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財務省が森友学園側に口裏合わせ求めた疑い 国有地売却問題で

森友学園に国有地がごみの撤去費用などとして8億円余り値引きされて売却された問題で、2017年2月、財務省が学園側に口裏合わせを求めていた疑いが出てきました。当時、国会で財務省は野党側から「実際に大量のごみの撤去を確認したのか」などと追及されていましたが、そのさなか財務省の職員が学園側に対し「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」などと、うその説明をするよう求めていたことが関係者への取材でわかりました。大阪地検特捜部はこうしたやり取りを把握していて詳しい経緯を捜査しています。

大阪・豊中市の国有地がごみの撤去費用などとして鑑定価格よりおよそ8億2000万円値引きされて森友学園に売却された問題は、2017年2月に明らかになり、大阪地検特捜部は背任容疑での告発を受理し捜査を進めています。

当時、国会では「値引き額の算定の根拠があいまいだ」などと批判が相次ぎ、2017年2月17日の衆議院予算委員会で財務省は「8億円かけてごみを撤去するとなればダンプカー4000台分ぐらいになる。実際に撤去されたか確認したのか」などと野党側から追及されていました。

その3日後の2017年2月20日、国有地を管轄する財務省理財局の職員が学園側に電話し、「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」などと、うその説明をするよう求めていたことが関係者への取材で新たにわかりました。

関係者によりますと学園側は「事実と違うのでその説明はできない」などと断ったということですが、こうした一連のやり取りについて職員はメールで財務省内の複数の関係者に報告していたということです。

関係者によりますと、特捜部はこうした学園側とのやり取りや省内のメールの存在を把握しているということで、特捜部は学園側にうその説明をするよう求めた詳しい経緯を捜査しています。

値引きの根拠と財務省の答弁

森友学園への国有地売却をめぐる問題は2017年2月8日に発覚しました。

大阪・豊中市の国有地について財務省近畿財務局が2016年6月、鑑定価格の9億5600万円からごみの撤去費用などとしておよそ8億2000万円を値引きし、1億3400万円で学園側に売却していたことが明らかになりました。

国有地の地中に埋まったごみの撤去費用は通常、不動産鑑定士など民間の専門業者が見積もりを行いますが、財務省小学校の開校時期が迫っていたなどとして国土交通省大阪航空局に見積もりを依頼する異例の対応を取りました。

大阪航空局は調査の結果として、くいを打つ場所は深さ9.9メートル、校舎などを建設する場所は深さ3.8メートルまでごみがあると推計しごみの撤去費用を8億2000万円と算定しました。

しかし、国会では値引き額の算定の根拠があいまいで不当な値引きではないかなどという質問が相次ぎました。

2017年2月17日の衆議院予算委員会では、野党側が「8億円分のごみを撤去すると1万2200立方メートルの残土を搬出することになり、それをやるとダンプカー4000台分ぐらいになる。4000台のダンプカーが行き交うことになるが、財務省は実際に工事をやったかどうか確認したのか」などと質問しました。

また、財務省の職員が学園側に電話したとされる2017年2月20日の衆議院予算委員会では、野党側が「8億円分の廃棄物を撤去する土の量を計算すると、およそ2万7000立方メートルになる。これを搬出するとなると10トントラック3460台分が必要になる。こういう作業が実際にやられているかどうか財務省は確認したのか」と質問しました。

これに対し佐川宣寿は「学校を建設するにあたって必要な廃棄物の撤去を適切に行ったというのは近畿財務局で確認している」とか、「地下の埋設物については土地を売却したあとに学園側が適切に撤去したというふうに聞いているが、売却後なので具体的な撤去の状況は把握していない」などと答弁していました。

森友学園をめぐってはその後、決裁文書の改ざんが明らかになりましたが、その時期について財務省は、学園側への電話と同じ時期の2017年2月下旬から始まったと説明しています。

値引き額の算定方法について会計検査院は2017年11月、「十分な根拠を確認できず資料が保存されていないため十分な検証が行えない」などとする検査結果を国会に提出していました。


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