ニュース

今や敵方の番犬 マスコミの崩壊に絶望する心ある官僚たち

https://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/227/014/aad5ec141c4636a65212fd4aa0bd0b3120180412131309671_262_262.jpg

通産省(当時)で1990年代に規制改革を推進していた時や、2000年代に内閣審議官として公務員改革を担当した時、マスコミの同志といえる記者たちに連日関連記事を書いてもらったり、テレビ局に官僚天下り批判の放送をしてもらったりして、改革推進の世論を高めることで規制改革や公務員改革を大きく進めることができた。

また、現職官僚として国会民主党政権の公務員改革を正面から批判した時、テレビ局は特集まで組んで「支援」キャンペーンを展開してくれた。改革派官僚にとって、マスコミは掛け替えのない戦友だった。

しかし、安倍晋三政権誕生後、マスコミ支配が進むと、この状況は一変する。

安倍晋三官邸の圧力で「報道ステーション」降板が決まったことを2015年3月27日の最後の報ステ出演で告発し、「I am not ABE」の紙を掲げた時、欧米のマスコミは私を支持し、日本外国特派員協会は「報道の自由の友賞」を授与した。一方、日本テレビ局は、安倍晋三政権ににらまれることを恐れて沈黙するか、逆に批判する映像を流した。

その後、事態はさらに悪化した。安倍晋三政権を批判する文部科学省前次官の前川喜平について、安倍晋三政権は個人情報をリークし、読売新聞がそれを記事として報道した。マスコミが官邸のために人権侵害を犯したのである。

安倍晋三政権の悪政と闘う官僚にとって、もはやマスコミは頼りになる同志どころか、下手をすると、牙をむいて襲い掛かる敵方の番犬に豹変する危険な存在だということになった。

近畿財務局で自殺に追い込まれた男性職員のことを考えていただきたい。マスコミが正常に機能し、官僚から見て信頼に足る存在だったら、どうなっていただろうか。この職員だけでなく、決裁文書改ざんに反対の職員は多かったはずだ。そのうちのひとりでも、マスコミにこの話を持ち出して、本省からの改ざん指示や安倍昭恵の関与などを報道してもらえたら、改ざんは止められ、尊い命は犠牲にならずに済んだであろう。

マスコミが「心ある官僚」から見て、信頼に値するものに生まれ変わらなければ、彼らは孤立無援で、安倍晋三政権の悪政を止めることはできない。

マスコミが本来の機能を取り戻すには安倍晋三政権倒壊が必須だ。しかし、安倍晋三政権が倒れるにはマスコミがその機能を取り戻し、真実を国民に伝えなければならない。結局は解のない堂々巡りになっているのが、悲しいかな、日本政治マスコミの現状なのだ。


トップ   編集 凍結解除 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2018-05-04 (金) 01:12:16