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麻生太郎妄言でまた墓穴 反省ゼロ政権に森友疑獄の無間地獄

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国民の意識と乖離した麻生太郎の妄言にはア然だ。2018年3月29日に参院の財政金融委員会で「森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本新聞のレベル」と言い放った一件だが、2018年3月30日も立憲民主党の枝野が、「自分の役所でとんでもない不祥事が起きたという当事者意識を全く欠いた暴言。国民のためにさっさと地位を引かれるべきだ」と辞任を求め、批判した。

野党の怒りはその通りで、「訴追の恐れ」を連発して森友文書改ざんに関するほとんどの証言を拒否しながら、一方で「安倍晋三夫妻の関与はない」と断じた佐川宣寿の喚問によって、逆に国民安倍晋三夫妻に対する疑惑を深めている。森友問題佐川宣寿証言をメディアが大きく取り上げるのは当然のことである。

そのうえ、麻生太郎の発言は間違いだらけ。TPP11はまだ締結されていないし、茂木が往復した署名式の場所はペルーじゃなくてチリだ。新聞はどこもきちんと詳報していた。

2018年3月30日の同委員会でこうした事実誤認について指摘されると、麻生太郎は「森友と比較したのがよろしくないという点については反省する」とは言ったが、「TPPは1面トップになる記事だ」と減らず口を叩き、記者会見では「その程度の扱いなのかね」とネチネチ。揚げ句には「新聞を努めて読まないようにしているから詳しくないが」とまで言ってのけたのだ。

森友記事を小さくさせるための圧力

「未曽有」を「みぞゆう」と誤読した漢字の読めない大臣だから、「低レベル」は今に始まった話ではないが、今回の一件はただの“おバカ”発言では片づけられない。森友文書の開示請求などでこの問題を追及してきた神戸学院大教授の上脇博之はこう言う。

麻生太郎の発言の問題点は2つある。TPP11の開催場所を間違えたり、締結済みと事実に反することを言っているのは、現実が分かっていないということで、それだけでも大臣失格です。もうひとつは、あの発言がマスコミに対する事実上の圧力なのではないかということ。こちらの方が重大です。麻生太郎が本当に新聞も見ずに発言しているとは思えません。報道されているのを知った上で、森友問題の方がTPPより大きく扱われていることを批判している。つまり、森友問題の記事をできるだけ小さくさせるための発言なのでしょう。加計学園問題でもありましたよね。国会で参考人として立った元愛媛県知事の加戸の発言の扱いが小さいと、安倍晋三が散々、マスコミに文句を言った。彼らの思考は、マスコミに有利な報道や少なくともマイナスにならない報道をさせて、自分たちに都合のいい世論を形成していくというもの。マスコミも世論もコントロールできると思っているのです」

民主主義などくそくらえという独裁者の感覚

そうなのだ。この期に及んでのオレ様気取り。安倍晋三麻生太郎も自分たちが一番偉いと思って、ハナから野党やメディアバカにしてきたのである。

国会では民主党政権時代のことにまで遡って、野党の揚げ足取りをしたり、野党の追及をヘラヘラ笑って聞き捨てたり森友問題では最初に国有地売却の不透明さを報じた朝日新聞を悪者にして、「裏を取らずに報道した」「朝日らしい惨めな言い訳」と異常なほどの猛攻撃。政権にケチをつけるメディアなんて要らないし、大本営発表をただ垂れ流すだけでいいと思っているのだろう。

言論の自由や民主主義なんてくそくらえ、という独裁者の感覚だ。それが安倍晋三政権の本質であり、トップがそうだから末端の安倍晋三チルドレンまで同じ傲慢さが染み渡っている。

「だから、まっとうに説明責任を果たす内閣じゃないんですよ」と前出の上脇博之は言ったが、麻生太郎の妄言で、国民は悪辣な欺瞞政権の正体をあらためて思い知ったことだろう。

「膿を出す」と言った安倍晋三よ、自分こそが膿だ

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「疑惑にフタ」の悪あがきが国民に見透かされているのだから、どんなに幕引きを図ろうと、森友問題は終わらない。

「なぜ財務官僚が犯罪に問われかねない決裁文書改ざんにまで手を染めたのか」という理由が明らかにならない限り、安倍晋三政権は無間地獄だ。

法律のプロは佐川宣寿喚問で隠れた落とし穴が見えたと言う。弁護士の大前治は「現代ビジネス」の寄稿で、〈なかったという「悪魔の証明」を自信満々にやって窮地に陥った〉と指摘している。不存在を証明する「悪魔の証明」では、全ての存在事実を調査し尽くさなければならないが、「官邸からの指示はなかった」と言い切った佐川宣寿は、その理由を「私に報告がなかった」からだとした。それでは全ての存在事実を調査し尽くしたことにならず、〈佐川宣寿証言は根底から信用できなくなってしまう〉というのだ。

佐川宣寿証言の矛盾は歴然。そもそも安倍昭恵付のノンキャリ職員が財務省の国有財産審理室長にファクスで問い合わせしている時点で、「関与はあった」と誰もが思っている。

上智大教授の中野晃一(政治学)はこう言う。

「納得している国民はひとりもいないでしょう。安倍晋三は証人喚問前日、『膿を出し切る』と言いました。しかし、佐川宣寿の喚問では何も出てこなかった。膿は出し切っていないのです。それなのに『自分安倍昭恵が関わっていなかったからよかった』と今は大威張り。どう考えてもおかしいですよね。麻生太郎が『佐川宣寿』と呼び捨てにして批判されましたが、その佐川宣寿も証人喚問で国有財産審理室長の田村のことを『田村』と呼び捨てにして、後から思い出したように『田村室長が』と言い直していました。責任を下へ下へと押し付ける。トップの安倍晋三がそういう体質なので、政権全体に蔓延しているのでしょう。安倍晋三の他人事のような『膿を出す』というセリフに対しては、多くが『おまえが膿だろ』と思っていますよ」

独善首相だから外交「置き去り」に気づかない

そんなイカれた政権を官僚忖度し、財界がベッタリ持ち上げるから、イイ気になって、安倍晋三の盟友である甘利をして「今の外交課題に対応できるのは安倍晋三しかいない」などとホザくのであるバカも休み休み言え、だ。北朝鮮情勢を巡って激動の世界で、気づけば、いまや日本が完全に「置き去り」なのは明らかだ。

国際ジャーナリストの春名幹男が言う。

「『私は正しい』という安倍晋三の独善的な性格が、外交でも災いしています。外交では国としての奥深さが必要なのに、米国一辺倒でドナルド・トランプの話をうのみにしてしまった。その結果、北朝鮮問題で日本には情報が全く入らず、蚊帳の外に置かれてしまいました。2018年4月17か18日とされる日米首脳会談も本当にやれるのかどうか。ドナルド・トランプ日本の首相と会っている余裕などあるのでしょうか」

冒頭の麻生太郎の、TPPと森友の記事を比較した発言は、自民党内で頻繁に聞かれる「国会が森友問題ばかりなので外交や内政が停滞する」という不満の表れでもあるのだろう。

しかし、停滞させている張本人は誰だ。安倍晋三麻生太郎の退陣こそがこの国を前に進めることになるのである。


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Last-modified: 2018-05-04 (金) 16:24:14