#author("2018-05-09T09:19:03+09:00","","")

#author("2018-05-18T13:48:46+09:00","","")

[[ニュース]]

*そろそろ[[国民]]は覚悟が必要 [[アベノミクス]]後の[[日本]][[経済]] [#oc408539]
https://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/228/409/4af08658a86bd452ee1b73031f0cbe5c20180504114226618_262_262.jpg

日銀が2018年4月27日に公表した「展望リポート」が話題になっている。2013年に黒田総裁が就任して以来、しつこく記載を続けてきた物価2%目標の「達成時期」をついに[[削除]]したからだ。

「事実上のギブアップ宣言ですよ。2%物価上昇の達成時期は、これまで6回も先送りし、2017年7月以降は『2019年度ごろ』としていた。それも無理だということがハッキリしたのです。誰が見たって、[[アベノミクス]]は大失敗ですよ。異次元緩和で[[日本]][[経済]]は少しも良くならなかった。当初の目標だった『2年で2%』の物価目標が達成できず、ずるずると緩和政策を続けた結果、[[国民]]は年間15万円も実質所得が下がってきた。庶民に痛みを押し付けて、大企業が内部留保を増やしただけの5年間でした」(経済アナリスト・菊池英博)

2018年4月27日は黒田総裁の再任後、初の金融政策決定会合だった。そもそも異次元緩和は、短期間で2%の物価上昇を達成し、デフレ脱却するための非常措置だったはずだ。就任時に「戦力の逐次投入はしない」とも言っていた。それが目標未達のまま、だらだら続いた結果、進むも[[地獄]]、退くも[[地獄]]の域にまで達している。異例の再任を果たした黒田総裁は、どう後始末をつけるつもりなのか。

「実は、日銀プロパーの中曽副総裁が退任する直前の3月14日に、日銀は76ページに及ぶ分厚い研究論文を発表しました。数カ月の時間と大量の人員を投じて作成されたと考えられる本格的なものです。まず[[日本語]]で書かれた後に英訳されたはずですが、なぜか[[日本語]]版は発表されていません。おそらく、[[日本語]]版を発表するとハレーションが大き過ぎると判断したのでしょう。この論文は、[[日本]]の金融緩和が限界に達していることを示唆しているからです」(シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミスト)

**日銀は出口戦略に追い込まれている [#ldb25f1f]
この論文は、[[日本]]の自然利子率(経済活動の“基礎体温”)を推計したものである。

1980年代は4%だったが、バブル崩壊以降は低下を続け、世界金融危機が起きた2008年以降はマイナスで推移してきた。ところが、[[アベノミクス]]2年目の2014年からプラスに転じ、現在は1%を超えつつあるというのが日銀の推計結果だ。

「これに対し、[[米国]]の自然利子率は0%とサンフランシスコ連邦準備銀行が推計しています。自然利子率の日米逆転が示すのは、日銀は追加緩和どころか、出口戦略を行わなければならないところに追い込まれているということです。しかし、[[米国]]に続いて[[日本]]が金融緩和をやめると市場利子率が自然利子率に近づき、長期的に円高になることは避けられない。産業界では今年後半から景気後退が進むというのがコンセンサスになっていますが、円高でますます輸出企業は打撃を受ける。異次元緩和が出口に向かえば、日銀が長期金利をコントロールできるかも分かりません」(田代秀敏)

日銀は、すでにGDPに匹敵するほどの国債を買い入れてきた。ここからの転換は容易ではない。[[アベノミクス]]は赤字国債の大量買い上げで円安誘導し、輸出企業を儲けさせてきただけだ。そのツケは当然、将来世代に押し付けられる。

ここへきて、[[安倍晋三]]の総裁3選が絶望的になり、首相が代われば金融政策も変わって、異次元緩和という[[麻薬]]に侵されてきた金融・[[経済]]の歪みが是正されるという楽観論もあるが、そう簡単な話ではない。

**大日本主義の夢は終わった [#l8d8c0f1]
https://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/228/409/8a0d5d7f430f8bcf81c0e47571e368d220180504114828353_262_262.jpg

「誰が次の首相になっても、[[アベノミクス]]でめちゃくちゃにされた金融と経済を立て直すのは至難の業でしょう。どこまで軟着陸させられるか。5年間もこんなむちゃを続けてきたのだから、正常化するのに10年以上はかかると考えておいた方がいいし、完全には戻らないかもしれない。金融カルトのせいで、『失われた20年』が『失われた40年』になってしまうのです。平成がほとんど失われる。こんな罪深いことはありません。[[日本]][[経済]]に再生の道があるとしたら、次のトップリーダーは無責任に経済成長の幻想を振りまくのではなく、人口減や超高齢化社会に適した富の分配をすることと、グローバリズムや新自由主義と決別し、[[アジア]]を重視した共生社会を目指すことでしょう」(菊池英博)

[[鳩山友紀夫]]も著書「脱大日本主義」で、<近隣諸国と対話し協調することによって、平和を維持して、貧困や格差などの[[社会]]的な問題を解決>していく「東アジア共同体」を提唱し、<成長戦略ではなく「成熟戦略」と呼ぶべき>分相応で公正な社会モデルの構築を説く。そして、こう書いている。

[[鳩山友紀夫]]も著書「脱大日本主義」で、<近隣諸国と対話し協調することによって、平和を維持して、[[貧困]]や格差などの[[社会]]的な問題を解決>していく「東アジア共同体」を提唱し、<成長戦略ではなく「成熟戦略」と呼ぶべき>分相応で公正な[[社会]][[モデル]]の構築を説く。そして、こう書いている。


<[[日本]][[経済]]の絶頂期を懐かしみ、「夢よもう一度」と願う気持ちは多くの[[日本人]]に共通するものです。しかしそれは、英国の人びとが七つの海を支配した大英帝国の昔を懐かしむのと同じように、かなわぬ大日本主義の夢と言わなければなりません>

誰だって、現実を直視するよりも心地いい夢を見ていたい。だが、[[アベノミクス]]の幻影はもう終わりなのだ。高度経済成長を再現して[[ドヤ顔]]したいという[[安倍晋三]]の夢はついえた。

トリクルダウンの夢に浮かれた宴の後始末は、想像以上に厳しいものになるだろう。[[企業]]も[[国民]]も、目をそらしたくなる事態が待っているに違いないが、現実に向き合う覚悟が必要だ。

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