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勇者

勇者(ゆう-しゃ)とは、一般的なロールプレイングゲーム(以下RPG)に出演する犯罪者の呼称の一つである。中にはいい奴もいる。

以下、本稿では主としてわが国における現行法令に照らして解説する。

第一この記事を書かなくてはならなくなったのはにゃ◯こ大◯争のような、あえて犯罪者を普通に取り入れるようなゲームが流行っているからである。

勇者の起こす主な犯罪――刑法上の罪

勇者の起こす行動が犯罪に該当する例は数え切れない。わが国の現行刑法に規定されている罪に該当するごく典型的な例を挙げるだけでも、次のようなものがある。以下、刑法を参照する場合は、単に条数のみを示す。

敵(人間系の)への攻撃

勇者のとる行動のうちでも犯罪となるのが最も明白なのが、相手を攻撃する行為であろう。しかしその「相手」が何であるか、どのような攻撃をしたかなどによって、成立する犯罪類型は様々である。

法は、「」と「物」の取り扱いを厳格に分けている。法とはの権利を守るルール集であり、を傷つけると罰せられるのはその人を守るため、物を破壊すると罰せられるのもその物の持ち主、すなわちを守るためである。相手が物ではなく人間系の敵)である場合、これを攻撃すれば種々の重い罪で処罰されることになる。

殺人罪(199条)

を殺すと殺人罪(199条)が成立する。より厳密に言えば、その攻撃によって相手が死ぬ危険性を認識しつつ、死んでも構わないと認容し(この心理状態が故意である。殺人罪を犯す故意のことを特に殺意という)、実際に攻撃したり呪文を使ったりした結果、相手が死んだという場合である。

もっとも、勇者が攻撃してにダメージを与えたことによって、を「殺した」・が「死んだ」・の「息の根を止めた」と描写されることはあまりない。「倒した」または「やっつけた」、「討伐した」などとされるのが一般的である。したがって、明確に相手のが描写されているのでない限り、殺したのではなくダメージによって戦闘不能に追い込んだと解すべきであろう。すなわち、異論なく殺人罪が適用されるのはザキ系呪文やデス、ハマやムド等の即死魔法が効いたなどの場合に限られ、多くの場合には殺人罪ではなく傷害罪(204条)が適用されると考えられる。

殺人未遂罪(203条、199条)の成立可能性

もっとも、攻撃を行った結果として相手が死ななかった場合であっても、仮に勇者に殺意があれば、勇者には傷害罪ではなく、より重い殺人未遂罪(203条、199条)が成立しよう。ところが通常、勇者の心理状態はゲーム上描写されないので、勇者の内心として殺意(=相手が死ぬ危険性の認識・認容)があったかどうかは不明、という場合がほとんどである。

殺意というの内心の要素を、物理的に手に取って見ることはできない。とすると、殺意があったかなかったかの認定は、数々の情況証拠からの推認によらざるをえない。「情況証拠から考えて、が死にうる行為をそうと知りつつ行ったといえるから、殺意があったはずだ」という理屈である。

具体的には、

の行動の6つが、殺意の認定を左右する代表的な情況証拠とされている。これらを詳細・具体的に検討して初めて殺意の有無を認定すべきであり、「凶器は出刃包丁だ。出刃包丁で刺すと死ぬ危険があるのは常識だ。だから殺意はあったのだ」などという安易な認定は、厳に慎まなければならないのである。

これを勇者が攻撃を行う場合について考えると、

ということになろう。結局、ほとんどの場合には勇者に殺意があるとは認定されず、勇者は下記の傷害罪(204条)に問擬されると考えられる(推定無罪の原則により、構成要件である殺意の存否が不明であれば、殺意はなかったものとして扱わなければならないからである)。勇者に殺人未遂罪が成立するのは、ストーリー上の何らかの事情によって勇者に殺意があることが証明され、かつ相手が死んでいない、という特殊な場合に限られよう。

なお付言すると、人間系の敵に対し即死魔法を使うよう仲間に命令したが魔法が効かなかった場合は、勇者には異論なく殺人未遂罪(の共謀共同正犯)が成立する。

傷害罪(204条)・暴行罪(208条)

を攻撃すると、ほとんどの場合にこの傷害罪(204条)が成立することになる。この傷害とは生理機能を害する一切の行為をいい、物理攻撃でダメージを与えるのみならず、毒に冒す、眠りやマヒを引き起こすなども「傷害」に含まれる。傷害の方法は、直接攻撃のような有形力の行使でもよく、魔法のような無形力の行使でもよい。

ただし、用いた手段が有形力か無形力かにより、効果がなかった場合(未遂の場合)の処理が違ってくる。有形力の行使が効かなかった場合は暴行罪(208条)に格下げとなる(傷害罪の未遂は「傷害未遂」ではなく、暴行罪となる)。無形力を行使したが効果がなかった場合は、無罪である。

