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オタクビジネス

オタクビジネスとは、コミュニケーション能力に富み女性にもモテモテの軽薄なイケメンたちが、意思疎通力がなくモテそうにない愚直なたちからお金を合理的に巻き上げ、飼いならすために作り上げた商売形式または文学批評の様式である。この「リアリズム」に逆らう者は、「売れないものは存在しない」の名の下で、容赦なくスルーされる。

前史

黒歴史
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学級内の生徒序列で最高位に位置するあるイケメンは、クラスでの体裁を保つため抱え込んでいるストレスを組織的に晴らす方策を探していた。しかし、最下位(4軍)の生徒を安易に殴っては、「いじめっ子」のレッテルを貼られ、これまで築いてきた名声を失ってしまう。

彼もマンガアニメには幼少の頃から親しんできた口だ。日本子供は幼少期、階層を問わずこれらに親しむ。そのイケメンも一定の素養を持っていた。その中ではあらゆる正義はイケメンによって体現され、悪事は最も気色悪い者によって遂行されていた。

一方、彼から4軍とみなされている男もその手の分野に長じていた。もちろんこうした作品構造に無知だったわけではない。しかし、男は作品に出るヒロインのみを愛し、それだけを作品の構成要素とみなして、時にはヒロインの描かれた商品に手を出していた。

イケメンはある時、おもちゃ売り場でそうした商品を買う男の姿を目撃した。そしてひらめいた。「これだ!この原理をうまく活用すれば、俺達イケメンが構造的にあいつらを搾取し続けることができるぞ!うまくいけば世界をも征服できる!」

彼はその後大人になり、少年の時からの構想を実現すべく、その手の店を創業して、入れ替わりの激しい従業員にひたすら大声をあげさせた。すると、その構想は次世代の子供達によって積極的に受容され、被害者のはずの4軍の者までが唯一の精神的よりどころとするまでになった。

発展の軌跡

彼が最初に取り組んだのは、スクールカーストで下位だった者達が結成したとされる秘密結社が築いてきた鉄道や臭いサブカル作品、戦争兵器などの知識体系を深く知らなくても、「オタク」(または「ヲタク」)と名乗ることができる環境を築くことだった。そのために彼はある計略を考えた。

「奴らはにかしずかれることに弱い。ならば、美女がむさ苦しいどもに奴隷のようにかしずく喫茶店を運営すれば、奴らは餌に群がる蝿のように群がってくるに違いない」

この計略は大当たりし、彼はたちまち巨万の富を手に入れた。

彼はその資金力を活かして、今度は秘密結社が築いてきた分野において、だらけの作品を次々と投入した。例えば鉄道分野では、そこから変な思想が生まれてこないよう、「普通の言葉を話す美女が、思想用語ばかりで“客”に感謝しようとしない左翼系労働組合の圧力をはねのけて、“お客様”に感謝の限りを尽くす物語」を投入した。すると、鉄道会社の経営幹部がこれを公認教材として社内教育に活用したため、社会的な好感度が上昇した。地方鉄道を感染させるアテンダントはこの流れの中にあり、彼女たちは労働組合を打ち砕く女戦士として、今日もイケメンと結婚退職する日を目指して声を枯らしている。鉄道の結社員はそれに浮かれ、やがて自分の築いた知識を忘れていった。鉄道以外の分野でも、彼の企業グループは次々と結社員を「その分野での知のエキスパート」から「をかしずかせたいだけのアホ」へと精神改造していった。

こうして秘密結社の実社会への影響力を崩壊させた彼だが、それだけでは満足せず、自ら新しいジャンルの開拓に乗り出した。48人組、付属を加えれば300人を超す女性だけのアイドルユニットを結成させ、イケメンを礼賛するだけの曲を歌わせたのである。より多くの金をカースト下位者から合法的に巻き上げるために、彼はユニットのCDに1枚ずつ好きなメンバーへの投票権を与え、毎年1回メンバーの総選挙を行った。この商法も大ヒットし、中には複数の投票権を求めてCDに数十万円投じる猛者まで現れた。アイドルの歌詞に前衛性などなかったが、なぜか大手マスコミが続々と取材に押し掛けた。

次に彼は、地域社会に結社の文化を自分が考える形で市民の前に示すことを考えた。いろいろな場所が候補になったが、最も有名なのは踊りしかない県都だろう。もちろん、こうしたイベントでは彼自身の分身であり、話題の作品と同じような性格をしたイケメンが最も繁栄する一方、かつての結社員はただ大金を消費するだけで、結局何も得られないのはいうまでもない。

以上が現在までの商売の軌跡である。やったことはどうみても4軍の行為ばかりだが、創業者の彼は実社会でイケメンの地位を守り、毎日をかしずかせている。この商法はイケメンの天下を守る巧妙な文化政策として世界的に特筆されており、ジャパン・クール現象として、世界のマーケターが分析を行っている。

批判への対策

このような商法に対する批判の声は少なからずあった。まず、古くからの結社員はに大声で接客させることをやめさせ、自作の女キャラにが唱えたらその場で殺されかねない彼の企業グループへの批判思想を唱えさせようとした。

これに対して、彼は秘策を打ち出した。何と作中キャラの意志にはお構いなく、そのキャラクターに好色的なポーズをとらせた人形を無断製作し、それが作品の真のメッセージだと、作品を読んだことのない者にPRしたのだ。これは「読者は作中のメッセージをそのまま心に留め、実生活に生かすべき」という一般的な作品鑑賞の態度を商業の観点から全否定する革命的転換だった。9割の結社員はこれに対して抵抗姿勢を貫き通すことができず、屈服して転向した。屈服すれば、ご褒美としてをひざまずかせられるからだ。この手法は、「日本発の新しいフェミニズム封じ」として、世界的に注目されている。

一部の者は依然こうした「ヲタクリアリズム」への抵抗を続けている。しかし彼らは、こうした作品を自分で読もうとしない「接客の声だけが大きいたち」から徹底的に毛嫌いされているので、有効な対策を打ち出せずにいる。

また、このような構造的罠を見抜いた先進的な女性たちも抗議の声を上げている。しかし、彼の企業グループは同時に反中絶を唱えて右翼の歓心も買っているので、そうした女性に堂々と「時代遅れの左翼」という汚名を着せることに成功している。

表現分野ごとの戦略

喫茶店部門、鉄道部門、聖地巡礼部門、AKB部門については上の文章で既述

称賛の声

非難の声

関連項目


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Last-modified: 2018-05-02 (水) 12:18:48