「これはねえ、やっぱり狂ってますよ。この人たちは。
体すべて見てご覧なさい。目が可笑しいしね。体がポポポポーンになっているでしょ。
これ、麻薬吸ったような体ですわ。」
~ あいさつの魔法。 について、塩爺
あいさつの魔法。( - まほう)とは、2010年後半期からACが日本全国に向けて発信した洗脳魔法である。
まほうのことばで たのし~いなかま~が ポポポポーン!
一体何度この言葉を耳にしたことだろう。2011年3月に日本を襲った未曾有の大災害によって民間企業のCMが次々に自粛された結果、その穴を埋める形で大量の「エ~シ~」が発生した。あいさつの魔法も、そういった洗脳魔法の一つであるが、その攻撃能力は他のCMをはるかに凌ぐ。 また、ブラックユーモアからか、いくつかの改編を経てこんなAAも存在している。
ありがとウラン ごきげんヨウ素 お騒がセシウム ごめんな再臨界 ‐-、 ィ-‐、 ハノ\ | ‐-⊂⊃-‐ }⌒ヽ_ノ|r、 / >─、 >´ ̄ ̄ヽー'、__ノ \二ニ─‐ニ´__/ /_____ ヽ <´____ノ、 ヽ l r-、 r-、\_r-| / r-、 r-、\r-} | ⌒ ) l ⌒ ) \(´ ̄ ̄⊃ 厂 \ (´ ̄ ̄フ ノ´ >二二<´ >⊂ロ⊃< 〈_,ィ o ト、〉、 <_,ィ o ト、_> / / ノ o ( '、ヽ / / |_o_| | | mn∠___\ nm レm(_r-,_) レm \‐∨‐/ \ ∨ / ⊂-┴-⊃ ⊂-┴-⊃ 土 | 干 二、 /)⌒) ⌒ゝ丶/ | ‐┼`` ‐─ァ`` rノ、 l rノ、 _ノ .レ ノ 、_ (__ .l rノ、 (_ た~のし~い な~かま~が ポ ポ ポ ポ ー ン ♪ ∴∵ ∴∵ ∴∵ ∴∵ /| ∵∴ ./|∵∴ /| ∵∴ /| ∵∴ |/ __ |/ __ |/ __ |/ __ .ヽ| l l│ヽ| l l│ヽ| l l│. .| l l│ .┷┷┷..┷┷┷..┷┷┷ ┷┷┷ 1号機 2号機 3号機 4号機 /.:.:.:.:.:.ヽ.___,..'´.:.:.:.:ヽ,..z=ニア _ / .l l:.:.:.:,;二V__/"二).:.:./三ニl´ f \ィ゙ :! _,,..--、 ,≧三三三三ニ=-<三ア´ ヽ、 ヽ. ,,.ィ'゙ ヽ /三三三三三三三三t''゙ ヾ三三ニ-、 `ー‐''" __,,....ィ'゙ {三三二二二二三三三ミム `'ーニ三三三三三ニ三三ミム V'´ v-、 ,.-、'_, ヾ三三} ,' _ _ V三三ミli ! 7 ,-、 ヽ レ⌒'ソ l / ヽ,.-、´ ヽ ヾ三三リ n: :, r――――ゥ 、__ノ n: l ,.. ------- .、 `゙ ) || ヽ \___/ / || ヽ ゝ..____.ノ 厂 f「| |^ト、 ` ー-..___ / f「| |^ト、` .._ _ / |: :: ! } /_ : : : :j、 |: :: ! } f゙ツ―''f ヽ ,イ ヽ ,イ ____ ______ _____ /ヽ ヽ / / / | _ _ | ___| .イ ヽ ヽ ./ / ( | | | // | | /| ヽ ヽ / | ヽ .| | | // | |___ ./ .| ヽ ヽ .| ヽ  ̄ ̄ ̄ | |// | ___| / ヽ__ ヽ ヽ| \____ .| < | | | |ヽ ヽヽ .| | |\\ | | | | ヽ ヽ ヽ .| | | \\ | | \ | ヽ ヽ \ .| | | .. \\ |_| \__| ヽ ヽ \ | |_._| \\
この魔法は「ー」を入れてもわずか6文字の非常に簡単なものであるが、それゆえに強大な力を有している。この魔法の意味を理解するためには、この言葉を前半の「ポポポ」と、後半の「ポーン」に分けて考える必要がある。
まず「ポポポ」について考えてみよう。「ポ」という音は、「ぽかぽか」という言葉に用いられるように、「温かいもの」を連想させる。また、CMで「ぽぽぽ」という音に合わせて動物たちが出現していることからも分かる通り、何かが誕生した時の音を表してもいる。つまり、「ぽぽぽ」とは、何らかの「温かい共同体」の誕生を表現しているのだ。この共同体に居る人とは誰か? もちろん、「たのしいなかま」である。まとめると、たのしいなかま=日本人が皆で協力しながら温かい共同体を築いている様子が、浮かび上がることだろう。
一方、「ポーン」とは何だろうか。「ポーン」とは、物を遠くに投げ捨てる時の擬音である。つまり、何かを投げ捨て=排除しようという意志が垣間見える。では、排除させるものとは何か? それは「たのしいなかま」にとって邪魔な存在である。つまり「犯罪者」だ。あいさつという魔法の言葉は、住民どうしのコミュニケーションの活性化につながる。それは、犯罪者に「誰かが見ている」という心理を植え付け、犯罪行為に走ることを抑制させるだろう。
しかし、「ポーン」と排除されるのは、本当に犯罪者だけなのだろうか。「たのしいなかま」があいさつの魔法を用いて相互に監視を強化した社会、いわゆる相互監視社会では、少しでも「おかしい」と思われる人物は犯罪者予備軍として徹底的に排除・いじめられることになる。それはマイノリティ、すなわち、外国人・障害者・高齢者・低所得者などへの差別へとつながってゆくだろう。
「ポポポポーン」という音に加えて、CMに登場してくる動物たちが、「誰かが監視している」という心理を我々に植え付けようとしている。絶え間なくテレビ画面に現れる動物たちによって、すでに我々は洗脳されようとしているのだ。
繰り返すが、犯罪者だけを選び出して「ポーン」と排除することなど出来ない。温かい共同体=「たのしいなかま」によって、我々は常に監視され、「たのしいなかま」ではないと認定された弱者は「ポーン」と捨てられるのだ。しかし、「あいさつ」、「ありがとウサギ」などの響きの良い表現が、彼らの狂気を覆い隠している。あなたが洗脳された時、待っているのは、息苦しい監視社会と、弱者切り捨ての格差社会だ。
ほら、あなたの後ろにも、たのしいなかまたちが迫ってきている! ポポポポーン、ポポポポーンと叫びながら。