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フルボッコ

フルボッコ(負流墨公)とは、イジメの一形態。標的を全員で攻撃しその全てを否定することで身体的にも精神的にも追い詰める事を指す言葉である。「フル(full)にボッコボコ(擬音語)にする」の略だと誤解されることが多いが、古代中国の思想家集団墨公(墨氏・墨家)の末路に由来している。

概要

様々な思想家が活躍した春秋戦国時代に一際異彩を放つ思想集団として墨子とその集団墨家は知られている。墨家の思想は兼愛(全てのに平等な愛)と非攻を中心とした大変平和主義的なものである。諸侯が戦争を頻繁に起こしていた春秋戦国時代において墨子は諸侯にこの教えを説き、時には命をかけて、時には実力行使で平和主義を広めようとしたといわれる。

だが、墨家は始皇帝による中華統一以降、歴史から忽然と姿を消してしまう。墨家の思想は他の思想家の考えを否定するものも多く、このため恨みを買い諸子百家から大変恨まれていた。また非攻を旨とする墨家の考えは武力で中華を統一した秦の始皇帝以降の覇者達を否定する危険思想ともみなされていたのである。このため時の権力者は天下を統一すると墨家の存在を歴史から抹消し墨家への迫害が認可され、その流れに乗った儒者などの思想家によって墨家は徹底的な弾圧を受けた。その弾圧は「焚書坑儒」のさらに上をいくという徹底したものであったといわれ、墨家の思想家達は「墨公(ぼっこう。「墨の輩め!」の意)」「負流墨公(ふりゅうぼっこう、すなわち流れに負けた墨公。「負け犬墨公」の意)」と罵られながら始末されていった。

すでにおわかりであろうが、中国では陰湿ないじめを集中的に受けることを「墨公」といわれるようになり、これが日本に伝わり「墨公墨公にする」が訛り「ボッコボコにする」、さらに短縮され「ボコる」と略されていったのである。

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Last-modified: 2018-03-23 (金) 14:43:24