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絶妙タイミングで再訪中 金正恩の狙いと習近平会談の中身

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神出鬼没の金正恩に、国際社会が驚愕している。突然、中国の大連を訪問し、習近平主席と会談していたことが分かった。しかも、2018年5月7日、8日の2日間、じっくりと話し込んでいる。金正恩は2018年3月に訪中したばかり。短期間に首脳会談を重ねるのは異例だ。いったい、なにをしに行ったのか。ドナルド・トランプがピリピリしていることは間違いない。

2018年3月の電撃訪中に続き、習近平と会談した金正恩。狙いはハッキリしている。2018年6月上旬に予定されている「米朝会談」の前に「後ろ盾」である中国の存在をドナルド・トランプに見せつけようとしたのは明らかだ。

訪中は絶妙のタイミングだった。

「いまアメリカ北朝鮮は、米朝会談にむけて最後のせめぎ合いをしています。アメリカのポンペオ国務長官は『非核化だけでなくミサイルも放棄しろ』とハードルを上げ、北朝鮮も『相手を意図的に刺激する行為は危険な試みだ』とアメリカを非難している。金正恩の訪中は、駆け引きの真っ最中に行われた。ドナルド・トランプが苦々しく思っているのは確かでしょう。中・朝が一体化したら、たとえ米朝会談が決裂しても、さすがにアメリカ北朝鮮を攻撃できない。北朝鮮のために軍事大国の中国戦争するわけにはいきませんからね」(国際問題ジャーナリスト・太刀川正樹)

もう「米朝決裂」はできない

2人は、なにを話し合ったのか――。ドナルド・トランプも不安と疑心を強めているのだろう。さっそく、習近平と電話会談している。

金正恩は「関係国が敵視政策をやめれば、北朝鮮を持つ必要はなくなる」「関係国が段階的で同時に措置を取ることを望んでいる」と語ったという。

まだ34歳の金正恩は、まんまと中国を弾よけに使っている形だ。さらに、いずれアメリカを使って中国を牽制するつもりだとみられている。元外交官の天木直人はこう言う。

北朝鮮が目指す最終ゴールは、アメリカと不可侵条約を結び、体制の保証をしてもらうことです。アメリカと国交を結んだら、を放棄してもいいと本気で考えているのではないか。アメリカと平和条約を締結するまでは、中国を“後ろ盾”として徹底的に利用するつもりでしょう。でも、アメリカと国交を正常化させたら、今度はアメリカ中国を牽制させる戦略だと思う。北朝鮮のホンネは、中国の影響力が強くなりすぎるのも困るということでしょう。どうにも気になるのは、在韓米軍の撤退を強く要求していないことです。アメリカと友好国になったら、中国を牽制するために、在韓米軍は現状のままの方がいいと考えているのではないか」

米、中、世界の2大国と渡り合っている金正恩日本安倍晋三だけが、蚊帳の外に置かれている。


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Last-modified: 2018-05-17 (木) 10:45:56