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イケメン無罪

「やかましいッ!うっおとしいぞこのアマッ!」
    ~ イケメン無罪 について、空条承太郎

イケメン無罪( - むざい)とは、日本の刑法の制度一つ。ポケット六法を開いても、条文が見えないことから、学説上は超法規的違法性阻却事由の一種であるとの見方が有力である。英文ではJudgment depends on his appearance。

意味

厨房でも無ければとっくに分かっていることではあるが、人間は平等ではない。顔が悪くて得することはないが、損は無数に繰り返される。逆に顔が良ければ人生の幸せの半分は既に手にしているとまで言える。にも関わらず、時として非イケメン達に対し追い打ちとしか思えない仕打ちが待っている。

それが、イケメン無罪(ブサ男有罪)という『イケメンなら良い方向へ運ばれ、ブサ男は処罰される』という不平等の判決のことである。

ちなみにブサ男が善行を行いたければ仮面をつければいいだけの話であるのでそれほど気にすることもない。ただし怪しさは156倍である。

ただし、イケメンであるがために異性にはかなり有利に働くが、同性の場合、嫉妬の対象になったりすることもあるため、全てにおいて得というわけではない。

これらはイケメンとブサメンとの関係だけではなく、美人ブスの関係においても同様である。

具体例

学校で女子と衝突

イケメンの場合

ブサ男の場合

迷子の少女を発見、一緒に親を探してあげる

イケメンの場合

ブサ男の場合

参考 宮沢賢治 「よだかの星」(青空文庫より) よだかは、実にみにくい鳥です。

顔は、ところどころ、味噌(みそ)をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。

(中略)

一たい僕(ぼく)は、なぜこうみんなにいやがられるのだろう。僕の顔は、味噌をつけたようで、口は裂(さ)けてるからなあ。それだって、僕は今まで、なんにも悪いことをしたことがない。赤ん坊(ぼう)のめじろが巣から落ちていたときは、助けて巣へ連れて行ってやった。そしたらめじろは、赤ん坊をまるでぬす人からでもとりかえすように僕からひきはなしたんだなあ。それからひどく僕を笑ったっけ。

学説

イケメン無罪に関しては、学説上次の3つの見解に分かれる。

違法性減少説

行為者がイケメンであることにより違法性が減少するという説。イケメン無罪は、超法規的な違法性阻却事由であるとする。 同じ行為であっても、イケメンの行為とブサメンの行為では、社会的な非難可能性や法益侵害の程度が異なると考える。

責任減少説

行為者がイケメンであることにより期待可能性が減少するという説。イケメン無罪は超法規的な責任阻却事由であるとする。 イケメン無罪は、行為者がイケメンの場合「俺はイケメンだから許されるだろう」と思っていることが多く、適法な行為を期待できないことが多いことによるものだと考える。

処罰阻却事由説

イケメン無罪は一身的な処罰阻却事由であるとする説。イケメン無罪は、イケメンを刑罰により社会から隔離することは社会的に大きな損失なることから、一定の行為を不可罰としたものだとする。この立場ではイケメンであっても犯罪自体は成立するため、自己をイケメンであると誤信して犯罪を行った場合イケメン無罪は成立しない。

イケメン無罪と共犯

ブサメンがイケメンを教唆し犯罪を実行させた場合に、ブサメンに教唆犯が成立するかについては、共犯に関する学説により異なる結果が生じる。

極端従属性説

教唆犯が成立するためには、正犯が構成要件該当性、違法性、責任を備えている必要があるとする極端従属性説をとった場合、違法性減少説や責任減少説においては教唆を行ったブサメンに教唆犯は成立しないが、処罰阻却事由説においては教唆犯が成立する。

制限従属性説(通説)

教唆犯が成立するためには、正犯が構成要件該当性と違法性を備えている必要があるとする制限従属性説をとった場合、違法性減少説においては教唆を行ったブサメンに教唆犯は成立しないが、責任減少説や処罰阻却事由説においては教唆犯が成立する。

最小従属性説

教唆犯が成立するためには、正犯が構成要件該当性を備えていれば足りるとする最小従属性説をとった場合、違法性減少説、責任減少説、処罰阻却事由説全てにおいて教唆犯が成立する。

容姿を身分とみなす見解

「ブサメン」を刑法65条にいう「身分」とみなす見解もある。この見解に立った場合、イケメンの罪がブサメンより軽くなる犯罪については、共犯のイケメンの罪が軽くなるのに対し、イケメンであれば犯罪自体が成立しない罪については、共犯のイケメンにブサメンと同様の刑が課されるという逆説の問題が生じる。

なお、刑法65条1項を違法身分、2項を責任身分とする立場であれば、違法性減少説の場合には常に1項が適用され、ブサメンという身分を持たないイケメンにもブサメン同様の刑が課され、責任減少説の場合には常に2項が適用され、イケメンにはイケメンの刑が課される。

判例では、強姦罪の成立につき、被害者の身体をイケメンが押さえている間に姦淫がブサメンにより行われた場合、「イケメンであってもブサメンの行為を利用することで法益侵害が可能である」として、イケメンについても強姦罪の成立を認めた(最判H21.7.21 刑集63.13.190)。

イケメン無罪と正当防衛

イケメンに襲われて反撃した場合、責任減少説や処罰阻却説ではイケメンの行為は違法であるため正当防衛が成立するが、違法性減少説によればイケメンの行為は違法性がないため緊急避難が成立する。前者では防衛行為が相当であれば結果は無関係で、誤ってイケメンを殺してしまっても問題ないが、後者は結果も問題となるため、イケメンを殺してしまったりした場合には過剰避難となる。

イケメン無罪の合憲性

イケメン無罪が男性のみに適用されることから、憲法14条に違反しないかが問題となる。裁判所女性が主な適用対象となる「かわいいから許す」の存在を理由に、一貫してイケメン無罪に関し合憲との立場をとっているが、それでもなお見た目という努力によっては変更不可能な属性により刑罰の存否が決まることから、学説上は違憲であるとの見方が強い。

事例の疑わしさ

一方で、イケメン無罪の存在を否定する法学者もいる。イケメン無罪が存在するという学説を指示するネット法学者の多くは、被疑者や被告人が容姿で判断された個別具体的な事例を挙げることができない。イケメン無罪は小中学校における男子生徒へのいじめや、ドラマやバラエティ番組などにおける架空の女性のイメージが作り上げた虚構であるとしている。また、女性の多くもイケメンであっても現実では襲われるのは嫌と言っている人が多く、頼むからEgachan Galleryの記事を真に受けて男女対立に走るのは止めてくれ……

なぜ今まであなたがこの存在を知らなかったのか

上記の通りイケメンは無罪とみなされるため、実名報道ができない。そのため、メディアはイケメンであるはずの俳優などが逮捕された場合のみ報道を行うためである。

関連項目

外部リンク


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