Facebook(みほん)は、米国発祥の飲食メニュー紹介サイトである。全てのメニューが写真付きで紹介され、豊富なサブ機能も備えていることが特徴。本記事では特に断りが無い限り日本語版Facebookについて記述する。
2004年にハーバード大学に在籍していたマーク・ザッカーバーグが、「不味い」「高い」「たまに傷んでる」などと内部学生から散々な評価を受けて閑散としていた学食(学生食堂)を改善するアイデアを募集するため、内部学生向けにSNSサイトを立ちあげたのが発祥である。最初は「もはや救いようがない」「諦めろ」「外でマック食べたほうがまだ安全」と学生たちから冷ややかな目で見られていたが、創設者の熱意にほだされ少しずつ改善案がFacebookのウォール(電子掲示板の一種、2012年3月から「ニュースフィード」に改名)に集まるようになった。
そして創設者が「改善メニュー案は必ず写真付きで投稿してね。あとイタズラ防止のために本名使って」と写真付きのアイディアを常に求めていた事が功を奏し、「こういうメニューなら俺も食べてみたい」「合コンにも使えそうだ!」「それが食えるのなら毎日ちゃんと大学行くよ」とFacebookは日に日に盛り上がるようになり、その盛り上がりを目にした学食業者が、支持する声の多かった新メニューを次々と学食に導入していった。そして2006年夏にはその学食は内部学生だけではなく近隣住民も多数来訪するなど連日大繁盛するようになり、この成功に気をよくした創設者は同年9月に今度は学食の素晴らしさを世界に広めようという目的でFacebookサービスを一般公開した。
SNSとしてはかなり後発であったFacebookは公開当初こそユーザー数は伸び悩んだが、それまでSNSの世界ではあまり重要視されて来なかった「飲食メニュー写真を気兼ねなく掲載できる」点は所謂「勝ち組」へのアピールに繋がり、平民の食事と比べて金額の桁が2~3桁くらい高いセレブなメニューを連日Facebookにアップロードして悦に浸る高所得者層が増えていった。
このようにして高所得者層の獲得に成功した後は、彼等からおこぼれをもらいたい一般人が次々と金魚の糞のように付いて行く形で平民層にも急速にFacebookが浸透。めったに行かない高級レストランや身の丈に合わない高級料理の写真撮影に勤しむ平民層が多数現れた。しかし収入に見合わない偽装セレブ・リア充生活は決して長続きせず、セレブを装うために借金を重ねた平民層が破産に追い込まれるケースも多数発生し、「サブプライムローンの次はフェイスブック破産か」とまで言われ始めるようになった。
その騒ぎへの対策として、ザッカーバーグは「Facebookではみんな楽しくやろうよ!文句や辛気臭い話は対面で!」と全ユーザーに向けて発信。この一言でFacebook全体で「ネガティブな現象があっても誰も気にしない雰囲気」を作り出すことができ、脱落者の存在をノイズ未満にすることに成功。良いこと(に見える話)だけを気兼ねなく投稿できるポジティブ系SNSとして順調に勢力を拡大していった。
また2008年からは日本語版サービスも開始。電通や日経がセレブ・勝ち組層御用達SNSとしてFacebookを事ある事に紹介するというステルスマーケティングが功を奏して、高級ホテルのディナー写真を歓迎する雰囲気を醸しだしたことで「松屋」や「吉野家」などのジャンクフードの写真を一斉排除することに成功している。
その後、後述の様々な便利機能を追加していったことでFacebookは世界規模で勢力を拡大。日本では2010年あたりまではmixiの後塵を排していたが、前述のステルスマーケティング効果とmixiが勝手に脱落したこと、そして各種便利機能がSNSを通じたマーケティングや売上向上を画策していた各種企業群に受けたことで2011年後半から急速に勢力を拡大。2012年には飲食メニュー紹介機能を中心としたトータルSNSとして盤石の地位を築くまでになった。
Facebookで紹介されている飲食メニューは非常に多岐に渡る。ここでは紹介されることが多いジャンルについて記述する。
セレブといえばフランス料理、フランス料理といえばセレブ。Facebook上ではセレブなリア充を演じるためのマストアイテムとしてフランス料理が鎮座しており、ニュースフィードでフランス料理を紹介した回数がセレブ度やリア充度を示すバロメーターとなっているため、フランス料理の写真をボットのように毎週アップロードするユーザーが後を絶たない。
