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安倍晋三が「覚悟」を決める時期が近づいている

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森友学園加計学園の問題に加え、財務省事務次官のセクハラ問題まで飛び出し、厳しい批判にさらされている安倍晋三内閣。各メディアの世論調査で支持率が急落し、苦境に陥っている。劣勢を挽回する見込みはあるのか。

森友・加計問題の「疑惑」は安倍晋三が解明すべき

安倍晋三は2018年4月17日~20日にアメリカを訪問し、ドナルド・トランプとの日米首脳会談に臨んだ。北朝鮮の拉致問題について、ドナルド・トランプが「最善を尽くす」と明言したのは成果だと言えるが、経済の面では「多額の対日貿易赤字」を米側から指摘されるなど、果実は乏しかった。

その間、日本では、財務省福田淳一セクハラ問題が引き続き大きな騒動となっていて、福田淳一は2018年4月18日に辞任に追い込まれた。日米首脳会談の数少ない成果も霞んでしまった格好だ。

森友・加計問題も疑惑が解明されたわけではない。訪米前の2018年4月11日に開かれた衆院予算委員会の集中審議では、安倍晋三が野党の追及を受けたが、はぐらかしの答弁を繰り返しただけで、まったく説得力がなかった。

安倍晋三の対応が不信感を呼んでいるのは、内閣支持率の低迷で明らかだ。2018年4月15日に朝日新聞が公表した支持率は31%、同日に明らかになったNNN(日テレ系)は26%。さらに、2018年4月22日に公表された毎日新聞の世論調査では30%と、危険水域と言われる3割前後の数字が並んだ。

森友学園をめぐっては、財務省の決済文書の改ざん問題が決着していない。誰が、何のために改ざんしたのか、明確になっていない。根本的な疑惑は、なぜ国有地の売却額が8億円も値引きされたのか、ということだ。

財務省の近畿理財局にとっては、土地を大幅に値引きして森友学園に売却してもメリットは何もない。となれば、政界から圧力があったからだと考えざるをえない。では、いったい誰が圧力をかけたのか。

この「謎」を解明する最大の責任は、行政を指揮する安倍晋三にある。ところが、安倍晋三は真相解明に対して背を向けている。

事実の究明のためには、改ざんされた文書に名前が登場する安倍昭恵や、売却価格の交渉時の財務省理財局長だった迫田の証人喚問も必要なはずだ。だが、安倍晋三は二人の証人喚問に応じようとしていない。

もう一つの懸案である加計学園問題では、2015年4月に柳瀬唯夫安倍晋三官邸で愛媛県や今治市の職員と会い、加計学園の獣医学部新設は「安倍晋三案件」と述べたとされる。柳瀬唯夫は記憶にないと否定しているが、証拠となる文書が出てきて、かなり苦しい状況だ。

柳瀬唯夫の証人喚問は与党も受け入れる方向だ。はたして柳瀬唯夫国会で何を語るのか。

自民党の議員は「安倍晋三のイエスマン」ばかり

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先日、自民党参議院議員の勉強会にゲストスピーカーとして呼ばれた。約70人の議員がいた。前半は、彼らの要望に応じて外交問題について話したが、後半は、安倍晋三批判をした。そして、「あなたたちも自民党を愛しているならば、自民党の信頼回復のためにも、堂々と安倍晋三批判をするべきだ」と発破をかけた。

かつての自民党は、反主流派や非主流派も元気が良くて、主流派と反主流派の論争が非常にダイナミックで、迫力があった。首相が交代するのは、野党との政争に負けたときではなく、反主流派との論争に敗れたときだった。岸、田中、福田、宮澤といった歴代の首相はそうして政権の座を降りた。当時の自民党はその名の通り、自由であり、民主的だった。

だが、選挙制度が小選挙区制になって、公認権を握る党執行部の力が強くなり、どの議員もみな、安倍晋三のイエスマンになってしまった。誰も反論できない。その結果、自民党の劣化を招いている。

自民党を健全化する責任あなたたちにあるんだ」。参議院議員たちに向かって言うと、誰も反論するはいなかった。

勉強会が終わったあとで、議員たちは「あなたのおっしゃる通りだ」と話しかけてきたので、「じゃあ、党内でも言うべきだ」と返したが、「それがなかなか難しくてねぇ」と苦笑いするだけだった。自民党内で健全な批判がされるのは限界があるということだ。

いまのところ、内閣の支持率が回復する見込みはほとんどない。そろそろ、安倍晋三が「覚悟」を決めるときが近づいているのではないか。


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Last-modified: 2019-10-29 (火) 00:21:06