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市場当局が石原慎太郎時代から潜り込ませた“インチキ図面”

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本当に半年後に移転できるのか。2011年6月に都の中央卸売市場(市場当局)が作成した工事図面を独自入手。汚染水の敷地外への漏出を防ぐために埋設する護岸側の「遮水壁」の高さは、都の基準海水面(AP)からプラス4メートルと記されている。地表面はAP+6.5メートルだから、地表より2.5メートルも“背丈”が低い状態だ。

ところが、2017年4月の「市場のあり方戦略本部」に提出された市場の断面図では、遮水壁が地表に達しているかのように描かれていた。さらに、本紙の調べで、遮水壁が地表に達しているかのように描かれた断面図は、2011年7月に市場当局が都の環境局に提出した環境影響評価(アセスメント)の書類にも掲載されていたことが分かった。

評価書に掲載された断面図でも、遮水壁は地表に達している。市場当局は石原慎太郎時代の約7年も前からインチキ図面を評価書に潜り込ませていたわけだ。

都は条例で大規模開発事業を行う業者に、環境に与える影響を予測・評価し、その内容について、住民や関係自治体などの意見を聞き、専門家が審査することを義務付けている。これらの環境アセスメントがインチキ図面が基では、根底から覆る恐れもある。

都の環境局に問い合わせると、「われわれはアセスについて審査する立場にない。審査するのは事業者である都の市場当局」(環境政策課)。市場当局に問い合わせるも「担当者不在で対応できない」とのことだった。

2018年4月13日の会見で小池百合子は、本紙の質問に「地下水位がAP+4メートルを超えたのは一時的」「現在は平均AP+2メートルに落ち着いている」とすっとぼけていたが、とんでもない。都が2016年10月に地下水位の観測を始めた当初、観測地点全21カ所のうち、11カ所で地下水位はAP+4メートル超だった。その後、落ち着いたものの、雨天が続く時期はやはりAP+4メートル超の地点が目立っていた。

市場当局は滞りなくアセス手続きを完了させるため、環境アセスの審議会の専門家や地域住民の目を欺こうとして、ウソの断面図を評価書に載せたのではないか。そうして“お墨付き”を得ることで、移転を急ぎたかったのでしょう。都庁内では2008年末時点で、地下水管理を開場後10年でやめ、自然な水位に戻すことを議論していました。もともと遮水壁を低く設計し、上昇する地下水を外に逃がすことを想定していたのかも知れません。いずれにせよ、汚染地下水が長年にわたり漏出していた可能性が高く、土壌汚染対策法の趣旨にも反する。小池百合子の認識は甘すぎます」(市場問題に詳しい1級建築士の水谷和子)

臭いものにフタをするような小池百合子の態度は許されない。


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Last-modified: 2018-04-15 (日) 11:58:14