逮捕罪(220条)

これはやや特殊な例で、逮捕とは、他人の場所的移動の自由を短時間にわたって奪う行為をいう(長期間になると逮捕ではなく監禁と呼ばれる)。つまり、魔法や特技で敵の行動を止めた場合が逮捕罪(220条)である。

場所的移動の自由を奪うのに用いた手段が有形力であった場合、一見暴行罪(208条)にも該当するようであるが、この暴行は逮捕罪に吸収されて一罪になると考えられている。結果としての生理機能を害した=傷害した場合は逮捕致傷罪(221条)となる。傷害することについてはじめから故意がある場合は、傷害罪と逮捕罪の2罪が成立し、両罪は観念的競合(54条1項前段)となるであろう。具体的には、鞭を絡ませる、時間を止める、などの方法が逮捕罪となる。マヒや眠りで敵を行動できなくさせた場合は、傷害罪と逮捕罪の観念的競合である。

敵(人間系以外の)への攻撃

」の対概念として、「物」とは以外の全ての存在である。物への攻撃は、物を壊すことそれ自体が悪というよりは、その持ち主=「」の財産権を妨げる行為だから罰すべきだ、と捉えられている。ゆえに、攻撃を行ったとしても、攻撃対象となる物体が「他人の物」である場合にしか罪に問われず、その罪も概して軽い。そして、他人の所有物ではない物を破壊するのは、基本的に無罪である。

器物損壊罪(261条)

他人が所有する物を損壊すると、器物損壊罪(261条)になる。この「物」には以外のあらゆる物が含まれる(無生物であるか生物であるかは関係ない)。また、損壊とは物理的に破壊するだけでなく、物の効用を害する一切の行為をいう。以外の生物を毒・眠り・マヒの状態にする、呪文で鎧の守備力を下げるなどの行為は、ことごとく「損壊」だということになる。

もっとも、その物が他の「」の所有物でなければ、器物損壊罪になることはありえない。したがって、野生の動物を何匹ぶち殺しても器物損壊罪にはならない(ただし、別途、後述の動物愛護法違反となる可能性がある)。そして、竜王はではないので、竜王が飼っているドラゴンをぶち殺すのも器物損壊罪ではない。

建造物損壊罪(260条前段)

物のうちでも特に「建造物」を損壊した場合には、器物損壊罪ではなく、より重い建造物損壊罪(260条前段)が成立する。全体を取り壊すのではなく建造物を構成する一部を損壊するだけでもダメであり、壁や扉を壊すことも建造物損壊罪である。デモンズウォールやアサルトドアーを倒すのも建造物損壊罪である。

注意したいのは、所有者のいない建造物を壊すのはオッケーかというとそうでもない点である。建造物は不動産であり、不動産は所有者がいなければ自動的に国が所有者だということになっている(民法239条2項)。所有者のいない建造物というのは、法律上ありえないのである。

勝手にいろんな場所に入る

勇者は冒険において、洞窟・塔・ほこら・遺跡・神殿・王様の城・魔王の城・他人の家など、実にいろいろな場所に入るのが常である。しかし、事前に許可を得て入ることはめったにない。

住居侵入罪(130条前段)

町なかのの家に勝手に入ると、住居侵入罪(130条前段)となる。勇者が極めて頻繁に行う行為である。自分の家に誰を入らせたいか誰を入らせたくないかは、住んでいるが自由に決める権利を持つはずなので、その自由に反する行為を法は禁じているのである(住居権説)。

建造物侵入罪(130条前段)

勝手に塔などの建物に入ると、建造物侵入罪(130条前段)となる。ただし、この罪に該当するためには、その建物がの看守する建造物である必要がある。放棄された廃墟・廃屋などに入るのは、「の看守」がないので建造物侵入罪に当たらない(ただし、別途、後述の軽犯罪法違反となる可能性がある)。モンスターの支配する塔などに入るのも、塔を「」が看守しているわけではないから建造物侵入罪ではない。すなわちこの罪は、王様が管理する城に夜中に忍び込むなどの場合に限って成立することになる。

なお、営業時間中の道具屋のように、客が誰でも入っていいように開けてある(の立入りに対し包括的承諾がある)建造物に立ち入るのは、当然ながら無罪である。

アイテムを手に入れる

勇者はあらゆる手段を用いて様々なアイテムを手に入れるが、他人の持ち物を勝手に持っていくのは犯罪である。これまた、種々の類型がある。

窃盗罪(235条)