但し、写真をアップロードしたフランス料理の味について触れている人はほとんどいない。見た目は美味しそうなオードブルや肉・魚料理といったメインディッシュ、そして最後のデザート写真が日々紹介されているが、Facebookはネガティブな話題は禁忌される傾向にあるため、仮に味が良くなくても「不味い」「二度と行かない」「この店腐っている」という批判コメントが投稿されることは殆ど無い。このことを考慮すると、日々写真が投稿されているフランス料理は大半が「味は[ お察し下さい ]」であると考えられる。
また他の飲食メニューでも同様であるが、必ず「食べる前の写真をアップロードしなければならない」という不文律が存在する。食べかけの写真を投稿することは美観を損ねるためNGとされている。
フランス料理と双璧をなすセレブメニューとして、イタリア料理が鎮座している。Facebookを始めるまでは行く機会がなかったであろうイタメシ屋に無理やり行く機会を作り、日々慣れないイタメシに無理やり舌鼓を打とうとする姿がFacebook上で多数確認できる。
イタリア料理も見た目は美味しそうなパスタやピザ、リゾット、ワインなどが次々とFacebook上で紹介されているが、フランス料理と同様、味について触れている人は少ない。つまりパスタが異様に延びてたりピザが冷めてたりなどがあって実際は不味かったことが容易に想像できるが、その事を指摘するのは無粋であるとされ、不味いイタリア料理を無理して日々紹介しているユーザーの涙ぐましい努力を称えるための「いいね!」が送られる風景が日常的に繰り広げられている。
日本の和食も決して負けてはいない。セレブを装おうとする人達が高そうな懐石料理や京料理のメニューをFacebook上で紹介する事は決して珍しくなく、前述のフランス料理・イタリア料理と同様味については触れないことも珍しくない。
また、日々忙しそうに働くビジネスマンが「つかの間の休息」としてやや値が張る定食屋に頻繁に赴き、そこで人気とされている和定食メニューをFacebookで紹介することも多く行われている。このパターンでは他料理と異なり、「美味い!」と味について触れられることが多い。但し何が美味いかについては触れられないことが多く、その和定食が本当に美味かどうか、本当に食べたのかすら実は不明である。
しかしその事について他のユーザーが触れることは「空気が読めない行動」として禁忌とされており、「確かに美味そうだけどそれを毎日食べられるほど稼ぎ良くないだろアンタ」と思いながら「いいね!」をクリックする風景が日々繰り広げられている。
休日の夕方になると、焼肉の紹介がFacebook上で頻繁に行われている。こちらもフランス料理などと同様、非常に値が張る焼肉屋で肉を焼いている写真が次々とアップロードされる。
一方、牛角や安楽亭などの安い店舗の焼肉写真がアップロードされることはまず無い。そのような安い店の焼肉写真をアップロードすることは、ユーザー自身が「実は平民以下」であることをお友達に晒すことになってしまい、それまで無理やり培ってきたセレブな雰囲気をぶち壊してしまうためである。但し地元民にしか知られていない「安いホルモン屋」のメニューをFacebookで紹介するケースもあり、こちらは「高い派手な店だけではなく、渋い店も知っているナイスな奴」という人物像を構築するために行われる。
なお焼肉も他の飲食メニューと同様に、肉の味についてはほとんど触れられることはない。また、仮にその焼肉メニューに中ったとしても、その事をFacebookに投稿する事はみっともない自分自身の姿を晒すだけになるため殆どの人が自重する。従って食中毒が起きてもそれが明るみに出なくなるため、Facebookが普及した今日、焼肉屋は安心して賞味期限切れの肉を客に提供することが出来るようになった。
セレブ向けではない飲食メニューの中でFacebook内で受け入れられている数少ないジャンクメニューの1つ。
Facebookでは近所のラーメン屋レベルの普通のラーメンが紹介されることはあまりなく、二郎系のゲテモノ写真や、真っ赤な激辛系ラーメンなどインパクトのあるメニューが紹介されることが多い。インパクトに圧倒されて思わず「いいね!」してしまう事が多いが、だからと言ってそれを自分も食べたいと思うかどうかは別である。また毎日のように写真を載せて自分はラーメン好きであることをアピールするケースもあるが、往々にして「毎日脂ぎったラーメンばかりで健康面は大丈夫か」と心配されるのがオチである。
いずれの場合にも当てはまる特徴として、他料理と同様にラーメンの味そのものについてはほとんど言及されない点が挙げられる。たまに「辛い」「濃い」というフレーズが出てくる程度でしか無く、実際の味について他ユーザーが突っ込むことは無粋とされている。
