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野党足元見られ…柳瀬唯夫招致で安倍晋三政権描く幕引きシナリオ

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国会に呼ばれたら、誠実にお答えしたい」――。GWど真ん中の2018年5月2日、柳瀬唯夫が官邸で加計関係者と会ったと認める意向と報じられた。

はたして、GW中に記憶が戻ったのか。恐らくウソがつける参考人招致で、政権に都合の良い「記憶」を駆使し、疑惑をケムに巻く作戦だ。野党はこんな茶番に付き合わず、意地でも審議拒否を続けたらどうだ。

野党6党は「4条件」を求め、2018年4月20日から審議拒否を続けてきた。4条件とは

――だ。

財務省は大型連休直前のドサクサに紛れ、福田淳一セクハラ行為を認めたが、本人は否定。懲戒名目の退職金減額は総額のたった2.6%の141万円。改ざんの調査報告も未提出で、麻生太郎は辞任どころか、国会の了承を得ぬまま、GW中にのうのうとフィリピンに出かける始末だ。

イラク日報も問題解明に程遠く、ウソのつけない柳瀬唯夫喚問要求も、与党は参考人招致でお茶を濁す。つまり、4条件はゼロ回答。この間、審議拒否について、64%が「適切でない」と答えた日経の世論調査が出た。世論の厳しい視線もあって「審議拒否は長く続かない」と野党は足元を見られ、完全にナメられているのだ。

ここで野党が審議に復帰すれば、安倍晋三政権の幕引きシナリオに利用されるだけだ。まず柳瀬唯夫は、これまでの「記憶にない」という説明をこう繕うという。

「2015年4月2日の官邸訪問は、加計学園が主で、愛媛県と今治市の職員は随行だった。参考人招致では、加計関係者との面談を認め、県と市の職員は『後ろにいたから記憶にない』とし、これまでの説明との整合性を取るようです」(自民党関係者)

疑惑の本丸である加計関係者に県と市の職員が隠れていたから「記憶にない」とは、“究極の言い逃れ”だが、2017年7月の閉会中審査における柳瀬唯夫答弁を追うと成り立ちかねない。衆院で9回、参院で7回も「記憶にない」を連発したが、野党の質問はすべて今治市職員と会ったかどうかのみ。柳瀬唯夫は加計関係者との面談については何も語らなかった。当時、野党は加計関係者が一緒とはユメユメ思っていなかったからだ。

また、柳瀬唯夫が「安倍晋三案件」と発言したとする“愛媛文書”発見時のコメント(2018年4月10日付)も「自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」と加計関係者への言及はなかった。

あとは会談ラッシュで目くらまし

柳瀬唯夫は、官邸での面談自体は認めた上で『安倍晋三案件と言った記憶はない』『安倍晋三の指示はなかった』と、安倍晋三の関与を否定する方向に持っていくのでしょう。与党は、参考人招致さえ終えれば乗り切れると考えています。2018年5月末に日ロ首脳会談を控え、2018年5月中にも世界注視の米朝首脳会談が開かれる。さらに、2018年6月8日からカナダ・シャルルボワサミットと外交日程がたて込み、世論の関心を外に向けられますからね。会期末は2018年6月20日。政権の逃げ切りを阻止するには残り時間はあるようで、ないのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫)

政権側に落ち度がある限り、野党の審議拒否には大義がある。有権者に「パフォーマンス」と見られたくなければ、野党は「4条件」をしつこく追及すべきだ。


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Last-modified: 2019-10-28 (月) 12:07:05