勝手に他人の宝箱やタンスを開けて中身を手に入れると、窃盗罪(235条)となる。これは勇者の日常業務といっても過言ではないくらい常習的に行われている犯罪である。

235条は、他人の物を「窃取」すると窃盗罪が成立すると規定している。この窃取とは、他人が占有する物をその意思に反して自分の占有に移す行為全般をいい、こっそり隠れて盗む行為に限られるわけではない。すなわち、家人の見ている前で公然とタンスを開けて小さなメダルを持ち去る勇者にも、異論なく窃盗罪が成立する。

強盗罪(236条1項)

アイテムやゴールドを手に入れる目的で敵(もちろん、人間系の)を倒し、実際目当ての物を入手すると、強盗罪(236条1項)となる。言うまでもなく、これも勇者が常日頃行っていることである。

強盗罪が成立するには、物を奪うことの故意が必要である。したがって、「敵を倒す時点ではアイテムを入手する意思がなかったが、倒したら宝箱を落としたので手に入れた」という場合は、強盗罪は成立しない(傷害罪と窃盗罪との併合罪〔45条前段〕となる)。すなわち、強盗罪に該当する典型例としては

などが考えられよう。

なお、物が手に入ったか否かにかかわらず、敵に傷害(ダメージまたは状態変化)を与えた場合は、強盗傷人罪または強盗致傷罪(240条前段)となる。敵が死んだ場合は強盗殺人罪または強盗致死罪(同条後段)である。

事後強盗罪(238条)

宝箱を開けたら襲ってきた敵を倒してアイテムを奪うのが、事後強盗罪(238条)である。この敵とはもちろん人間系の敵のことであり、人食い箱を何個破壊しても事後強盗罪になるわけではない。宝箱を開けたらアラームが鳴って警備兵が現れ、これを倒して逃げるような場合が事後強盗罪に当たる。

占有離脱物横領罪(254条)

占有離脱物横領罪(254条)は、落ちているアイテムをネコババする罪である。所有者がはっきりしている必要はなく、落とし主が誰かわからないゴールドを拾ってネコババするのは、もちろん占有離脱物横領罪である。

なお、民法上、他に所有者のいない動産は取った者勝ち(民法239条1項の無主物先占)となり、合法的に所有権を取得できることになっている。例えば、森林に落ちている世界樹の葉を拾うのは無主物先占となり、占有離脱物横領罪は成立しない。これに対し、古代の遺跡で落ちているアイテム――持ち主は数千年前に死んだ古代人――をゲットするのは占有離脱物横領罪になるとされている(判例)。すなわち、まったくの天然に産出した物ではなく一度でもの手に渡ったと考えられる物であれば、これを持ち逃げすれば占有離脱物横領罪となる、と言えそうである。

仲間とパーティーを組んで戦う

現代のRPGにおいては、勇者は仲間とパーティーを結成して戦うことがほとんどである。パーティーを組むこと自体は憲法で保障された集会・結社の自由(憲法21条1項)の行使といえるが、その戦うという目的や行為が他人の権利・利益に衝突することから、刑罰を伴う制約を受けることとなる。

凶器準備結集罪(208条の3第2項)

勇者がパーティーを組むと、凶器準備結集罪(208条の3第2項)が成立する。この罪が成立するには、他人の生命・身体・財産に害を加える目的をもって凶器を準備することが必要であるが、敵に襲われたときに迎撃する目的もこの中に含まれる。また、勇者たちが装備している武器が「凶器」に当たることは疑いの余地がない(性質上の凶器)。勇者はパーティーを集めるリーダー格なので、呼ばれて集まった仲間に適用される凶器準備集合罪(同1項)ではなく、より重い凶器準備結集罪が適用されることになる。

内乱首魁罪(77条1項1号)

勇者たちはしばしば帝国に反逆したりするが、これは内乱罪(77条~80条)となる。内乱罪は必要的共犯の一場合の多衆犯であり(一人で反逆するのは内乱罪ではない)、内乱罪が成立するにはパーティーを組織する必要がある。

勇者はパーティーを集めるリーダー格なので、内乱罪が適用されるとすれば、具体的には呼ばれて集まった仲間に適用すべき種々の軽い罪(77条1項2号・3号)ではなく、最も重い内乱首魁罪(同条同項1号)が適用されることとなろう。

勇者の起こす主な犯罪――特別法上の罪

これらは刑法そのものではなく、銃刀法などのさまざまな特別法の中で規定されている罪である。

敵への攻撃

暴力行為等処罰法違反

刑法ですでに暴行罪や傷害罪などとして罰則がある行為でも、暴力行為等処罰ニ関スル法律(暴力行為等処罰法)によって特に重罰化されているものがある。

示凶器暴行等罪(暴力行為等処罰法1条)

