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佐川宣寿改ざん経緯語らず 安倍晋三安倍昭恵指示は否定

衆参両院の予算委員会は2018年3月27日、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題を巡り、2017年の国会で財務省理財局長として答弁した佐川宣寿(60)を証人喚問した。佐川宣寿は改ざんを誰がいつどのように指示したか、その理由、自身の関与などの経緯について「刑事訴追の恐れがある」と証言拒否に終始。一方で安倍晋三安倍昭恵安倍晋三官邸からの指示はいずれも否定したが、根拠があいまいな発言も目立った。

佐川宣寿は改ざんについて「文書の担当局長だった私の責任だ」と陳謝したが、自身の関与などの核心部分は検察の捜査を理由に「答えを差し控えたい」と繰り返し、「責任」の意味は語らなかった。喚問された感想を問われると「どういう経緯で誰が指示したのか、明らかになっていない。最後は司法の判断だ」と述べるにとどめた。

一方、佐川宣寿は「(改ざんは)理財局内だけでやった話だ」と強調し、外部からの指示を全面否定。国有地売却や決裁文書はあくまで理財局の「個別案件」だったとして、政治家や官邸との協議や報告もなかったと述べた。

また安倍晋三が2017年2月17日に「(国有地売却に)が関与していれば首相も議員も辞める」と答弁したことを「安倍晋三の政治的な思いだと感じた」としたが、自らの答弁には影響しなかったと説明した。安倍昭恵が学園の名誉校長だったことは2017年2月の報道で知ったとし、「あ、そういうことかと思った」と語った。

ただし、政治家などの関与を否定する根拠は「指示があれば私に報告があるはずだが、なかった」と説明するにとどめ、「職員一人一人には確認していない」とした。部下が忖度(そんたく)した可能性も「個々の内面の話で、私が言うことはできない」と否定しなかった。

さらに「私が書き換え前と後の文書を見たかは捜査の範囲だ」と、2017年の国会答弁の際に文書を読んでいたかについて証言を拒否。安倍晋三安倍昭恵に関する記述が文書から削除された理由も答えなかった。

改ざんの経緯を語らずに政治の関与だけを否定し続けた佐川宣寿に対し、野党は「捜査の最中なのに『影響はなかった』となぜ断言できるのか」(希望の党・今井雅人)「論理矛盾だ」(立憲民主党・福山哲郎)と強く反発した。

理財局長に就任する前の国有地貸し付けや売却についても、佐川宣寿安倍昭恵らの影響を否定した。学園側と公示地価などの一般論は交わしたが、不動産鑑定額は伝えていなかったとし、「事前の価格交渉はなかった」という自らの昨年の答弁を正当化した。

一方、「交渉記録は廃棄した」という2017年の答弁は財務省の文書管理規則の内容を答えただけだったと釈明し、「丁寧さを欠いた」と陳謝した。だが共産党の宮本岳志氏は「『確認したところ、記録はなかった』と言っていた」と追及。財務省も2018年3月26日の国会で「事実に反する」と認めたが、佐川宣寿は「虚偽という認識はなかった」と強弁した。


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Last-modified: 2018-04-29 (日) 13:10:50