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セクハラ福田淳一の退職金5300万円「没収」できるのか?

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2018年4月24日の閣議で辞任が了承されたセクハラ疑惑の福田淳一。満額5300万円の退職金について、麻生太郎は「懲戒処分に相当すると判断された場合には、その処分に相当する金額を退職金から差し引く。当面、退職金の支払いは留保する。本人も了解している」とコメントした。

さも、金銭面でケジメをつけるような言いぶりだが、ゴマカシもいいところだ。退職金は制度上、手厚く保護されていて、減額できたとしても、スズメの涙ほどなのだ。

国家公務員退職手当法」によると、懲戒免職等処分を受けた退職者について、退職金の全部または一部を支給しないことができる。福田淳一は辞職してしまったので、懲戒処分は科せないが、本人の了解で処分相当分を差し引ける。しかし、退職金減額は容易ではない。労働問題に詳しい中川亮弁護士が言う。

「退職金は、功労報償的な面もありますが、賃金の後払い、退職後の生活保障という性格もあり、法的に手厚く保護されています。不支給や減額するにはよほどの理由が必要です。『懲戒解雇は不支給』という就業規則があっても、退職金が支払われるケースがあるぐらいです」

こんな判例がある。過去3度、痴漢で検挙された電鉄会社の職員が会社からやり直しの機会を与えられていたのに、また痴漢をしてしまった。さすがに、会社は懲戒解雇にし、退職金の支払いを拒んだが、裁判所は3割分を支払うように命じている。「全額不支給にするには、永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為が必要」との理由だ(2003年12月11日東京高裁)。

懲戒解雇ですら、退職金が払われる。ましてや、福田淳一の“懲戒処分”は財務省のお手盛りだ。

「国民の批判を受けて、さすがに満額支給というわけにはいかないでしょう。しかし、福田淳一が、何らかの懲戒処分相当と判断されても、財務省は判例などを盾に、退職金の減額はごくわずかで済ませるはずです。それで、ケジメをつけたとお茶を濁すつもりなのでしょう」(中川亮)

こうなったら残る手段は、福田淳一に、自主的に全額、国庫に返納させることだ。財務省は「私人のへの寄付として、福田淳一が退職金を返還することは可能です」(秘書課)と回答している。福田淳一官僚としての矜持が少しでも残っているなら、退職金をすべて返納してはどうか。国民が黙っていない。


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