武器を装備したりパーティーを組んだりした上で暴行罪(208条)・脅迫罪(222条)または器物損壊罪(261条)を行うと、暴力行為等処罰法1条によって罪が重くなる。実際上、勇者たちが暴行罪か器物損壊罪を犯した場合のほとんどがこれに該当すると思われる。

加重傷害罪(同法1条ノ2第1項)

これは「銃砲又ハ刀剣類」を使ってにダメージを与えた場合に、通常の傷害罪(204条)よりも罪が重くなるものである。「銃砲又ハ刀剣類」と限定されているので、こんぼうやひのきのぼうで攻撃する場合はおろか、はかいのてっきゅうやまじんのオノで攻撃しても加重傷害罪にはならない。ただし、実際上、勇者たちは刀剣類を装備していることが極めて多い。

常習傷害等罪(同法1条ノ3)

傷害罪・暴行罪・脅迫罪・器物損壊罪を常習として行った勇者の罪名には、同法1条の3により「常習」とつく。もちろん、通常の傷害罪・暴行罪・器物損壊罪よりも罪が重い。

アイテムと所持金

盗犯等防止法違反

盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(盗犯等防止法)は、窃盗・強盗の中でも多発しがちな類型を特に重罰化したものである。同法2条では、窃盗罪(235条)または強盗罪(236条、238条、239条)を

のいずれかの方法で常習的に行った場合を、常習特殊窃盗罪・常習特殊強盗罪(同法2条)と規定し、通常の窃盗罪・強盗罪よりも重い罰で臨んでいる。勇者たちは武器を装備するわ、パーティーを組むわ、扉は勝手に開けるわでやりたい放題であるから(ただし、時間の概念がないRPGでは夜中に侵入することはありえない)、この常習特殊強窃盗罪の適用をまぬかれないであろう。

銃刀法違反

おなじみの銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)である。最近のRPGでは銃が頻繁に出てくるが、ここでは話を剣と魔法の世界に限定し、刀剣類のみを考えよう。

銃刀法は、「刀剣類」(同法2条2項)と「刃物」(同法22条)という2つの用語を区別して用いている。刀剣類とは、

のいずれかに該当する物を指し、刃物とは刀剣類以外の全ての刃物を指す。すなわち、はがねのつるぎ、てつのやり、まどろみのけん等が刀剣類であり、くさりがま、おおばさみ、まじんのオノ等は刃物である。刀剣類と刃物では、法規制のきつさも次のように大きく異なっている。

勇者たちの場合、刀剣類に関する罪として刀剣類所持罪と刀剣類譲渡罪、刃物に関して刃物携帯罪が成立すると考えられる。

刀剣類所持罪(銃刀法31条の16第1項1号)

刀剣類を許可なく「所持」すると、この罪となる。所持とは、ある人が社会通念上その物を支配下に置いている状態を指し、直接自分で携帯する場合はもちろん、自宅に保管している場合や預かり所に預けている場合も所持に含まれる(この点、日常用語との間に意味のずれがある)。

刀剣類譲渡罪(同法33条2号)

刀剣類を許可なく譲渡すると、この罪となる。譲渡とは、売ることとあげることを含めた概念であり、道具屋に売るのも仲間にあげるのも譲渡である。ちなみに貸すのも禁止されているので、「あげたんじゃない、貸しただけだ」と言っても無駄である。

刃物携帯罪(同法31条の18第3号)

刃体の長さが6cmを超える刃物を正当な理由なく携帯すると、この罪となる。この「正当な理由」のある携帯については、例えば家の台所で料理に使うつもりの包丁を店で買ったあと帰るために持ち歩くといったごく当たり前の場合が想定されており、誰かに襲われたら反撃して刺すつもりで持ち歩くなどは「正当な理由」に当たらない。

刀剣類でも刃物でもない近接戦用武器であれば、携帯しても銃刀法違反になることはない(ただし、別途、後述の軽犯罪法1条2号違反となる可能性がある)。

廃棄物処理法違反

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(同法16条)と規定している。要らなくなったアイテムを所構わず捨てるのは、不法投棄罪(同法25条1項14号)である。未遂も罰せられる(同条2項)。

所得税法違反・相続税法違反

基本的に、勇者たちが人様から盗んだり敵(人間系の)を倒したりして得たカネや物は、すべて犯罪取得物件(19条1項3号)である。これらは没収(19条)または追徴(19条の2)の対象とされ、勇者たちにその利益が帰属することはない。勇者たちが利益を得ないのだから、それに税金がかかることもありえない。

