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内部から通報者 NHK幹部が森友報道で“官邸に忖度”の衝撃

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森友報道をめぐってNHK幹部が官邸に忖度――?

NHK関係者からとみられるタレコミが国会議員の事務所に届いた。2018年3月29日の参院総務委員会で共産党の山下芳生が明らかにした。「ニュース7(N7)」「ニュースウオッチ9(N9)」「おはよう日本」の番組編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を連日、細かく指導しているという。タレコミの内容は実に生々しい。

<トップニュースで伝えるな>

<トップでもしかたないが、放送尺は3分半以内に>

安倍昭恵映像は使うな>

前川喜平の講演内容と連続して伝えるな>

NHK内部の通報者は、この幹部が官邸や自民党の意向を忖度して、部下への指示を乱発しているとみている。

山下事務所にタレコミの手紙が届いたのは、2018年3月26日。通報者は、先週の後半に投函したとみられる。そこで、2018年3月19日から2018年3月29日までの3番組の放送内容を調べてみた。

2018年3月19日は、参院予算委の集中審議に加え、前川喜平講演介入問題への自民議員の関与が明らかになった。「N7」はトップで森友問題(6分半)、「N9」はトップの森友(9分半)に続き、前川喜平講演(5分)を報じた。翌2018年3月20日朝の「おはよう日本」は、トップに前川喜平講演(1分半)、2番目に森友(6分)だった。この日に佐川宣寿の証人喚問が決まったが、このニュースを「N7」は7分、「N9」が10分半と、トップで大きく扱った。

2018年3月22日以降は森友報道が“トーンダウン”

なるほど、この頃はタレコミで幹部が問題視したように、NHK森友問題に大きく時間を割き、前川喜平講演と連続させた報道もある。

ところが、佐川宣寿喚問が正式に決議され、野党議員の籠池泰典被告との接見が決まった2018年3月22日に変化が表れた。森友は、「N7」がトップを外れて4番目(2分半)、「N9」が2番目(3分)の扱いになった。籠池泰典接見が行われた2018年3月23日は、「N7」が2番目の4分半、「N9」が2番目の5分だった。他のニュースとの兼ね合いもあるが、何だか“トーンダウン”しているようにも見える。通報者が投函したのは恐らくこの頃だ。

加えて、NHKの国際放送について海外での視聴を警戒し、官邸がしきりにNHKに注文をつけているという別のタレコミもあるという。デリケートな今の時期に、複数の「内部関係者」からの生々しい“告発”。NHKは、官邸の顔色を見て番組を作っているのだろうか。

2018年3月29日の参院総務委で、NHK上田良一はタレコミについて、具体的な見解を求められたが「番組内容は、現場が自主的に判断しているが、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくことが役割だと考えている」と一般論で逃げた。

国際報道の件も含めて、NHKに問い合わせると「そうした事実はありません」(広報局)と回答した。

前会長の籾井勝人は、就任会見で「政府が右ということを左というわけにはいかない」と言ってのけた。上田だって、籾井体制で経営委員を務めていた。また、政治部の岩田明子の“安倍晋三ベッタリ”は知る人ぞ知る話だ。

忖度が疑われても仕方ないほど、NHKは官邸のスポークスマンと化しているが、会長の「左右されない」との国会答弁は、今後の森友報道で証明してもらうしかない。


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Last-modified: 2018-05-01 (火) 19:41:42