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財務省、森友文書調査を与党幹部に報告

財務省は12日午前、学校法人「森友学園」への国有地売却の決裁文書に関する調査結果を与党幹部に報告した。複数の文書が存在し、一部の文言や複数の政治家の名前を削るなどの書き換えを認める。文書の国会提出時に理財局長だった佐川宣寿の関与も判明した。財務省は事実関係のねじ曲げはなかったとみているが、野党側は反発を強めそうだ。

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財務省が森友文書の「原本」として提示した写し

報告を受けた自民党の森山裕は同日午前、国会内で記者団に「政府から森友学園の国有地処分に関する決裁文書に書き換えがあったようだとの報告を受けた」と説明。財務省は12日午後に参院予算委員会と衆院財務金融委員会の理事らに報告する。複数の決裁文書のほか、財務省の調査結果を出す。

問題になっているのは2016年6月に作成した国有地売却に関する決裁文書などだ。当初の文書とは違う別の文書が存在するとの疑惑が浮上。財務省は捜査当局の協力を得て、調査を進めていた。文書の原本は背任や公用文書等毀棄容疑などで告発を受けた大阪地検が近畿財務局から任意提出を受け、保管していた。関係者によると、捜査当局が原本の写しを財務省に提供した。

複数の政府関係者によると、4人の政治家の名前を含む記述を削った例が見つかった。財務省の調査では文書の国会提出時に理財局長だった佐川宣寿の関与も判明した。

財務省は大阪地検特捜部の捜査状況を踏まえながら、書き換えにかかわった本省幹部や近畿財務局職員らの処分を検討する。佐川宣寿は国税庁長官の辞任に合わせて9日付で減給の懲戒処分を受けたが、麻生太郎は「さらに重い懲戒処分に相当する可能性がある」と述べている。

 現時点では書き換えの時期や目的、組織的な関与といった問題の全容は明らかにならない可能性がある。誰がどのような意図で書き換えを指示したのかが今後の焦点になる。財務省は捜査当局に全面的に協力し、全容解明を急ぐ構えだ。解決が長引くほど、野党の反発は強まる。

 森友問題を巡っては、売却価格が大幅に値引きされた経緯や「交渉記録は廃棄した」とした佐川氏の国会答弁が問題視されてきた。財務省が文書の書き換えを認めることで、国会がさらに紛糾するのは必至だ。森友問題は行政文書のあり方にまで発展する可能性がある。


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