「想像を超えている」。立憲民主の辻元清美が驚愕したのもムリはない。財務省の太田充が2018年4月9日の参院決算委で認めた、森友学園への国有地売却で理財局職員が森友側にゴミの撤去費について口裏合わせを求めていたと認めた問題。太田充は「お詫び申し上げる」と頭を下げたが、よりによって財務省が民間業者にウソをつくよう積極的に働きかけていたなんて「犯罪行為」に等しい。
業者に虚偽説明を依頼していたということは、裏を返せば財務省がゴミの撤去費用の積算根拠が「ウソ」と認識していた証左だ。2018年3月27日に衆参両院で行われた証人喚問で、佐川宣寿は「適正な取引」と強調していたが、悪質な不正取引だったのだ。
「隠蔽」「改ざん」「口裏合わせ」。もはや今の財務省は最強官庁ではなく、単なる犯罪集団だ。自浄作用は全く期待できず、強い捜査権限を持つ司法の力に頼る以外に組織を立て直す方法はない。
ちょうど2018年4月9日、市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」は、決裁文書改ざん問題で、佐川宣寿やその前の理財局長だった迫田英典ら財務省職員24人に対する告発状を東京地検特捜部に提出。
告発状によると、〈本件各契約の特例性、特殊性、特別な事案の経緯を示す記述を徹底して削除したことにより、(略)『一般的な扱い』による貸付け及び売払いとして決裁されたという内容の決裁文書になった〉〈(佐川宣寿の)国会答弁と整合するように改ざんしたということは、本件各決裁文書の内容が虚偽のものに改ざんされたことを意味する〉〈地盤の強度に関する地質調査会社の見解が『軟弱ではない』から『軟弱である』という正反対の内容に書き換えられた〉などと指摘し、一連の行為が「公用文書等毀棄罪」「虚偽有印公文書作成及び行使罪」に当たる疑いがあるとしている。
東京地裁内の司法記者クラブで会見した八木啓代は「(これが)罪に問われないのであれば、やりたい放題になる」と憤りをあらわにしていたが、その通り。財務省が反省もなく、この期に及んでもまだウソの上塗りを続けるのであれば、旧社会保険庁のように叩き潰して解体するしかない。