上記以外では、サラリーマンが全国を股にかける姿を装うためにアップロードされる駅弁、プライベートが充実しているように装うためにアップロードされるスイーツメニューなどが比較的多く紹介されている。これらも味についてはほとんど言及されない。そもそも食べる前の状態を紹介しているため、味について分かるわけがないのである。
Facebookは、その発展の過程で様々なサブ機能も豊富に備えるようになった。ここではその一部を紹介する。
Facebookはモバイルユースを奨励しており、スマートフォン向け公式アプリも提供している。このアプリを使用するには携帯電話のメールアドレスが必要であり、携帯メアドを登録してアプリを使用することで、自動的に過去にそのメアドで1回でもメールを送ったことがある他のFacebookユーザーを全員検索してくれる。つまり、ユーザーの過去の人間関係を洗いざらいあさってくれる機能である。
この機能には過去に別れた人やふられた人、またトラブルなどの事情により絶縁したなどの「因縁の相手」を探し当てる機能も付いており、友人候補リストに上がったFacebookアカウントのうち因縁の相手に当たる人を候補の上位にランク付けし、Facebookのホーム画面右上の「知り合いかも?」ウインドウにその因縁の相手を高確率で表示させることによってユーザーの心の傷を定期的にえぐる事が出来る。
Facebookのサーバがえぐり出したユーザーの「過去」の処遇については、各ユーザーに完全委任するスタンスである。さっさとウインドウの×ボタンを押してその人を友人候補から消してソフトランディングを図るもよし、思い切って友達リクエストして火中の栗を拾いに行くもよし、逆に当該ユーザをブロックしてハードランディングを図るもよし、あえて何もせず友人候補に上がり続けるのを見て日々苦笑いするマゾ行為に及んでも良いのである。
飲食業を中心としたベンチャー企業の経営者にとって、Facebookは営業ツールとしても有効に機能する。
ちょっとでも関わりがあった過去の知り合いに対して片っ端から友達になり、その「友達」がニュースフィードに投稿したネタに対してひたすら「いいね!」をしまくったり好意的なコメントをし続けることでで多くの人達から好感を得ることが出来る。このようにして好感度を上げていくことは人と人とのつながりがキーポイントになる「マーケティング3.0」の世界では非常に重要であり、ポジティブな口コミとなって来客増・売上増に繋がっていく。つまりステルスマーケティングの一種である。
ユーザーの子供や知人などの人物画像を業者に無料で提供する機能である。画像そのものは閲覧制限がかからない(投稿時に閲覧範囲を決められるのは画像とセットになる説明文のみである)ため、画像投稿時にシステムから生成されるランダムなURLに田代砲のごとく片っ端からアクセスすることで、非常に多くの人物画像を取得することが出来る。取得後に大量に混ざっている飲食メニュー写真を仕分ける必要があるが、無料であるが故の制約事項である。こうして取得した人物画像は、ニュースサイトやアダルトサイト、出会い系サイトおよび詐欺サイトなどの扉絵やサムネイルとして活用される。
またTwitterなどのバカ発見器でバカとして検知された問題児の個人情報につながる画像URLを提供出来る機能も提供している。有事の際はその画像を証拠としてバカ発見器上で有効活用することで、問題児を時には社会的に排除する事も可能になる。簡単に言えば裏切り行為である。
各種詐欺サイトにFacebookを通じて誘導する機能である。実名主義ゆえFacebook内部で詐欺行為を行うことは難しいが、実名主義ゆえ詐欺の指摘も行いづらい雰囲気を醸し出すことで詐欺サイトへの高性能なインターフェースを実現。既に世界中で多数の導入事例が報告されており、広告料を稼ぎたいFacebook運営側と、リア充を装う層からの金銭搾取を行いたい業者との間でWin-Winの関係が成立している。
架空の「いい話」を実際にあった話と偽ってFacebookに投稿し、その投稿に対して何の疑いもなく「いいね!」とシェアを行う人達を「カモリスト」として登録する機能。投稿される「いい話」は2ちゃんねるあたりで何年も前から流通しているコピペの転載や一部改竄(二次以上の創作)であることが殆どであるが、ニュースフィードに流れてきた「いい話」に対してネタ元を示すことはシェアやいいね!を行った友人に恥をかかせることになるため禁忌とされており、その結果一度拡散が始まったら半永久的にカモリストを増やすことが出来る。出来上がったカモリストは、その後業者に高値で売ることも出来るし、マルチ商法やカルト宗教への勧誘などに活用することも出来る。