土下座とは人間が考え出したこの世で最も低姿勢で美しく高貴なスポーツである。
この世で最も速い人間は当然脚力も半端じゃない、だが一般人が速く走るためにはどうしたらよいのだろうか。そのためには速く走れない原因を考える必要がある。人間は走るためには脚力が必要だがそれが無い人のためなので考えないこととする、すると次に空気抵抗がある。空気抵抗は速く走るほどに大きくなっていくので空気抵抗をいかに減らせるかが勝負の鍵となっている。ならば空気抵抗を減らすためにはどうしたらよいのだろうか。まず空気に正面からぶつかっていく面を減らすこと、そして曲面になっていることが必要と考えられる。そのために最も効率のよかった姿勢が今で言う土下座の原型であった。
こうして人間は普通の人でも速く走れるようになった……というわけにはいかなかった。
最高といってもあくまで空気抵抗が最大限少ないというだけのことだった。土下座の姿勢を作ると足の筋肉が伸びきってしまいいかに速い人間でも秒速ミリ単位でしか進めなかったのだ。なので次に空気抵抗の少ない犬走りがほんとに速かったので土下座の存在はなかったことにされていた。
それから15~16世紀ほど後の日本で土下座は奇跡の復活を果たすことになる。