「騒動の沈静化ですよ」と、ジャニーズ事情に詳しい芸能関係者は言った。
女子高生への強制わいせつ騒動で書類送検(結果は起訴猶予)されたTOKIO山口達也(46)。所属するジャニーズ事務所との契約は解除。山口達也は「自分が身を引かなければ、TOKIOの存続が危うくなってしまう」とし、リーダーの城島茂(47)の預かりとなっていた辞表のほか、直接ジャニー喜多川に退所を申し出てけじめをつけたという。
だが、冒頭の芸能関係者の見方は違う。
「TOKIOは次期社長である藤島ジュリー景子副社長の肝いりで、バリューが他のグループとは違う。それで、過去に不祥事を起こしたタレントたちのように即解雇とはならなかった。しかし、無期限謹慎処分にしても騒動は沈静化しないどころか、コントロール下にあるとみていたマスコミも批判的な報道が止まらず、もう切るしかないとなった。
山口達也に対して『もうTVでの司会はもちろん、バラエティー出演も無理。腹をくくれ』などと説得し、一方で、『事務所を退所しても山口達也に対するサポートは継続する』と発表したように、水面下での援助を約束した。騒動が落ち着いたら役者になるお膳立てをしたり、資金援助もし、ゆくゆくは……と因果を含めたはずです」
功労者である山口達也が即解雇ではなく契約解除だったのはジャニーズの温情措置であるという見方が強い。その一方でジャニーズを一度去ったタレントたちの末路は悲惨だ。成功事例はほんの一部で、昭和の終わりに大人気を博した光GENJIはメンバーの赤坂晃が覚醒剤で逮捕され、山本淳一は借金まみれ報道もあった。
さかのぼれば元フォーリーブスの北公次は63歳で2012年に亡くなるまで、覚醒剤などで転落人生を送ったのはファンならずとも有名な話である。ジャニーズ関係の不祥事に詳しい芸能プロデューサーの野島茂朗はこう言う。
「ジャニーズは候補生の段階からレッスン代無料ですし、ごちそうをたんまりと食べさせて、彼らを援助していく。先輩タレントがお正月に後輩へお年玉を渡したとテレビで言っているのを見た方もいると思いますが、そういうサポートを事務所ぐるみでやっている。ジャニーズというだけでチヤホヤされたり、天下を取ったように勘違いしてしまうことが多いのですが、そうさせてしまっているのがジャニーズの大人たちだとも思います。
そんな彼らがジャニーズを辞めても普通に働くというのは難しい。甘やかされた世間知らずのナルシシストが、ある日、育ての親に捨てられて、うまく一般の生活に馴染めればいいけれど、それができなければ非行に走るくらいしかないのでしょう」
野島によると、元ジャニーズで窃盗や詐欺を働いたり、女性に貢がせたり、短絡的に無銭飲食に走ったりする者はワンサカいるという。
実際ここ10年を振り返っても、元関西ジャニーズJrがインターネットカフェで男性客の財布を盗んだ疑いで逮捕されたり、元ジャニーズJrが実体のない会社を解雇されたとする虚偽の離職票をハローワークに提出し、失業保険をだまし取った疑いで逮捕されたりしているのだ。
「彼らの大部分がジャニーズ時代に見ていた夢のような世界と、ごく普通の現実のギャップに苦しむ。それで精神的に不安定になってアルコールにおぼれたり、薬物に染まったりしてしまう。事件化していないものもいくつもあり、凶悪なものも少なくない。どう見たってジャニーズ後遺症ですよ」(野島)
ジャニーズを契約解除となった山口達也は今後、どんな人生をたどるのか。記者会見でメンバーの松岡昌宏(41)は山口達也について「崖っぷちではなく、崖の下に落ちていることに気付いていない」と厳しい言葉を浴びせたが、その自覚がなければ、イバラの道ならまだましで、地獄への道が口を開けている。