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農水省 愛媛文書を確認 省内で発見 柳瀬唯夫苦境「安倍晋三案件」記載

斎藤健は2018年4月13日午前の記者会見で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設について、柳瀬唯夫が2015年4月、学園側に「安倍晋三案件」などと発言したことを記載した文書が農林水産省内にあったと発表した。斎藤は「文書の中身は愛媛県に聞いてほしい」と記載内容への評価を避けたが、政府内でも文書が見つかったことで、学園側との面会を認めていない柳瀬唯夫はさらに苦しい立場に追い込まれた。

斎藤によると、農水省の課長補佐級の職員1人が文書を持っていた。2015年5月の異動時に前任者から受け取り、「農水省の事務とは直接関係ない」と判断して行政文書としてではなく個人的に保有。後任者にも引き継がなかった。前任者は同省の調査に「文書を見た記憶はなく、後任に渡した記憶もない。異動の際に渡した資料の中に含まれていたかもしれない」と答えたという。

農水省が公表した文書は、愛媛県職員らが2015年4月2日に内閣府の藤原豊、柳瀬唯夫と個別に面会した翌日の3日に作成された。報道各社が先に報じた文書では作成日が2015年4月13日になっていた。面会を踏まえた愛媛県の対応を記した部分も両文書で異なる。

ただ、藤原、柳瀬唯夫の発言を記録した部分は同じで、柳瀬唯夫が「本件は、安倍晋三案件となっている」と述べたことや、安倍晋三と加計学園の加計孝太郎の会食で獣医学部新設計画が話題になったことが記されている。

柳瀬唯夫は2018年4月10日に発表したコメントで「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」と面会を否定。2018年4月13日も安倍晋三官邸で記者団から「記憶の限りというのは変わっていないか」と問われ、「はい、変わりません」と語った。

菅義偉は2018年4月13日午前の記者会見で、柳瀬唯夫と愛媛県の主張が食い違っていることについて「政府として答える立場にない」と述べた。政府関係者は「文書が安倍晋三と直接つながることはないが、文書の信ぴょう性は少し高まった」と漏らした。

立憲民主党の福山哲郎は2018年4月13日午前の党会合で「記憶にないという説得力のない反論をしているのは安倍晋三柳瀬唯夫だけになった。もはや政権を維持できる状況ではない」と批判した。こうした中、衆院予算委員会の与野党筆頭理事は電話で対応を協議。立憲の逢坂誠二が柳瀬唯夫を早期に証人喚問するよう求めたのに対し、自民党の菅原一秀は「もう私の判断の範囲を超えている。党国対と相談する」と述べた。菅義偉は2018年4月10日、内閣府と文部科学省農水省厚生労働省各省に調査を指示したが、農水省以外では見つかっていない。

二つの文書の相違点

<面会を受けた愛媛県の対応>ついては、県としては、国家戦略特区申請のための提案書(案)について、今治市の意向を踏まえて、加計学園とも協議をしながら、連携して策定を進め、内閣府と相談させていただきたい。

<面会を受けた愛媛県の対応>ついては、県としては、今治市や加計学園と十分協議を行い、内閣府とも相談しながら、国家戦略特区の申請に向けた準備を進めることとしたい。

また、これと併行して、加計学園が想定する事業費や地元自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治新都市への中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方について十分に検討を行うこととしたい。


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Last-modified: 2019-10-28 (月) 12:12:24