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政権は官僚の行動原理を利用…霞が関公文書“暗黙ルール”

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公文書管理法第1条には、公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であると書いてある。しかし、官僚たちはそう考えていない。公文書は、「官僚の利権を守るための大事な財産」だと考えられているのだ。

霞が関における公文書に関する暗黙のルールを私なりに整理するとこんな感じだ。

例えば、私が経産省で働いていた時、ワープロソフトの「ワード」を立ち上げると、デフォルトで白紙のワード文書の上欄外に「非公開」を示す文言が表示された。公開文書とするためには、いちいちその表示を消す必要がある。これは、上記ルール①を示すものだ。また、審議会の議事録は、問題となりそうな記述を削り、開催日からかなり時間を経て公開される。これにより、ニュース価値はほとんどなくなる。これは上記ルール⑤と⑥に該当する。

官僚が文書の公開に消極的なのはなぜか。それは、情報を出さなければ、責任を問われる可能性が低くなるからだ。特定秘密保護法を作ったのは、特に戦争原発など、後で大きな責任を問われるような問題について、重要な情報を長期にわたって秘密にするためだ。それによって、安心して戦争を始められるし、事故の責任追及を恐れずに原発を稼働させることができる。

逆に言えば、公文書を公開するのは、将来自分たちが何かの責任を問われる可能性を高くする「危険行為」だということになる。

実は、これは政治家にも共通する。首相や各省大臣など行政に関わる政治家は、自分たちが関係した行政行為に関して、後で責任を追及されないように、なるべく記録は残して欲しくないし、公開も避けて欲しい。だから、官僚たちは、政治家の意図も忖度しながら、情報を隠そうとする。

安倍晋三政権は、官僚たちのこうした行動原理をうまく使っている。秘書官などが、「問題を起こさないようにしてくださいね」と念を押せば、具体的な指示を出す必要はない。官僚たちは、それが官邸や大臣の意向だと思えば、それを錦の御旗として、せっせと隠蔽改ざんに励むのである。


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Last-modified: 2018-05-08 (火) 17:23:34