事実だとしたら、これこそ“ブラックボックス”だ。小池百合子が“やらせ質問”に関与していた疑惑が浮上している。
“やらせ質問”があったと疑われているのは、2017年8月末の都議会。小池百合子が率いる「都民ファーストの会」に所属する都議の質問だ。自分で質問を考えず、東京都の職員が“原案”を考え、小池百合子が“添削”したモノを質問していた疑惑が浮上したのだ。
質問は築地市場の豊洲移転に関するモノで、「築地は守る、豊洲を生かす」という小池百合子の意向に沿ったものだった。「小池百合子の判断を高く評価する」などと称賛もしていた。
2018年4月27日、以前、都民ファーストに所属していた音喜多駿が、会見で疑惑を明らかにした。音喜多によると、2017年8月下旬、都民ファーストの都議から「党本部からもらった」と、<28の質問と答弁>がつづられた文書をメールで受け取ったという。メールの作成者は「東京都」だった。さらに、直前の保存者名は小池百合子のツイッターアカウントと同じ「ecoyuri」になっていた。都民ファーストの都議の質問は、「文書」とまったく同じ表現もあった。
小池百合子は2018年4月27日、「文書」の保存者名になっていた「ecoyuri」は、「パソコンのユーザー名として事務所で複数人が使っているのは事実」と認めた上で、「質問づくりには関与していない」と否定した。
しかし、都民ファーストの「やらせ質問」疑惑は、すでにもうひとつある。次々に「やらせ疑惑」が浮上するのは異常だ。もし、都議会の審議を自分の都合のいいように操っていたとしたら許されない話だ。
「ただでさえ都民ファーストは、小池百合子の下請けとみられています。もし、小池百合子が質問づくりに関わっていたとしたら、もう政党としての存在意義はない。潔白を証明するためにも、小池百合子と都民ファーストは、この問題をすべて明らかにすべきです」(政治評論家・山口朝雄)
かつて東京都の副知事は、百条委員会で“やらせ質問”が認定され、辞任に追い込まれている。