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中学給食がない横浜市の代替策「公費6000円弁当」の波紋

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1食6000円超するという「ハマ弁」

“横浜らしい中学昼食”とはこれほど金を食うものなのか──。多くの横浜市民が呆気に取られている。

2018年3月20日の横浜市議会で、市内の公立中学校に給食の代替として提供されている昼食弁当サービス「ハマ弁」に掛かる市の公費が、1食6000円超であることが明らかとなった。どんな豪華な弁当なのかと思えば、その中身はありきたりの業者弁当である。

井上さくらが議会で取り上げたこの金額は、委託業者の2016年度事業報告書を基に計算されたもの。事業報告書によると運営費が約4億円で、うち市の補助金が約3億円。注文数は約4万7000食。従って、1食の公費は約6300円に上る。

答弁した横浜市教育長は「井上さくらの計算方法だとそうなる」と認め、主たる反論はなかった。

市によれば、ハマ弁のサービス開始時に掲げた目標の喫食率は20%だが、現状の喫食率はそれに遠く及ばない1.3%。弁当業者との間では、喫食率20%までは発注数にかかわらず公費補助を一定とする契約になっており、それが1食当たりの公費が跳ね上がった原因のようだ。

政令指定都市で唯一の非給食

共働き世帯の増加とともに、貧困世帯における子どものセーフティーネットとしての役割もクローズアップされ、全国で給食の実施が進んでいる。

そんな中で神奈川県は、2016年時点での公立中学の完全給食実施率が3割未満と47都道府県で“断トツ”の最下位。人口の多い横浜市と川崎市が未実施だったためだ。川崎市は2017年に実施に踏み切り、全く未実施の政令指定都市は横浜市のみとなった。

冒頭の“横浜らしい中学昼食”とは、横浜市教育委員会が掲げる、公立中学における昼食のあるべき姿。家庭の弁当が基本で、業者弁当などさまざまな選択肢を用意するのが望ましいとし、それには給食はそぐわないという。

林文子は「ハマ弁の良さが伝わっていない。周知に努める」と明言、ハマ弁の継続に固執する

もっとも、給食を実施しないのは考え方というより、コストによるところが大きい。給食の実施には数十億円以上の初期投資が必要で、早期実現は困難という。給食より少ない投資で、かつすぐに始められるのがハマ弁だったのだ。

2018年度はハマ弁の値段を下げて注文数の向上につなげるというが、林文子や教育長によれば、その差額は市が補填する可能性が高い。これでうまくいかないと、さらにコスト負担はかさむ。

貧困世帯の子どもに対する無償の提供も行っているというが、実績は30人程度。セーフティーネットとしても機能しておらず、給食の代替とはとてもいえない。

これでは、ハマ弁に「良さ」を見いだせというのは、強弁に聞こえる。


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Last-modified: 2018-05-18 (金) 13:59:58