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安倍晋三、4月辞任の公算か…自民党が恐れる「影のキーマン・今井秘書官」証人喚問

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森友問題をめぐる財務省内の決裁文書書き換え問題で、窮地に追い込まれている安倍晋三。先週末にマスコミ各社が行った世論調査で内閣支持率は軒並み30%台に低下、危険水域に達した。そんななか、財務省国土交通省にも文書の書き換えを依頼していたとも報じられた2018年3月19日、国会では森友問題に関する集中審議が行われ、政府・与党が、書き換えを指示したとされる当時の財務省理財局長、佐川宣寿に全責任を負わせる姿勢を見せた。これから永田町はどう動くのか。政治ジャーナリストの朝霞唯夫に話を聞いた。

――現在の永田町の最新状況について教えてください。

朝霞唯夫氏(以下、朝霞) 自民党のなかでも、国民の世論は厳しいという意見が出ています。予想通り週末の世論調査で内閣支持率が30%台へ下落し、このままいけば佐川宣寿の証人喚問も免れず、麻生太郎の辞任ですむはずもない、という声が出ています。

2018年3月19日の集中審議では、自民党の和田政宗が財務省太田充に対して、「民主党政権時代の野田の秘書官も務めておりまして、増税派だからアベノミクスを潰すために、安倍晋三政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているのではないですか」と、とんでもない質問をしました。かえってこの質問は自民党への批判を生むことになり、自民党としては、国民に対して「これ以上党を追い詰めないでほしい」と懇願している状態です。自民党の西田昌司は「佐川宣寿事件」と呼んでいますが、無理筋です。すでに外国ではウォーターゲート事件ならぬ「安倍晋三ゲート事件」と報じられています。

――自民党が連立政権を組む公明党の動向について教えてください。

朝霞 公明党の本心は「野党に下野したくない」の一心です。しかし、自民党を全面バックアップすれば、創価学会の収拾がつかなくなると聞いています。是々非々で物事に臨むのが公明党の立場です。今回は、公明党の石井啓一が森友問題にかかわっていますが、同省は外務省同様に霞が関では“下の省庁”になってしまったので、同省にしてみれば今回の財務省の失態に溜飲を下げる思いでしょう。石井は目立たないように、火の粉が飛んでこないように振る舞っています。

倒閣運動の可能性

――安倍晋三の4月辞任説が飛び交っています。

朝霞 2018年4月の内閣総辞職は真実味を帯びてきています。麻生太郎の立ち振る舞いがポイントです。ずっと安倍晋三を支える立場とともに、次の首相を決めるキングメーカーという裏の顔もあります。実は、麻生太郎は先週末も「もう財務相を辞めたい」と弱気になって、周囲に辞意をもらしたという話も伝わっています。これで麻生太郎が辞意を漏らすのは2回目です。

しかし、一方で麻生太郎は「安倍晋三夫妻の問題で、なんで自分が辞めなければならないか」という思いもあり、自分のダメージを極力少なくし、次のキングメーカーに収まる立場で辞任するのが一番望ましいというシナリオを描いています。今、綿密にそのシナリオを描いている最中でしょう。予算成立後の2018年4月に辞任するかたちが濃厚です。次の首相選びをにらんで自民党内は動き出しています。麻生太郎は、岸田派を巻き込めば勢力は大きくなりますが、ほかの派閥からの人望がありません。

――自民党内は、安倍晋三総辞職を見据えて動き出しているということでしょうか。

朝霞 このままいけば、内閣支持率は下がる一方です。自民党が恐れているのは、党への支持率も下がっていくことです。今まで野党がダメなので自民党政権は維持できました。しかし、野党が連携して本格的な倒閣運動をした場合、どうなるか。国民の世論は「野党にやらせてみよう」となるかもしれない。そうならないうちに、自民党内で倒閣運動は出てくる可能性があります。

影のキーマン

――自民党や野党の倒閣運動は、どのようなかたちで行われますか。

朝霞 昔の派閥原理のように露骨に引きずり下ろすというかたちではなく、公明党のように是々非々の議員が増えてくるでしょう。自民党の村上誠一のように「安倍晋三はダメだ」と声を上げるような倒閣ではなく、「安倍晋三は1回責任を取るべき」という声が出てくるでしょう。

石破茂元、岸田文雄が候補になっていますが、安倍晋三ほど人気が取れなかったとしても、自民党を持ち直すことが可能だというのが党内の意見としてあります。これから二階俊博がどう動くか。内閣の要であり、安倍晋三の側近である麻生太郎、菅義偉が、「もう支えるのは無理だ」となる時期がポイントです。

また、財務省の官僚が今後、どのような国会答弁するかも注目点です。私は安倍晋三夫妻がこの問題に露骨に関与したとは思いませんが、官僚が「安倍昭恵が名誉校長なので、このように判断しました」と言う可能性もあります。

――影のキーマンが存在するという話もあります。

朝霞 この問題でキーマンは、今井尚哉だと聞いています。重要な局面でいろんな状況を目にしているはずだという声があります。今回の森友問題は、事務ではなく、政務の問題です。答弁書を作成する際、官邸の政務関係で合議(あいぎ)が開かれますが、政務秘書官が政治的な問題で立ち会ったりしますので、今井は指示はしないまでも、あうんの呼吸で口を出していたのかがポイントです。野党の間では「今井を引きずり出せるかが重要だ」という声すらあります。

経済産業省職員だった谷査恵子を、安倍晋三夫人の安倍昭恵付きの政府職員にしたのも今井です。佐川宣寿や今井を国会で証人喚問をすれば、安倍晋三包囲網は狭まってきます。そうなると安倍晋三ももたなくなります。これが4月辞任説の真実味を帯びてきている真相です。

――安倍晋三は、どのような挽回策を想定しているのでしょうか。

朝霞 米朝協議と日朝協議により、支持率アップの巻き返しを図ろうと狙っています。以前は、ミサイル実験を繰り返す北朝鮮の脅威を煽ることで支持率を維持してきましたが、今はそれができない。要は安倍晋三の得意の外交で打開していこうと考えていると聞いています。


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Last-modified: 2019-10-28 (月) 12:21:17