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広島県:公文書改ざん 開示請求者を中傷部分削除

広島県は2018年3月20日、行政処分への不服審査を巡る行政文書の開示請求を県内の男性から受けた際、農林水産局の職員が文書を改ざんした上で男性側に開示していたと発表した。元の文書には職員らの打ち合わせで男性の性格を評した表現などが含まれ、幹部職員の課長を含む職員らが「適切ではない」と削除していたという。

広島県によると、男性は県への許可申請が一部拒否されたことを不服とし、2011年1月に国に不服審査を請求したが、国は2012年1月に却下した。

審査請求を巡り、県の担当職員2人が同月に東京の農林水産省を訪れて協議し、打ち合わせ内容の報告書(復命書)を作成。報告書には、男性の性格を中傷するような表現、審査の結果を伝える段取りなども記載されていた。

その後、県と国の協議を知った男性が報告書の開示を請求する意向を示したため、職員が報告書の本文から中傷部分などを削除し、別添の「メモ」に移すなど改ざん。課長が決裁印を押して新たな報告書を仕立て直し、広島県は同年2月、開示請求に対して「メモ」を除く文書を開示した。

2018年1月、改ざんを指摘する匿名の文書が県に郵送されるなどして問題が発覚。広島県の調査に課長と部下の職員2人が改ざんの事実を認め、広島県は2018年3月に男性に謝罪した。

記者会見した県農林水産局の上仲孝昌局長は「内容を一部書き換えたが、虚偽ではない」と釈明した上で「公文書は国民や県民の信頼の下にあるべきなのに、認識が甘かった。不適切な対応だった」と陳謝した。


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