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悪印象を払拭へ 消費税還元セール解禁の裏に財務省の焦り

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消費税還元セールを解禁」。このニュースに「あれっ?」とクビをひねった人もいるだろう。一部報道によると、財務省は2019年10月に予定されている税率10%への消費増税を前に、「消費税還元セール」を解禁する方向で調整に入ったという。

消費税と還元セールの関係は1997年に始まる。この年、税率が3%から5%に引き上げられ、小売業者の一部は仕入れ業者に納入金額を値引きさせて還元セールを行った。増税によって仕入れ業者がしわ寄せを受けたわけだ。

そのため8%に引き上げた前回(2014年4月)の増税の際は、政府消費税還元をうたったセールを禁じる「消費税転嫁対策法」を設置。その監視のためにわざわざ「転嫁Gメン」を臨時採用した。Gメンの人数は474人で日当1万円。半年で7.5億円以上の費用がかかったとされる。

ところが、この措置によって消費者は増税前の買いだめに走った。その結果、1~3月の個人消費は8%伸びたが、4~6月は17%も減少した。来年の消費増税の際にこうした消費の山と谷ができないようにすることが財務省の狙いというが、なぜ今、この話が出たのか。

「解禁は財務省のリップサービスです」と指摘するのは経済ジャーナリストの荻原博子だ。

「一連の森友問題財務省のイメージはボロボロ、安倍晋三政権はガタガタ。労働者の給与とお年寄りの年金支給額は減少傾向。デフレ脱却は掛け声ばかりで、どう考えても不可能です。こんな状況下では消費増税に国民の了解を得られないのは明らか。財務省はそのことを分かっているから、今の段階で消費者が喜びそうな還元セールの解禁を打ち出したのでしょう。一連の不祥事のマイナスイメージを払拭したいという財務省の焦りがリップサービスに化けたといえます」

財務省が本気で還元セール解禁を検討しているにしても、真の目的はイメージ回復。消費税引き上げのためなら、どんな甘言でも弄すということか。


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Last-modified: 2018-05-18 (金) 10:07:26