#author("2018-02-26T11:50:08+09:00","","")

#author("2018-04-22T22:37:18+09:00","","")

[[Dictionary]]

*アホ 阿保 [#na0ad306]
阿呆(あほう、あほ)とは、日本語で愚かであることを指摘する罵倒語、侮蔑語、俗語。近畿地方を中心とした地域でみられる表現で、関東地方などの「[[馬鹿>バカ]]」、愛知県などの「タワケ」、富山県などの「ダラ」に相当する。また、成績がとても悪いという意味もある

阿呆(あほう、あほ)とは、[[日本語]]で愚かであることを指摘する罵倒語、侮蔑語、俗語。近畿地方を中心とした地域でみられる表現で、関東地方などの「[[馬鹿>バカ]]」、愛知県などの「タワケ」、富山県などの「ダラ」に相当する。また、成績がとても悪いという意味もある


**阿呆の使われる状況 [#vc364e04]
阿呆は[[馬鹿>バカ]]とともに日本語の口頭語で良く使われる表現であるが、阿呆と[[馬鹿>バカ]]はまったく同じ言葉ではない。例えば、「学者[[馬鹿>バカ]]」のような用法は阿呆にはない、[[馬鹿>バカ]]を強調語として使う場合「[[馬鹿>バカ]]でかい」「[[馬鹿>バカ]]にでかい」のように言うが、阿呆を強調語として使う場合「阿呆ほどでかい」のように言う、などの用法の違いがある。

阿呆は[[馬鹿>バカ]]とともに[[日本語]]の口頭語で良く使われる表現であるが、阿呆と[[馬鹿>バカ]]はまったく同じ言葉ではない。例えば、「学者[[馬鹿>バカ]]」のような用法は阿呆にはない、[[馬鹿>バカ]]を強調語として使う場合「[[馬鹿>バカ]]でかい」「[[馬鹿>バカ]]にでかい」のように言うが、阿呆を強調語として使う場合「阿呆ほどでかい」のように言う、などの用法の違いがある。


阿呆と[[馬鹿>バカ]]では受け取られるニュアンスに地域差がある[1]。関東など「[[馬鹿>バカ]]」を常用する地域の人に「阿呆」と言うと、「[[馬鹿>バカ]]」よりも侮蔑的であると受け取られる場合がある[1]。逆に関西など「阿呆」を常用する地域の人に「[[馬鹿>バカ]]」と言うと、「阿呆」よりも尊大に見下されたと受け取られる場合がある。

阿呆と[[馬鹿>バカ]]では受け取られるニュアンスに地域差がある。関東など「[[馬鹿>バカ]]」を常用する地域の人に「阿呆」と言うと、「[[馬鹿>バカ]]」よりも侮蔑的であると受け取られる場合がある。逆に関西など「阿呆」を常用する地域の人に「[[馬鹿>バカ]]」と言うと、「阿呆」よりも尊大に見下されたと受け取られる場合がある。


阿呆を用いた複合語としては、罵倒語には「どあほう」や「あほたれ」、「あほんだら」がある。「あほんだら」の語源については「阿呆太郎」であるとの説もあるが[2]、近隣地域で見られる同様の罵倒語である「だら」「たくら」が阿呆と結びついたものである可能性がある[3]。文化周圏論によれば、言葉や風習は中心で発生して周囲に広がるので、中心から遠いところに過去の状況が残される。これを当てはめると、「だら」や「たくら」は阿呆以前に生まれた罵倒語で、中心である京都周辺では廃れたものが、阿呆と結びついて残ったものと考えることができる。

阿呆を用いた複合語としては、罵倒語には「どあほう」や「あほたれ」、「あほんだら」がある。「あほんだら」の語源については「阿呆太郎」であるとの説もあるが、近隣地域で見られる同様の罵倒語である「だら」「たくら」が阿呆と結びついたものである可能性がある。文化周圏論によれば、言葉や風習は中心で発生して周囲に広がるので、中心から遠いところに過去の状況が残される。これを当てはめると、「だら」や「たくら」は阿呆以前に生まれた罵倒語で、中心である京都周辺では廃れたものが、阿呆と結びついて残ったものと考えることができる。


そのほか「阿呆」を用いた言葉として、『広辞苑』は以下のものを挙げている(『広辞苑』では「あほう」の漢字表記を「阿房」としている)。

-阿房芋、阿房烏、阿房臭い、阿房口、阿房狂い、阿房死に、阿房力、阿房面、阿房鳥、阿房払い、阿房律儀
-阿房が酢に酔ったよう、阿房桁叩く、阿房に付ける薬なし、阿房の足元づかい、阿房の三杯汁、阿房の鼻毛で蜻蛉をつなぐ、阿房の話ぐい、阿房の一つ覚え

また前田勇の『上方語源辞典』は、「阿呆」を用いた言葉として以下のものを挙げている。
-阿呆陀羅経、阿呆だら口、阿呆らしい、阿呆らしゅうもない
-阿呆に法が無い、阿呆は風邪を引かぬ、阿呆は長生きをする

**阿呆の分布状況 [#gbe14a0b]
[[馬鹿>バカ]]と阿呆は東西の言葉の違いと考えられがちであるが、阿呆は近畿地方と四国東部(たとえば徳島県の阿波踊りの有名な歌詞「踊る阿呆に見る阿呆」など)で使われる表現であり、さらに西の四国西部や[[中国]]地方では[[馬鹿>バカ]]が使われている。もっとも、最近は上方漫才のテレビ進出にともなって、以前は阿呆を使わなかった地域でも阿呆を使うようになっている。

[[馬鹿>バカ]]と阿呆は東西の言葉の違いと考えられがちであるが、阿呆は近畿地方と四国東部(たとえば徳島県の阿波踊りの有名な歌詞「踊る阿呆に見る阿呆」など)で使われる表現であり、さらに西の四国西部や[[中国]]地方では[[馬鹿>バカ]]が使われている。もっとも、最近は上方漫才の[[テレビ]]進出にともなって、以前は阿呆を使わなかった地域でも阿呆を使うようになっている。


阿呆の発音は、京阪神では「アホ」、その周辺の地域では「アホー」である。そして最外縁の地域では「アハウ」という発音が残っている。これは文献上でも「アハウ」→「アハア」→「アホウ」→「アホ」と変化していることが知られており、この表現が京都を中心に、方言周圏論として広がっていることを示している。

視聴者参加型テレビバラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』において、「アホと[[バカ]]の境界線はどこか」という調査に端を発した本格的な調査と研究がなされており、この制作過程を記した『全国アホ・[[バカ]]分布考 はるかなる言葉の旅路』(松本修著)にその詳細な結果と考察が記されている。

視聴者参加型[[テレビ]]バラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』において、「アホと[[バカ]]の境界線はどこか」という調査に端を発した本格的な調査と研究がなされており、この制作過程を記した『全国アホ・[[バカ]]分布考 はるかなる言葉の旅路』(松本修著)にその詳細な結果と考察が記されている。


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