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イラク日報1年隠蔽 2017年3月に存在確認

防衛省が国会で「不存在」と説明していた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった問題で、小野寺五典は2018年4月4日、日報が2017年3月27日に陸自研究本部教訓センターで見つかっていたと発表した。これまでは「2018年1月までに」発見されたとしていた。2018年3月31日に小野寺に報告されるまで約1年間にわたって政務三役に日報の存在が隠蔽(いんぺい)されていたことになり、文民統制がとれていないとの批判が強まりそうだ。

小野寺五典は2018年4月4日、調査チームを設置して、詳しい経緯を調べるよう大野敬太郎に指示した。

防衛省によると、2017年2月20日、当時の稲田朋美は国会でイラク派遣時の日報について「残っていないことを確認している」と答弁。2日後に稲田朋美はイラクの日報が残っていないか再探索を指示した。研究本部(現在は教育訓練研究本部)で海外派遣などの調査研究を行う教訓センターも調査の対象になったが、2017年3月10日までに「残っていない」と回答した。

しかし、2017年3月15日に陸自では「廃棄した」とされていた南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報が陸自でも保管されていたことが報道され、稲田朋美が特別防衛監察を指示。この調査のため、教訓センターで前回は確認していなかった「教訓業務各種資料」というファイル名の文書が入った外付けハードディスクを確認したところ、イラクの日報が発見された。

この情報は当時、稲田朋美ら政務三役や内部部局、統合幕僚監部に報告されず、陸自内でとどまっていた。同センター長は「当時は南スーダンの日報を調べていたので、報告の必要があると認識していなかった」という趣旨の説明をしているという。センター長以外に陸自内でどこまで日報の存在が認識されていたかは分かっていない。

陸自は2017年11月、南スーダンPKO日報問題を受け、再発防止策の一環として過去の海外派遣の日報を統幕が一元管理することになったことから、全国の部隊に改めて日報の調査を指示。同センターからは2018年1月12日に陸幕に存在が報告され、2018年2月27日には統幕にも発見が伝えられたが、小野寺五典への報告は2018年3月31日になってからだった。2018年4月4日朝に山崎幸二から2017年3月時点で発見していたと報告があったという。

小野寺五典報道陣に「大変申し訳ない。当時の大臣の指示に対して正確に答えていない。厳正な措置も含め、適切に対応したい」と話した。


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Last-modified: 2018-04-29 (日) 12:45:52