメディアですら、東日本大震災は破壊した。無論、その悲惨すぎる報道各社の収益の低下については、彼の影響はまったくない。けれど、マスメディアが金で動くようになり、その結果、現在の惨状に陥ったのは、彼の望んだ結果でもある。
もっとも、このスキャンダル自体はネット上では一斉に火の手があがったにも関わらず、その後の一報が報じられなくなっている。
無論、恣意的な操作によって。
ちなみに、どういう勢力がどういう問題に関連して今回の情報を金で動かしているかというと、2012年6月の段階で日本の政治が消費税増税問題で右往左往していることが一番の原因となる。当初、与党民主党内における増税反対派の筆頭として小沢一郎の名前が挙がっており、別に税制に詳しいというわけではない彼の名前が、単に増税反対というおいしい立場によってマスコミ各社内で急上昇。その結果、国民が望むとも望まざるともない中、消費税反対派の旗手、小沢一郎がピックアップされる。
その直後に超特大のスキャンダルが発覚。
しかも、情勢はさらに彼にとってひどくなっている。というのも、もし消費税の増税がならなかった場合、解散総選挙を行うと野田佳彦総理は明確にしているため、彼の反対うんぬん如何によってもし消費税増税が成立しなかった場合、民主党全体が地獄へ叩き落されることは仕方ないにしても、それまで磐石であったはずの彼本人にとっても、このスキャンダルは選挙に致命傷を与えた可能性が高い。震災直後に地元を捨てて逃げ出したという妻の証言が暴露された今、岩手県でまともな選挙活動を行えるかどうかすら怪しい状況である。そして、もし消費税が増税された場合、その反対勢力の筆頭だった彼が、国民からどう思われるかという話でもある。
別に、この裏に何かしらの思惑をもった巨大な影があるとか、アメリカだの中国だのいう話は特にしない。ただ、50年に及ぶ彼の政治活動の中で、ここまで見事に政局を読み誤まったことが珍しく、豪腕と呼ばれたその影響力にとてつもない陰りが見えたことにただただ驚くばかりである。まぁ、どうしてそうなったかと言えば、マトモな情報を上げてくるはずの報道陣を見事にスクラップ。破壊しつくした結果、情報の質がダダ下がりになってしまって、その結果、最低最悪のタイミングに一番でかい爆弾を爆発させられたということである。
つまるところ、笑えて笑えて仕方がない話であることは認める。
破壊したもの
創造したもの