しかし勇者たちといえども、例えば

などのように、適法行為によってカネや物を合法的に手に入れる場合はいくらでもある。

がこのように財産を取得したときには、その人の担税力の増加を認め、それに対し国による公共サービスの財源としての税金を課すのが、一応の理にかなった方法である。例えば、無主物先占で取得したりカジノで勝って得た財産については、その評価額は一時所得となり、所得税の課税対象となる(所得税法で規律される)。贈与を受けた財産は、贈与税の課税対象となる(相続税法で規律される)。

所得税にせよ贈与税にせよ、租税を故意に支払わないですませようとするのは犯罪である。しかし、特に脱税と呼ばれるのは、租税犯のなかでも「偽りその他不正の行為」を用いて税務署をだまくらかして税を免れる場合(例えば、所得税法238条1項)のみである。単に確定申告の時期になっても申告という手続をしないだけなら、これは脱税ではなく、読んで字のごとく単純不申告罪(所得税法241条・相続税法69条)と呼ばれる。この罪は脱税よりもはるかに軽く、情状が良ければ懲役も罰金もなしで済む場合もある。

その他

軽犯罪法違反

軽犯罪法は、刑法にひっかからない程度の軽い迷惑行為を現行犯として無令状で捕まえて、ブタ箱にしょっぴいてお灸をすえたり、余罪を取り調べたりするのに大いに重宝されている。伝説の勇者といえどもこの軽犯罪法の前にはひとたまりもなく、たちまちお縄を頂戴するしかない。以下、単に軽犯罪法1条所定の号数のみを挙げる。

1号違反

が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者」。ダンジョンはが看守していない建物であることが多いから、その場合建造物侵入罪(130条前段)に該当しなくても1号違反でアウトである。

2号違反

「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又はの身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」。銃刀法で取り締まられる刀剣類・刃物に該当しなくても、とにかく武器を装備すればこれでアウトである。

3号違反

「正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」。勇者たちはたいがいの場合合い鍵を持っているのでアウトである。

4号違反

「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」。まさに世界中を旅する勇者にほかならず、アウトである。

27号違反

「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」。先ほどの廃棄物処理法違反と完全にネタが被っているが、とにかくアウトである。

28号違反

「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」。勇者は町なかでしょっちゅう他人の進路に立ちふさがっており、アウトである。

32号違反

「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者」。勇者たちは入ることが禁じられた地に入ることが少なくないから、これもアウトである。

戸籍法違反

勇者自身が改名したり、他の人の名を替えたりする行為がしばしば見られるが、これは戸籍法第107条違反にあたる。

第107条(氏の変更)違反

やむを得ない理由があって氏を変更しようとする場合、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の了承を得て、その旨を届け出なければならない。しかし勇者は家庭裁判所へ行く行為を見せなかった為、戸籍法に違反している。また、「氏の変更ではない」と主張しても「戸籍法第107条の2(名の変更)」が適用され、そのうえ申立人が15歳未満だと代理人が必要となり、この二点を満たさない限り勇者の改名が認められない。

なお、戸籍法は特別法ではなく一般法であるが、その事実は誰も気にしない。

成立しない犯罪

逆に、一見成立しそうに思われるかもしれないが、実はほとんどの場合に成立しないであろう犯罪類型もいくつかある。

刑法上の罪

死体遺棄罪(190条)

よくニュースなどでは殺人とセットで死体遺棄罪(190条)が報じられるが、勇者たちに仮に殺人罪が成立したとしても、死体遺棄罪が成立する例はごく少ないと思われる。死体遺棄の「遺棄」には死体をどこかに運んで捨てるという行為が必要で、勇者のように単に殺しっぱなしで放っておくのは遺棄に当たらない(勇者が埋葬義務者でない限り)からである。

墳墓発掘罪(189条)・納棺物領得罪(190条)

勇者たちの入り込むダンジョンは古代人の墳墓である場合がたまにあり、その場合「勝手にダンジョンに入るのは墳墓発掘罪(189条)ではないか」「勝手にダンジョン内のアイテムをゲットするのは納棺物領得罪(190条)ではないか」とも思われる。しかし、これら2つの罪は成立しないと考えられる。

墳墓発掘罪・納棺物領得罪の保護法益は、社会一般の宗教的敬虔感情である。すなわち、実際に故人が葬られ、社会の敬虔感情が向けられ、現に墓参りなどの祭祀行為の対象になっている墓だけが、これらの罪に規定されている「墳墓」である。したがって、たとえ古代人の墳墓であっても、それがもはや敬虔感情の対象となっていないのなら、墳墓発掘罪と納棺物領得罪が成立することはない。同様に、2つの合わせ技である墳墓発掘納棺物領得罪(191条)も成立しない。

もちろん、別途、建造物侵入罪(130条前段)や軽犯罪法1条1号・32号違反、占有離脱物横領罪(254条)が成立しうることは言うまでもない。

死体損壊罪(190条)

