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しがみつく安倍晋三 未だに「3選」「改憲」など寝言の仰天

自分の愚かさと惨めさに気づかない安倍晋三を頂く国民の最大の不幸

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焦燥感の表れなのだろう。この連休中、安倍晋三が「総裁3選」への意欲を見せ、「改憲」への執念を示した。どちらも逆風なのは明らかなのに、強がりと寝言の連発には仰天するしかない。

3選に触れたのは2018年4月29日の産経新聞のインタビュー。2018年9月の自民党総裁選について「国会閉会後に判断する」と答え、<会期延長がなければ6月20日の国会閉会後に出馬表明する考えを示した>という。もっとも、応援団メディアがこのタイミングで既定路線のはずの“総裁選出馬”をわざわざ報じたことは、むしろ安倍晋三の苦境を物語っているのだが、とにかくインタビューの中身は、勘違いな手前味噌のオンパレードだった。

北朝鮮に対して圧力を最大限まで高めていくと申し上げました。(中略)その結果として平昌五輪を契機に北朝鮮が話し合いを求めてきた。まさに日本が国際社会をリードしてきた成果ではないですか。決して日本が蚊帳の外に置かれていることはありません」

「先日訪米し、ドナルド・トランプと2日間にわたり11時間以上、時をともにすることができました。いかに日米の絆が強固なものであるかを示せたのではないでしょうか」

日本が国際社会をリード?日米の絆が強固?ただ時間が長けりゃいいのか?マトモな国民なら、ちょっと笑ってしまう。

高千穂大教授の五野井郁夫(国際政治学)がこう言う。

北朝鮮に対し『圧力一辺倒』だった安倍晋三は、対話も選択肢にしてきた世界の国々から、『水を差すな』と煙たがられてきた存在。それなのに、『日本が国際社会をリードしてきた』と自分の成果のように言うのには呆れました。盗っ人猛々しい。

外交で成果と言うのなら、北朝鮮から拉致被害者を返してもらってから言って欲しい。対米国でも、鉄鋼やアルミニウムへの関税除外やTPP復帰を勝ち取ってからだし、対ロシアでも北方領土を返してもらってこそ成果でしょう。国民の多くが海外メディアに触れられないのをいいことに、親安倍晋三メディアが安倍晋三の口先だけの『やってる感』を大本営発表のまま喧伝してきたから、“外交の安倍晋三”などと威張っていられたのです」

「蚊帳の外」という批判にムキになるのも、子供っぽい安倍晋三の性格がよく出ている。外遊先のロシアで同行記者に総裁選対応について問われた自民党二階俊博が、「(安倍晋三の)3選支持は1ミリたりとも変わっていない」とヨイショし、「立派な外交実績を上げている」と持ち上げていたが、褒め殺しにしか聞こえない。

「いよいよ憲法改正に取り組む時」にア然

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改憲についても安倍晋三は、「議論が深まってきた」という驚くべき認識らしい。訪問先のヨルダンで記者団にそう強調し、2018年5月3日の憲法記念日に改憲派集会へ寄せたビデオメッセージでも、「この1年間で憲法改正の議論は大いに活性化し、具体化した」「いよいよ私たちが憲法改正に取り組む時が来た」と誇らしげに語っていた。

安倍晋三が「自衛隊を憲法9条に明記」する加憲論を唱え、「2020年に新憲法を施行」とブチ上げたのは、2017年の憲法記念日。今回と同じ改憲派集会へ送ったメッセージだった。あれから1年。改憲機運はむしろしぼんでいる。

確かに自民党内ではが押し付けた通りに、9条に自衛隊明記を含めた改憲4項目がまとまった。が、内閣支持率が3割を割り込む中、「改憲どころではない」という空気が党内に充満している。モリカケ問題や防衛省の日報隠蔽、財務次官のセクハラと不祥事続発で、国会の憲法審査会の議論も一切進んでいない。

