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ワカメ

ワカメ(和布、若布)とは、コンブ科の植物の一種である。海藻であり、食材としても使われている。

概要

2mにも達する巨大な海藻。味噌汁に入っているワカメは緑色だが、熱すると色素と酵素の結合が外れて緑色になるのであり、もともとは褐色をしている。

ワカメの表面には無数の小さな窪みがあり、そこから「もうそう(毛巣・毛藻・毛叢)」という半透明の毛のようなものが出ているが、これは謎の器官であり、その目的などはわかっていない。

食用

食用の海藻として代表的なものであり、味噌汁やスープに最も多く使われる海藻であろう。その他、酢の物やサラダなどにも用いる。日本のほかでは朝鮮半島で食用にしており、韓国料理にはミヨッククとよばれるわかめスープがある。メカブも若いものは食用になり、ぬめりがあって珍味として知られる。

商品として特に理研ビタミンの「ふえるわかめちゃん」シリーズは知名度が高く、「ワカメ」といったら「増える」と連想する人も多いだろう。

生産

養殖技術が確立しており、現在全国生産量の9割以上は養殖ものである。韓国中国・フランスでも養殖が行われており、日本への輸入物としては中国産と韓国産が多い。

北海道から鹿児島県まで、日本各地に分布する。日本では岩手県が最大の生産地で、宮城県がそれに続くが、これら三陸海岸一帯のワカメは「三陸ワカメ」として知られる。徳島県は問題もあるが「鳴門わかめ」で有名。

外来種としてのワカメ

1980年代後半からおそらくバラスト水を介して世界中に広がり、世界の侵略的外来種ワースト100の一つに指定されている。ヨーロッパでは「3番目に侵略的な海藻」とされている。

大体発見された順に列挙すると、フランス・オーストラリア・ニュージーランド・スペイン・イタリア・アルゼンチン・英国・オランダ・ベルギー・米国・メキシコと世界各地に広がっており、大陸のレベルで言えば現在到達していないのはアフリカ大陸と南極大陸のみである。

特にニュージーランド南東部では大問題になっており、指名手配されている(ワカメを見つけたら行政機関に報告するよう呼びかけがされている)ほどである。一方オーストラリアは駆除をあきらめた(日本食における需要を見込んで養殖を試みている)。


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Last-modified: 2018-05-22 (火) 17:29:02