肉体を持つアンデッドモンスターを破壊するのは、形式的には死体損壊罪(190条)に該当するのではないかとも思われる。しかしこの罪も、保護法益は社会一般の宗教的敬虔感情である。アンデッドモンスターが盆暮れに法事で拝まれる対象になっているとは到底考えられないから、これを破壊したところで宗教的敬虔感情を害することはないといえる。したがって、死体損壊罪は成立しないであろう。

特別法上の罪

決闘罪

決闘罪ニ関スル件に規定される決闘(決闘罪ニ関スル件1条以下)とは、事前に特定の相手方と日時・場所・ルールなどを合意の上で取り決めたうえで、後日その取り決めに従って戦うことである。すべての対人戦闘が決闘罪になるわけではない。RPGの勇者が行う戦闘は決闘罪ニ関スル件の規定する「決闘」に当たらず、決闘罪が成立しない場合がほとんどであろう。フィールドエンカウントで遭遇した人間系の敵を倒すのは、単なる傷害罪(204条)である。

労働基準法違反

労働基準法(労基法)56条1項は15歳未満の者を働かせることを禁じ、同法32条2項は労働者を1日8時間を超えて働かせることを禁じている。勇者のパーティーに子供が加わることはよくあることであり、勇者一行が昼夜を問わない強行軍で冒険をすることもまた常であるから、これは労基法違反(年少者使用につき同法118条、長時間労働につき119条1号)ではないかとも思える。

しかし、労基法が規律する対象はあくまで使用者と労働者との関係である。労基法9条に規定されているとおり、労働者とは使用者から賃金を支払われて事業に雇われている者をいい、無給でパーティーに加わっている者はそもそも労働者ではないのである。したがって、勇者たちに労基法は一切適用されず、8時間以上行動しようが深夜に行動しようが仲間が合意の上ならオールオッケーとなる。もっとも、合意がないのに無給の強制労働をさせるのは労基法以前に単なる強要罪(223条)で、刑法上の犯罪である。

麻薬取締法違反その他の薬物事犯

勇者たちは冒険中パラメータ上昇アイテムを所持し、服用することがしばしばある。この行為は薬物4法(麻薬及び向精神薬取締法〔麻薬取締法〕、大麻取締法、あへん法、覚せい剤取締法の4つ)で禁じられている薬物の所持や使用に当たるのではないか、とも思える。

しかし、薬物4法はいわばブラックリスト方式をとっており、法律で挙げられた特定の薬物を取り締まることしかできない。例えば大麻取締法では「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)」(同法1条)だけが対象、麻薬取締法では同法の後ろのほうの「別表第1」に載っている特定の物質だけが対象とされている。当然、力の種や素早さの種が薬物4法のリストに挙がっているはずがないので、勇者たちが違法薬物の所持や使用のかどで有罪とされることはありえないのである。

もっとも、薬物4法とは別問題として薬事法がある。薬事法1条1項3号は「医薬品」の定義の1つとして、「又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの」と非常に包括的な書き方をしており、パラメータ上昇アイテムがこれに含まれることは明らかである。アイテムが医薬品に該当するとすれば、許可を受けない者がその製造・販売をすることは禁止されている(薬事法12条1項。罰則につき、同法84条2号)。したがって、通常の勇者がパラメータ上昇アイテムを使用するのはおおむね無罪であろうが、道具屋に売った場合や、アイテム練成のシステムがあって自ら製造した場合には薬事法違反となる可能性がある。

動物愛護法違反

野生の動物を傷つけた場合、動物虐待になるのではないかとも思われそうである。しかし、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)により動物殺傷罪(同法44条1項)として処罰されるのは、同法にいう「愛護動物」を殺傷した場合だけである。この愛護動物は、同4項で

を指すと明確に定義されている。したがって、上の定義に該当しないモンスターを何匹ぶち殺しても、倫理的にはどうか知らないが法的には全く罪ではないのである。ただし、1号に該当するかどうか微妙なモンスター、例えばバリイドドッグやあばれこまいぬ(犬?)、キャットフライやねこまどう(ねこ?)を殺傷した場合には問題は残るであろう。

しかし、本当に勇者は犯罪者なのか?

