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古賀茂明が見た佐川宣寿喚問 「証言が本当なら独裁の証し」

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森友学園への国有地貸与と払い下げに関する財務省の「決済文書」改ざん問題。「安倍晋三官邸の指示はなかった」と最後まで“忖度”した格好の当時理財局長だった佐川宣寿(60)。2018年3月27日に行われた“忖度”証人喚問に何を感じたか。元経産官僚の古賀茂明に聞いた。

予想されたことですが、自民党側はうまく佐川宣寿の証言を使って、安倍晋三夫妻や官邸の関与はなかったという印象づくりに成功したと思います。自民党の丸川珠代が安倍晋三、官、財務相の指示がなかったかと畳み掛け、否定答弁を引き出すという“あうんの呼吸”でうまくやりました。

一方で追及する野党は質問時間が短すぎるのに、バラバラにやったのが印象的でした。

今の政治状況は完全に事実上の独裁が成立しています。独裁の意味とは民意のチェックを受けない独裁者がやりたい放題をやる、悪いことでも平気でやってしまうという意味もあるのですが、もっと問題なのは独裁者が指示をしなくても周りが意をくんで、忖度し、勝手に現場が悪いことをしてしまうことです。独裁者は何も手を染めていない。だから真相が見えてこない。もし、佐川宣寿の証言がすべて本当なら、まさに今がそういう状況であるということの証しになるのではないでしょうか。

安倍政権の倫理観はものすごくて、直接的な指示のような、決定的な有罪の証拠がない限り何をやってもいいという感覚になっている。だから、どんなに行政の信頼を損ねても悪びれもしないのです。これではいくら証人喚問をやっても値引きや文書改ざんの真相、責任の所在は明らかにならない。

今の政治の仕組みは安倍晋三が何を言おうが言うまいが、安倍晋三一強で下の者は逃げ道がない。安倍晋三の意向に沿って動くしかない。恐怖政治のような状況です。

その仕組みを変えるためにはマスコミの力が大きいのですが、そのマスコミ、特にテレビ局が権力に抑えられています。

私が2010年に現職の官僚として国会に呼ばれて当時の政権の政策について質問されました。その時、思いっきり政権を批判し、その後に、仙谷に“恫喝”されたのですが、官房長官が逆に陳謝に追い込まれました。この時はマスコミが特集を組んだりしてくれて徹底的に支援してくれたからです。

しかし今は、こんなことは起きません。官僚が自分が正しいことをすれば勝つ状況ではありません。それどころか、役人人生が終わり、さらに退職後も個人攻撃などで潰される。だから安倍晋三に逆らえない。それなら、いっそのことすり寄った方が得だとなってしまう。官僚にはそれ以外に逃げ道がありません。

安倍晋三官僚には「情報公開や文書の管理はしっかりやってください」と言いますが、要は「に迷惑かけるなよ」と言っているようなものです。

今回、安倍晋三政権が逃げ切ったとしたら、いくら綱紀粛正、官僚の襟を正すと言っても絶対にできません。安倍晋三忖度が蔓延、加速化し、安倍晋三すり寄り政策、行動が増えるでしょう。それを変えるためには一回リセットして、政権を変えるしかない。恐怖政治を葬り去らない限り、行政の崩壊は止まらないと思います。


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Last-modified: 2018-03-28 (水) 09:06:56