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背任以外の何ものでもない 佐川宣寿「立件見送り」の怪

2018年4月13日の毎日新聞朝刊1面の署名記事によれば、森友問題財務省の決裁文書が改ざんされた件が「虚偽公文書作成罪」などで告発され、大幅な値引きがに損害を与えたとして「背任罪」で告発されていたが、大阪地検は立件を見送る方針だそうである。

その理由は次のものである。第1に、決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、契約の方法や金額など文書の「趣旨」は大幅には変わっていないから虚偽ではないとのことである。第2に、森友側から開校の遅れで国家賠償請求訴訟を提起する可能性を告知されたことと、さらに、契約後にゴミ問題でトラブルが発生するリスクを避けるための値引きだから正当だとのことである。

しかし、全く説得力がない。

第1に、異例な厚対応と値引きの背景に複数の政治家安倍昭恵の言動が介在していたことは巨視的に見て明らかで、それによって国有財産の処理手続きが歪められた「不正を隠す」ために行われた文書改ざんの前と後で文書の「趣旨は変わっていない」などと、どうして言えるのか?

第2に、すでに公知の事実であるが、あの拙速な開校予定自体が教員、資金の不足でもともと無理であったわけで、公平であるべき行政として、森友自身の不心得から逆恨みで訴えられて恐れることなどない。

また、予期せぬゴミが発見されたと言うが、ならばまずは確認作業が先で、それもせずに口裏合わせ(これも不正)を試みたのはの側ではないか。しかも、それはが造成した土地であった以上、ゴミに関するほぼ正確な情報をは持っていたはずである。

にもかかわらず、財務省本省も地方局も異例に懇切丁寧な対応をして、事実上無料に近い価格で国有地(主権者国民の財産を役人が預かっているだけのもの)を特定の政治家安倍昭恵の後押しがあったと思われる「異常な」教育方針の私学に払い下げたのである。

このような「疑獄」と呼ばれるべき国有地「下げ渡し」事件の一番肝心な「政治的背景」を公文書から消去した行為は「改ざん」以外の何ものでもなく、そうした無料下げ渡しは、故意に(つまり主権者国民)に損害を与えた「背任」以外の何ものでもない。


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