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国際連合

国際連合(United Nations)とは、「国際の平和及び安全を維持」することを大きな目的として1945年に設立された国際機関である。現在の加盟国は193ヶ国である。

概要

いわゆる「国連憲章」に基づいて設立された国際機関である。第一次世界大戦後に設立された国際連盟は戦争のない世界の実現を目指したが、第二次世界大戦を食い止めることはできなかったため、これに代わる新組織として設立された。当初は、ほとんどの加盟国が第二次世界大戦の戦勝国すなわち連合国であったが、徐々に中立国や旧枢軸国、また植民地から独立したアジア・アフリカの諸国が加盟していった。現在は、世界中のほぼ全ての主権国家が加盟国となっている。

機関名の和訳について

日本において「国際連合」と呼ばれている機関の英語の正式名称は、United Nationsであり、「国際 (International)」という語は一切使われていない。中国語ではそのものずばり「聯合国」である。その他のいわゆる国連公用語 (英語・中国語もコレに含まれうる)での名称にも「国際 (International)」に相当する単語は使われていない。

これは日本がかつて枢軸国の一として活躍していた歴史があり、敵国グループが用いていた「連合国 (United Nations)」という語を直訳して用いることを忌み嫌ったため、苦肉の策として造られた和製漢語であるという都市伝説がある。実際どうなんだろね。

国際連合の機関

国際連合には、国連憲章(第7条第1項)に基づいて次の機関が設けられている。

基金・計画

憲章に明記されている機関ではないが、UNICEFなどのように、国連総会の補助機関として独自の会計を有する「基金」ないし「計画」は次のとおりである。ここでは英語での略称のアルファベット順に配列した。

専門機関

国連との間で連携協定を締結している「専門機関」としては、次のものが挙げられる。中学・高校の教科書に登場するものも多い。国際連盟の所属だった国際労働機関 (ILO)などは連携協定を結んで専門機関となった。

なお、専門機関に関する条約を個別に批准することで国際連合非加盟国であっても専門機関には参加することができる。

その他

最後に、国連との間で連携協定は締結していないものの、国連と密接に関連している国際機関の例を挙げる。

平和を守るお仕事

国連憲章第1条にも掲げられているとおり、国際連合は「国際の平和及び安全を維持」するための組織である。このため、総会および安全保障理事会に関連する権限を持たせているほか、国際紛争は場合によっては国際司法裁判所で解決できるように制度設計されている。

特に重要なのは安全保障理事会である。これは5ヶ国の常任理事国(英国、中国、フランス、米国およびロシア)と、10ヶ国の非常任理事国から構成され、国際平和の維持に関して最上位の権限が与えられている。ただ、肝心なことを決めようとすると、常任理事国が「拒否権」(veto)を行使することが多いため、なかなか迅速な対応ができないという批判がある。通常の議決では9ヶ国の賛成があれば可決成立するのだが、常任理事国が1ヶ国でも反対(「拒否権」を行使)するとその議案は否決扱いされてしまうのである。

それはさておき、安全保障理事会は、国連憲章第6章に基づき、国際紛争またはその虞(おそれ)がある場合には、必要な勧告をすることができる。さらに事態が悪化した場合には、国連憲章第7章に基づき、その事態を「平和に対する脅威」「平和の破壊」または「侵略行為」に認定する(第39条)とともに、暫定措置(第40条)、武力行使以外の措置(第41条)および武力行使を伴う措置(第42条)を講ずることができる。

ただし、実際には、上述のとおり安全保障理事会が「拒否権」騒ぎで機能不全になることが少なくない。そこで、そういう場合には国連総会が代替的に平和維持に必要な活動をしてしまおうということになった(「平和のための結集」決議)。また、「実は国連憲章の第6章と第7章との間には目に見えない「第6.5章」という章があるんだよ!」という曲解柔軟な解釈に基づいて平和維持活動(Peace Keeping Operation; PKO)というものが派遣されてきた。平和維持活動に従事する兵士たちは青いヘルメットをしていることから、「ブルー・ヘルメット」と通称されている。

国連公用語

戦勝国である五大国のそれぞれの国語と、ラテン圏で広く用いられているスペイン語が初期からの国連公用語である。アラビア語は後から加わった。

無論、戦勝国の公用語の使用人口が世界的に見ても大多数を占めていることが一番の理由である。

英語とフランス語が主流だが、複数の国連公用語が話せる職員は多い。

インターネットにおいても国連公用語に該当する言語を使用すると期待されるユーザーの数は比較的多い (参照)。

財政負担と国連改革

国際連合は、各国からの拠出金によって運営されている。各国の経済力に応じた支払いが求められており、その負担割合で見ると、長らく米国日本・ドイツ・英国・フランスが上位5位を占めてきた。なんと、これらの5ヶ国だけで全体の半分以上を負担しているという状況である。

日本やドイツは、拠出金のかなりの部分を負担しているにもかかわらず、安全保障理事会の常任理事国である中国ロシアよりも影響力が小さい。常任理事国は第二次世界大戦の戦勝国によって独占されたため、このような結果になっているわけだが、もはや戦後70年になろうとしているため、「日本やドイツも常任理事国になる資格があるのではないか?」という疑問が呈されるようになってきた。同時に、上に書いたような「拒否権」の問題などについても活発な議論が交わされるようになった。

ただ、一時は国連改革が真実味を帯びた時期もあるのだが、今は熱が冷め切っているため、今後改革が進められるかどうかは不透明である。

国連への就職

外務省による資料。

が支出する分担金の額に応じて職員の数が割り当てられる』というシステムが国連では取られており、日本は分担金の額の割に職員が少ないと言われている。

もちろん、入るのが非常に難しいのは当然である。→外資系の就職偏差値

関連項目


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