もともと改憲に慎重な公明党は、山口が2018年5月2日、「日本国憲法の歴史の下で、これまで改正を一度も行っていない」と改憲に否定的な姿勢を街頭演説で見せるような状況なのだ。

肝心の国民も全く盛り上がっていない。朝日新聞の世論調査では、「安倍晋三政権の下での憲法改正」に反対が58%(2017年は50%)、賛成は30%(同38%)で、反対が上回っているだけでなく、2017年より増えている。安倍晋三に対する国民不信がこれだけ高まっているというのに、「いよいよ改憲に取り組む時」とは、バカも休み休み言ってくれ、である。

政治評論家の野上忠興もこう言う。

安倍晋三の描いていた改憲に向けての『工程表』が完全に狂ってしまい、今は悔しくて仕方ないんじゃないですか。それを隠すため、強がりを言っているように思います。2017年の今ごろは、安倍晋三1強の下、すべて思い通りと、いい気分だったことでしょう。2017年のうちに自民党改憲案をまとめ上げ、今年中に国会で発議し、2018年の参院選とダブルで国民投票というスケジュールを想定していたわけですが、全部パー。さぞかし無念でしょう。一寸先は闇ですよ」

折れた「3本の矢」をいまだアピールする鉄面皮

事態が逆回転しているのは安倍晋三だって分かっているはずだ。それでも改憲への意欲を見せ続けるのは、そうしなければ支持者の右派をつなぎ留められず、赤信号がともっている総裁3選への望みもついえてしまうからだ。

何のために、3選を目指すのかと問われれば、安倍晋三は「自民党の党是である憲法改正を実現するため」と言うしかない。2期までだった党の総裁選規程を変えてまで、トップの座に居座り続けるには、それなりの理由が必要で、改憲を主張し続けるしかないのだ。

加えて、モリカケで露呈したように、私利私欲にまみれた安倍晋三のこと。改憲は自己満足のためでもある。

「改憲は安倍晋三にとって『レガシー』づくり。9条でも、他の条文でも何でも、憲法を変えられればいいというのがホンネです。実際、解釈改憲で米国が望んでいた集団的自衛権の行使は可能になっているので、9条を変える必要性はないのですからね。『憲法を変えた総理』として歴史に名を残すべく執着してきたものの、それが無理になって、3選の目もなくなり、本当に惨めなものです。それでも自転車をこぐのをやめたら倒れてしまうから、パンク寸前でも必死にこぎ続けているという状態。哀れです」(野上忠興)

安倍晋三は前述の産経インタビューで、「経済政策『三本の矢』を継続的に進めてきた結果、昨年のGDPは過去最高となった。雇用も250万人増え、正社員の有効求人倍率も初めて1倍を超え、『人生100年時代』に備えていくことができるようになった」と毎度のセリフで5年半の政権運営を自画自賛していた。

折れてしまった「3本の矢」をいまだアピールする厚顔。それしか訴えるものがない愚かさ。国民の支持を失い、哀愁さえ漂うまでに落ちたら、最後は誠意を見せて、自ら辞するのが権力者の矜持ではないのか。しかし安倍晋三は、自分が笑いものになっていることに気づいていない。

政治評論家の森田実が言う。

「今の安倍晋三に対する世論は、薄い表面は熱く煮えたぎっていても、その下の大部分は冷えきっている風呂のようなもの。一部の右派の支持者は応援しても、多くは安倍晋三を信用していません。つきでごまかしばかりのうえ、官僚を腐敗させた安倍晋三に、むしろ嫌悪感でいっぱい。ところが権力者は長く居座るほど、国民と遊離していき、国民の心が分からなくなるものなのです」

無意味な中東訪問から戻った安倍晋三は、その足で山梨の別荘へ逃げ込み、4日は大学時代の友人とゴルフで息抜きをした。「調子はいいですよ」と記者団に笑顔を見せたらしいが、日本世界から置いてきぼりにされているというのに、いい気なもんである。こんな鉄面皮首相を頂く国民不幸というしかない。


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Last-modified: 2019-10-28 (月) 23:53:52