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改ざんは280カ所以上 麻生太郎佐川宣寿の責任」の大ウソ

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佐川宣寿の答弁に合わせて書き換えた」「書き換えは当時の理財局の一部の職員によって行われた」「最終責任者は理財局長である佐川宣寿」――。この期に及んで、また大ウソだ。森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざんについて、麻生太郎は全責任を佐川宣寿になすりつけ、自らの辞任を否定しているが、冗談ではない。佐川宣寿のトンデモ答弁の数々を振り返れば、「佐川宣寿の責任」の大ウソは楽に証明できる。

2018年3月12日、財務省がようやく「書き換え」を認めた決裁文書。改ざん文書は計14件に上り、提出した計78ページのうち書き直しや削除した部分はナント、280カ所を超える。もはや「書き換え」なんて生やさしい表現は許されず、不都合な真実の「隠蔽」であり、「捏造」と言うほかない。

麻生太郎は改ざんが始まった時期を「昨年の2月下旬」と明言した。麻生太郎が言うように、改ざんの動機が「佐川宣寿の答弁と合わせた」のならば、昨年の2月下旬に虚偽答弁を始めていなければ、ツジツマが合わない。

理財局長時代に佐川宣寿が国会で否定し、裏付ける記載がゴッソリ抜け落ちていた森友学園との事前の価格交渉――。

「価格につきまして、こちらから提示したこともございませんし、先方から幾らで買いたいといった希望があったこともございません」

実は、佐川宣寿がそう答弁したのは、2017年3月15日の衆院財務金融委員会が初めて。それまでは「適正な価格で売却した」と強弁を続けていたが、ここまでハッキリと価格交渉を否定することはなかった。ならば改ざんに手を染めた2017年2月下旬に何があったのか。

「私や妻が国有地払い下げに関わっていたということになれば、首相も国会議員も辞める」

衆院予算委員会で、安倍晋三がそうタンカを切ったのは2017年2月17日のこと。時期を考えれば、安倍晋三のこの発言が「安倍晋三に迷惑をかけられない」と財務官僚たちに重圧をかけ、改ざんの動機となったとみる方が自然だ。

安倍晋三の『辞任発言』は財務官僚にとって、相当なプレッシャーになったと思いますよ。森友問題をめぐり、安倍晋三夫妻が関与した痕跡が露呈すれば一国のトップのクビが飛ぶわけですからね。だから、公文書偽造という重罪を犯してまで、安倍晋三安倍昭恵の名前を根こそぎ削除したのです。これだけ大それた組織ぐるみの隠蔽工作を財務省の一局長を守るためにやるわけがない。改ざんの動機が安倍晋三夫妻への忖度であることに『本件の特殊性』が表れています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

改ざん前の決裁文書には、平沼赳夫や鴻池祥肇など森友問題に関わった複数の政治家と並ぶ形で、安倍昭恵に関する記載が出てくる。安倍晋三政権が閣議決定をしてまで「私人」と言い張った安倍昭恵が、まるで政治家扱いで「公」文書に名を残しているのはなぜか。まだまだ、疑惑は尽きないのだ。

「今回の改ざんによって、これまで国会に提出された全ての資料の信頼性に疑問符がつきました。まさに議会制民主主義の根幹を揺るがし、近代国家としての日本のあり方が問われる大スキャンダルです。安倍晋三政権も『佐川宣寿の責任』で逃げ切れると思っているのなら、事の重大性を理解していない証拠です」

憲政史に救いようのない汚点を残した政権は、総辞職が筋だ。トカゲの尻尾切りは許されない。


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