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当時の稲田朋美から明確な「指示」なし 電子メールで判明

自衛隊イラク派遣部隊の日報問題で、2017年2月22日に当時の稲田朋美が出した「日報再探索の指示」が、実際には明示的な指示ではなかったことが 2018年4月7日、分かった。稲田朋美から「本当にないのか」と問われた統合幕僚監部参事官室の幹部は「探索指示」と受け止めたが、参事官室は陸自などに「指摘」として伝えただけで、具体的な再探索の指示もしていなかった。

統幕参事官室が 2018年4月7日、記者団の求めで開示した当時の電子メールなどで判明した。参事官室は「伝達が適切でなかった」としている。同室によると、稲田朋美は2017年2月22日、国会答弁の打ち合わせで統幕総括官(当時)に対し「イラクの日報は本当にないのか」とただした。これを再探索の指示と受け止めた統幕総括官の指示に基づき、参事官室の職員が陸自などの関係部署にメールを送信した。

メールは稲田朋美の発言を「ご指摘」として紹介した上で、日報について「探索いただき無いことを確認いただいた組織・部署名を(中略)ご教示いただけますでしょうか」と記していた。この時点で各自衛隊は探索をいったん実施済みで、メール文面は対象部署名の報告を求めただけと読める。実際、各自衛隊は同22日中に部署名を回答したが、再探索を実施する旨は返信していないという。

この問題では、日報を2017年3月に発見したが、報告しなかった陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)の職員が「防衛相の指示で捜索している意識はなかった」と説明しているとされる。


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Last-modified: 2018-04-08 (日) 03:19:26