勇者が犯罪に該当する行為をこれほどにも多く繰り返し犯しているにもかかわらず、多くのRPGの作品内では、勇者は人々から賞賛され、王から褒賞も与えられる英雄的存在として描かれている。この点につき、学説上は

と、勇者の行為を厳しく指弾する見解もあるが、その一方で、

と、勇者を一定程度擁護しようと試みる見解もある。

前者の見解は作品世界外のことであり、勇者自身とは関係がないからその妥当性はさておく。重要なのは後者である。これは、法律の条文に「やってはダメだよ」「やったら刑務所に入れるよ」と書いてある行為を行ったとしても(=形式的に犯罪の構成要件に該当したとしても)、一定の条件を満たせばその行為はやってもよいことになり、犯罪が成立しない場合があることを表している。

このことを法学では「犯罪とは構成要件に該当し、かつ違法性があり、かつ責任がある行為である」と言っている。構成要件と違法性と責任、この3つが全て揃った行為だけが犯罪なのである。前述まではすべて、どんな行為がどんな構成要件に該当するかの話をしただけであった。それだけで勇者を「犯罪者」呼ばわりするのは全く早合点であり、違法性と責任を検討しないといけないのである。

違法性

違法性とは、人様や世間様に害を与える――社会規範に違反して法益を侵害する――「悪い」性質である。刑法その他刑事罰をもつ法律は、「悪い」行為をあらかじめリストにしておいたものだから、構成要件に該当する行為をしたなら普通は違法性もあるわなあ、と判断される。しかし、例外的に違法性がなくなる場合があり、それを違法性阻却事由という(「違法性がなくなる」ことを業界では違法性が阻却されるという)。

違法性阻却事由は、正当行為と緊急行為の2つに分類される。正当行為にはいろいろ種類があるが、代表的なものが法令行為と正当業務行為(いずれも35条)であり、その他の正当行為のうち重要なのが被害者の承諾である。緊急行為には、正当防衛(36条1項)と緊急避難(37条本文)と自救行為の3種類がある(緊急避難と自救行為はここでは問題とならないので、以下では割愛する)。順に見ていこう。

法令行為(35条)

法令に基づく権利・義務として行われる行為をいう。現実世界では、お巡りさんが被疑者を逮捕する例がよく挙げられる。これは逮捕罪(220条)の構成要件に該当するが、あくまで刑事訴訟法という法律に基づいて逮捕をしている(はずな)ので、法令行為として違法性が阻却されることとなる。お巡りさんには何ら犯罪は成立しない。

勇者の場合、王様の命令を受けて冒険に出かけていることが多い。王様の命令(=勅令)は、言うまでもなく法令の一種である。したがって、この命令が「刀剣類や刃物を携帯していいよ」「よそん家に勝手に入ってタンスの中を荒らしていいよ」「敵が人間でもサクサク殺していいよ」といった内容をも含んでいるとすれば、勇者たちが何軒押し入って何個小さなメダルを盗もうが、法令行為(35条)としてことごとく違法性が阻却され、無罪となる。

勇者たちにとってはこういう結論は好都合である一方、国民としてはたまったものではない。このような命令を王様が出せるとすれば、それは国民の生命と自由と財産の権利が王様の命令の範囲内でしか認められないことにほかならないからである。あまりそういうには筆者は住みたくないものである。

正当業務行為(35条)

社会通念上正当な業務として認められている行為である。現実世界では、手術をするお医者さんが手術の際にメスで患者の体を切り開くのは傷害罪(204条)の構成要件に該当するが、手術はお医者さんの正当な業務なので正当業務行為として違法性阻却、お医者さんは無罪、という例がよく挙げられる。

そこで、「王様が直接に勅令をもって許したわけではないが、勇者が人様の家のタンスをひっくり返すのは作品世界内の社会通念では正当な業務として認められている」という説も考えられよう。そうであれば、勇者の行為は窃盗罪(235条)の構成要件に該当するものの、正当業務行為(35条)として違法性が阻却され、勇者は無罪との帰結になりそうである。

しかし、これまた勇者にとっては好都合でも、国民にとっては決してよいことではない。「勇者様が家に入ってきたら、何もせず金品を奪うに任せるのが社会常識」というのでは、世間様の空気という恐るべき何かが、国民の自由と権利よりも優越していることになる。これは王様が独裁的な権力を振るっているのと同じ程度にタチの悪い状態であり、やはりそういうには筆者は住みたくないものである。

被害者の承諾

行為者(この場合の勇者)が構成要件該当行為を行うときに、被害者自身がそれを承諾していることをいう。上の2つ以外の正当行為のなかでも主要なものである。

被害者である町人が「物を持っていってください」と言っている場合、被害者の承諾が成立している可能性があるし、成立していない可能性もある。というのは、被害者の承諾は案外限られた場合にしか成立しないのである。具体的には

という6要件が全て満たされなければならない。

町人が「物を持っていってください」と言ったうえで勇者がタンスの中身を奪っていく場合は、確かに

といえよう。

しかし、考えてもみてほしい。大剣や戦斧で武装した屈強な勇者一行が、突然あなたの家に押しかけてきたとする。たちは握った武器を放すこともなく、あなたの寝室のタンスや床の間の壺を手当たり次第にひっくり返してしらべていく。特に何も見つからず彼らがいらだち始めたそのとき、タンスの奥にあなたがしまっていたへそくりの小さなメダルに、の一人の手が伸びた。

……は見つけたメダルを片手に、よく切れそうな斧をもう片手に、こちらをじっと見ている。そこで、あなたは思わず言うのだ。

この言葉が、果たして

彼らの行為は

疑問を抱かざるをえないところである。

正当防衛(36条1項)

仮に、上記の法令行為や正当業務行為などが成立しないとすれば――おそらく、王様に許可をもらわないで冒険をしている勇者なのであろう――残念ながら、勇者はタンス荒らしのかどで窃盗罪(235条)の罪責を負うことになる。

他方、敵に対する傷害罪(204条)などはどうか。そもそも勇者は正義のために敵を倒しているのだから、どうにか無罪で頑張れないものであろうか。そこで検討するのが、おなじみの正当防衛である。

正当防衛(36条1項)とは、自分や他人を守るためなら、急迫不正の侵害をしてくる者に対して危害を与えても無罪だということである。一見、これは勇者の行為――特に人間系の敵を攻撃する場合――の多くに成立しそうであるが、実はほとんどの場合に成立しえないと考えられる。

というのは、勇者イベントやらレベル上げの目的で敵を倒す意思を当初から持っており、そのために敵のもとに出向いているからである。そのような場合に、案の定敵が攻撃してきたからといってこれ幸いと「あ、俺のは正当防衛だから」と反撃するのは、敵の攻撃を口実にして単なる攻撃をしているにすぎない(口実防衛という)。すなわち、勇者は積極的加害意思を有している。

正当防衛の根拠条文である36条1項は、正当防衛が成立するには「防衛するため」でなければならないと規定している。つまり、防衛の意思が必要である。そして、積極的加害意思を有する者は、もはや単なる攻撃の意思しかもっておらず、防衛の意思があるとは認められない。このようなわけで、口実防衛には正当防衛が成立しないのである。

正当防衛が成立しえない場合には、過剰防衛(36条2項)もまた成立しえない。過剰防衛とは、正当防衛が成立して無罪になりうる場面で、防衛に用いた手段がたまたま過剰だった(ので完璧に無罪にはなるわけではないが、刑が減免されうる)場合をいうからである。

結局、王様の命令などの法令に基づく法令行為として、または世間様の空気に従った正当業務行為として冒険をしている勇者でない限り、違法性が阻却されることはほぼないといえそうである。

責任

構成要件に該当し、かつ違法性が阻却されなくても、責任がない限り犯罪は成立しない。

刑法で「責任がある」とは、責任能力と責任故意と期待可能性の3つが全てある場合をいう(マスコミでよく話題になるのは責任能力〔特に心神喪失〕であるが、より講学上重要なのは責任故意である)。もっとも、勇者たちには責任能力に欠けるところはなく、責任故意も認めてよい。したがって、ここではもっぱら期待可能性を検討することになる。

期待可能性

期待可能性とは、平たく言えば「行為者に『犯罪を行わないことができたのに』という期待ができること」をいう。すなわち期待可能性がないとは、その状況では犯罪を行うのも仕方がない、無罪にしてやろうという状態である。もっとも、わが国では期待可能性がないことを理由に「責任がないから無罪」とした判例はいまだ出たためしがない(傍論として理論的にはありうると述べるにとどまる)。

勇者についても、「期待可能性が欠如し無罪」との法理が適用されるのは、ごく限られた場合になるであろう。例えば、アイテムをところ構わず捨てるのは廃棄物処理法違反(不法投棄罪)である。しかし、モンスターを倒して落とした宝箱をゲット(これは適法な無主物先占である)したところ、勇者の持ち物がいっぱいであればどうであろうか。この場合は、勇者は手持ちのアイテムをゲームシステム上絶対に捨てなければならず、捨てないという行為を行うことはありえない。すなわち、「勇者に『不法投棄罪を犯さないことができたのに』という期待」をしえない。このような状態を期待可能性がないというのである。

逆に、それくらい他の行為の途が閉ざされている場合でなければ、ほとんど常に「期待可能性はある」とされる。勇者についても、おそらく上の例のほかには、期待可能性の欠如を認めてもらえる場合は考えがたいであろう。

「勇者」の転用

上述のように、勇者とは犯罪(または犯罪ギリギリの行為)を自ら実行しようという、強固な意思を有する者である。このことから転じて、社会通念上あまりにも無謀であり、まともな一般人ならば避けるであろう行為をあえて実行する者を、俗に「勇者」と形容する場合がある。例えば、「お前このご時世にアイマイまいんのエロ同人とかホント勇者だな」というように用いられる。

脚注

関連項目


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